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姫初め<月刊少女野崎くん・野堀・R-18>

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堀先輩はセンター試験直前。

受験の間にささやかな(?)息抜き。

初出:2015/01/03

文字数:2947文字 裏話知りたい場合はこちら

 

「相変わらず凄ぇ料理の腕前だなぁ、おまえ。おせち料理まで作れるのかよ」

 

年が明けて三日の夜。

野崎の家に訪れたら、実家から一人暮らしの家に戻っていた野崎が、自作のおせち料理と共に俺を出迎えてくれた。

俺の家だと母親が普段働いているせいもあって、おせち料理はデパ地下で購入したものが定番だから、手作りのおせち料理は実はこれが初めてだが、ちょっと摘まんで食ってみたところ、良く出来てるという印象だった。

黒豆なんかも綺麗に煮るのは難しいとかって聞いたことある気がするが、ふっくらつやつやとしている。

 

「お雑煮もありますよ。先輩、今日は泊まっていくんですよね?」

「そのつもりで来てる。今日逃したらしばらく来られないしな」

「ですよね」

 

まがりなりにも俺は受験生だし、数日後にはセンター試験も控えている。

センター試験の後にもしばらく入試絡みでてんやわんやだし、無事に大学が決まるまでは当分野崎の家には来られそうにもない。

それでも、正月期間の一日くらいは息抜きも必要だろうと、こうして野崎の家に来ることにした。

何だかんだで、クリスマスも予備校でやっている講習を受けたりしていたから、こうやって二人で会うのは結構久しぶりだったりする。

 

「……夜も大丈夫ですか」

「ああ」

 

当然、前に野崎とセックスしてからの期間も大分空いてしまっている。

こうして、唇を重ねられただけで身体の中心が熱を持ち始める程度には飢えていた。が。

唇が離れて、もう一度重ねられようとしたところで手で押しとどめた。

野崎の眉が微かに顰められる。

 

「気持ちは分かるが、まず食わせろ。でもって、風呂にも入らせろ。新年早々がっつくんじゃねぇっての」

「……俺は先輩に早く触りたいんですけど」

「それも分かるが、落ち着け。最近、受験勉強ばかりで寛げてないんだよ。ちったぁ、休息させろ」

 

ちょっと拗ねたような顔になった野崎の頭をぽんと叩いた。

 

***

 

「……っとに。風呂ぐらいゆっくり入りたかったんだがな」

「すみません。でも、先輩だって焦らしすぎですよ」

「おまえなぁ……俺が受験生だっての……んっ、ちゃんと分かってんの……かよ」

 

風呂に入っていたら、途中で野崎が入って来た。

まぁ、その時点で先の展開は読めたが、ちょっとぼやきたくもなる。

そりゃ、お互い健全な男子高校生だし、したかったのは俺だって同意だが、この一日の休息を確保するためにここ数日は普段よりも受験勉強に集中していたのだ。

風呂くらい、落ち着いて入りたかったのも偽らざる本音だ。

だが、野崎はベッドまで待てなかったらしく、こうやって風呂に入っている最中に俺のところに来た。

幸い、髪や身体は洗い終わっていたものの、湯船に浸かる前に触られ始めてしまって、こっちもつい身体が反応してしまっている。

背中側から覆い被さるように抱き締められ、久しぶりに感じた肌が触れ合う感触にもっと先を望んでしまう。

身体を探っていく、骨張った大きな手の感触は確かに自分も求めていたものだと実感した。

野崎の手が勃ちあがりかけていた俺のモノを掴み、軽く擦ってくるだけで簡単に息が上がり始める。

 

「野、崎……っ」

「ダメ、とか言いません、よね」

 

野崎も興奮で声が擦れ始めている。

身体をくっつけてるから、野崎のモノもガチガチに固くなってるのは嫌でも分かる。

 

「言わねぇよ……っ。けど、久々なんだから加減、考えろよ、な」

 

ハッキリ言って、こいつのはデカいからそれなりに慣らしてからでないと受け入れるのはキツい。

過去に何度か衝動のままに押し込まれて、数日ケツが痛い思いをしたことがある。

だからといって、ヤらないって選択をするわけじゃないが、ちょっとは体格差を考えて欲しい。

 

「……努力は、します……っ」

「ふ……っ」

 

しっかりとローションは風呂場に持ってきていたらしく、ぬるついた指がケツの間を探って動き出す。

指が中に挿った瞬間、ぞわりと背筋を駆け上がった快感に、思わず風呂場の壁に手をついた。

指が中で触れる部分を丁寧にほぐしていく。

一本だった指が二本に増えて、其処を押し広げるように動き始めると快感で足ががくがくと震え始めた。

野崎が片腕で腰を支えてくれてるからまだしも、そうでなければ身体を支えるのが辛い。

……これだから、出来ればベッドでヤりたかったんだがな。

久々だと、こっちも感覚が鋭敏になってしまうからか、どうにも理性が崩されるのが早い。

指が三本になったところで、さらに強い快感が来て歯を食いしばった。

 

「なあ……っ、野崎……」

「挿れて、いいですね?」

「んっ」

 

指が離れて、そのまま突っ込まれるかと思ったら、くるっと身体を半回転させられた。

切羽詰まった表情の野崎が俺を真っ直ぐに見つめる。

 

「俺の肩に掴まって下さい」

「って、ちょっと待て。それだと深過ぎ……っ」

「知って、ます……っ」

「んんっ!!」

 

つい、反射的に肩に掴まった瞬間、両足を抱え上げられて、一気に深いところまで野崎が入り込んで来た。

肩には掴まっているものの、あとは背を軽く壁に押しつけて支えているだけだから、繋がった場所で感じる圧迫感が半端ない。

内部を埋めた熱はいつも以上に熱く、その存在をありありと伝えてくる。

不安定な状態になってしまっている足を、野崎の腰に絡めると、野崎の口元が嬉しそうな形になる。

俺の体重のほとんどがこいつにかかっているはずなのに、余裕に見える表情なのが何とも癪だ。

 

「く……そ、久々なのに、無茶、しやが……って……っ」

「だって、また、しばらく逢えない、じゃないです、かっ……!」

「あ、く、うあ!」

 

身体を揺らされて、強い衝撃が全身を走る。

指だけで肩を掴んでいると汗ばんだ肌に滑ってしまいそうだ。

爪を立ててしまいそうなのを躊躇っていると、野崎がそれを悟ったらしい。

 

「爪、立てて構いません、から。

次、会う時まで痕が残る、くらいでもいいです……っ」

「わ、り……!」

 

言葉に甘えて首に腕を回すようにしながら、肩や背に爪を立てると、それを合図にしたかのように野崎の動きが激しくなった。

俺のモノも野崎の腹に擦れて、余計煽られていく。

 

「の、ざ……きっ!」

「せん、ぱ……」

「くっ!!」

 

深い部分で野崎が出したのが分かった瞬間に、俺もイッた。

野崎の腹に出した精液が伝い落ちて、俺の足の付け根や繋がった部分を濡らしたのが感覚で分かる。

野崎が大きく息を吐いて、そっと俺を抱えたまま床にしゃがむ。

足が床につけられそうなところに来た時点で、野崎の腰に絡めていた足を下ろした。

野崎が俺の中から抜けると、野崎の腕を掴みながら、壁に寄りかかって床に座り込む。

中からこいつの出した精液が落ちてくるのを感じながら、軽く野崎のデコを叩いた。

 

「……ったく。加減しろっつったのに、おまえは」

「すみません」

 

叱られた犬みたいにしょんぼりとした野崎が妙に可愛い。

まぁ、こんなところも結局は好きなんだよなと、苦笑いするしかない。

俯いた頭に手を置いて、髪をくしゃりと撫でてやる。

 

「次は、ベッドな。流石にここで二回戦はきつい」

「……いいんですか?」

「一回で済むとは思ってねぇよ。物足りねぇのはこっちも一緒だしな」

 

ぱぁっと明るくなった顔が俺の方に寄って来る。

キスくらいはここでもいいかと、目を閉じて応じた。

 

 

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