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62号からの妄想ネタその2<月刊少女野崎くん・野堀>

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※野堀が既に付き合っている前提での話。

あと、62号のラストの話は若松がいるタイミングと、堀先輩がいるタイミングが違うという想定でお願いします。

初出:2015/03/28

文字数:1324文字 裏話知りたい場合はこちら

 

――先輩だって、他の人に抱かれたら寂しくなるかもしれませんよ。

 

先日、野崎の家で漫画の作業をしていた時の会話の中で、一瞬、その言葉にん?となったが、その後に野崎が校舎とか、廊下とかと続けたから、単に聞き間違いだったのは即座に分かった。

抱かれたらじゃなくて、描かれたらだ。

そりゃそうだよな。

いくらなんでも、若松もいる場でそんな発言をするわけない。

最近、こんな妙な聞き間違いをすることが時々ある。

野崎と関係するようになって、自分でも意識しないところで影響されているんだろうか。

別に四六時中セックスのことを考えているわけでもないつもりなんだけどな。

ただ、何かの折にふとした野崎の仕草とか言葉が気になることは増えたような気はする。

元々、野崎のアシスタントやるようになってから、ちょっとしたことが漫画のネタにもなるかなと思っていたとこもあるだろうけど、気付いたら思考が野崎に繋がっていることが多くなった。

その所為か、先日も若松と瀬尾がアイスの回し食いについてやり取りしているときも、つい衝動的に野崎に電話しちまったし。

恋しよっキャラに入れ込んでしまっているというか、まぁ、突き詰めれば野崎に入れ込んでいるってことなんだろうけどな。

 

「なんかこの二人、他人事に思えなくなってきたぜ……」

 

だから、つい漫画の作業をしていても、尾瀬と和歌が出てくるページを目にして、そんなことを口にしてしまったんだが。

 

「先輩は他人事ですよ」

 

野崎の応答は随分素っ気ないものだった。

 

「何だよ、おまえのキャラだろ」

「……先輩が気にするとしたら、俺のことだけでいいんです。そっちは放っておいたっていいでしょう」

 

微妙に拗ねたような口ぶりで返されたことに微妙な違和感を感じた。

もしかしたら、野崎と俺の間で捉え方の相違があるんじゃねぇの、これ。

 

「……あのな、野崎。聞くけど、おまえさ、俺がこの二人を他人事に思えないって言ってるのは、若松と瀬尾が気になるからだって思っているのか?」

「違うんですか?」

「そりゃ、知らないやつらじゃないから、全く気にならないとは言わないがな。俺が他人事に思えないのは、まずおまえのキャラだからっていう方が先立っているんだぞ? ……おまえが気になるから、この二人も他人事に思えないっつってんだろうが」

「…………そういう意味だったんですか」

 

野崎の表情が心なしか、和らいだ。

やっぱり、お互いの捉え方に違いがあったらしい。

野崎が自分が持っていた原稿と俺が持っていた原稿をテーブルに置いて、後ろから抱き締めてきた。

 

「それなら、問題ないです。俺ありきで思ってくれているのなら、嬉しいので」

「最初っから、俺はそのつもりだったんだけどなぁ……」

 

後ろ側に手を回して野崎の頭をぽんぽんと撫でると、腕にさらに力が籠められる。

 

「野崎」

「はい?」

「とっとと原稿終わらせるぞ。続きはその後だ」

 

どうせ、今日は泊まりの作業のつもりで来てるんだ。

原稿さえ、終わらせてしまえばいくらでも楽しめる。

 

「はい。背景お願いしますね」

「おう」

 

野崎が腕を解いて、離れたところで、俺もテーブルの上の原稿を手にし、本格的に作業に取りかかり始めた。

原稿を終わらせた後のことを内心楽しみにしながら。

 

 

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