Twitterでやってるタグ(というか、ふぁぼで画像に書いてある内容をやっていくやつ)で『いつもと違う視点(人称)で書く』というのがあったので、野堀を野崎視点で。
短いし健全。やっぱり野崎兄弟難しい!
(野堀もまゆみこも好きなのに、中々話が増えない原因は野崎兄弟の視点が全然書けないからという事情……)
画像に書いてた内容については、全部書き終わったらサイト側でも纏めます。
初出:2015/08/28
文字数:910文字 裏話知りたい場合はこちら。
「先輩。ペン入れ終わったので、こっちの原稿に背景をお願いしま……」
堀先輩に原稿を渡そうと、後ろを振り返ったら堀先輩は作業机に突っ伏して寝ていた。
今の時間は午前2時半。
今日は先輩に泊まり込みでお願いしていたが、普段ならもう寝ているだろう時間だ。
そういえば、少し前から静かだったなと今更気付く。
寝かせておいてあげたいところだが、あまり時間に余裕はない。
今回の原稿はそこそこ背景が入っている。
だからこそ、今日は泊まりで来て貰っているんだし。
少し気は引けたが、先輩の傍に寄って軽く肩を揺さぶった。
「先輩。先輩起きて下さい」
「ん……」
「……起きないなら、いたずらしちゃいますよ。額に肉の字とか、書いちゃってもいいんですか」
「…………んー……」
どうも、普段に比べて眠りが深いようだ。
割りと直ぐに起きることが多いのに、疲れているのだろうか。
そういえば、受験勉強もぼちぼち本腰を入れ始めているって言ってたし。
アシスタントは、演劇部の台本を書くのと引換えにして貰っていることだから、文化祭が終わったら、ひとまずアシスタント業は終了となる。
あと数回の〆切で先輩とこうして過ごすことはなくなるのだ。
それを思えば、こんな風に先輩が泊まって一緒に過ごす機会なんてあと僅かだっていうことが。
「……寂しいな」
単純に作業工程の都合もあるとはいえ、こうやって深夜に二人で作業をして、時々会話を交わすのは密かな楽しみでもあったし、モチベーションの維持にも繋がる。
佐倉はこうして家に泊めるわけにはいかないし、御子柴は時折泊まることは出来ても、あいつの家にはネコがいる上に、両親が仕事で留守にすることも多いらしいから、あまり家を空けたくはないようだ。
泊まっていって欲しいと言って、即二つ返事でOKを貰えるのは先輩くらいだった。
今はこの家にあれやこれやと置いてある、先輩の私物がなくなる日が来るのかと思うと、少し切ない。
先輩の寝顔をちらりと見ながら、俺も先輩の直ぐ傍で横になった。
「三十分くらい、ならいいか」
自分の休憩も兼ねてほんの少しだけ仮眠しようと、スマホでアラームを三十分後に設定する。
左手を先輩の太股に軽く触れさせ、伝わる体温に心地良さを覚えながら目を閉じた。
タグ:月刊少女野崎くん, 野堀, サイトのみ, 500~3000文字, 野崎視点