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【ヴァンパイアパロ堀みこ】<プロトタイプ>

※フォロワーさんがツイートしてたヴァンパイアパロ堀みこに射貫かれた結果。

別ロマ2で配布した無配ペーパーの話です。

別ロマ2での堀みこ本が完売したので表にぽいっと。

不倫堀みこが一段落した後にでもやってみたいです……が、長くなりそうなシリーズ物になりそうなんで、いつになるのやら……。

「おーい、ミコト。朝だぞ、起きろ。とっとと飯食わねぇと片付かねぇ」

隙間なくびっちりと遮光カーテンを締め切った部屋。
さらにそんな部屋の中で天蓋付きのベッドで寝ている同居人を起こそうと声を掛けたが、相手はほとんど反応しやしない。 

「ミコト。起きろって」
「う……もうちょっと待て。昨日、誰かさんが容赦無く攻めやがったから、足腰立たねぇんだよ……」 

枕を抱えて、顔を押しつけながらぼそぼそと言うミコトは、目も開けやしない。
起きるつもりねぇって言ってるようなもんだな、これ。
しかも、人の所為にするのかよ。
こっちとしちゃ、血を吸わねぇヴァンパイア相手に他の体液を与えることで、なけなしの栄養をやっているつもりだっていうのに。 

「…………容赦無いっていうのはこういうのだと思うがな」

枕を抱えている腕に狙いを定めて、カーテンをほんの少し開ける。
腕に朝日が当たって、ミコトが悲鳴を上げながら飛び起きた。
朝日の当たった部分が赤く爛れて、微かに皮膚の焼けたにおいが漂う。 

「ちょっ、しゃれになんねぇって! カーテン閉めろよ、開けるなよ! 年寄りいじめ反対!」 
「人がせっかく起こしに来たのに、惰眠を貪ろうとするからだろ。俺の本職忘れてねぇよな。……とっとと起きろよ」
「……っの、くそガキ」
「そのくそガキの下で、昨夜も腰振ってよがっていたのは、どこの誰だよ、くそジジイ」 

カーテンを再び閉めて、ミコトに近付き、赤く爛れてしまった腕を取って、口付けた。

「……っ」

ゆっくりと唇と舌を這わせていくと、どんどん爛れた場所が修復されていき、元通りの白い肌へと戻っていく。
こういうのを目の当たりにすると、やっぱり人間じゃないんだよなぁ、こいつとほんの少し寂しくなる。
最初にミコトと会ってから七年。
年相応に成長している俺とは違い、ミコトは当時から全く容貌が変わらない。
いや、七年どころじゃない。
本人の自己申告どおりだったとしたら、こいつは既に三百年は生きている。 

――おまえ、マサノリ・ホリの息子……いや、孫か?

初めて会ったときに、微かな驚きの表情と共に聞かれた言葉を思い出す。

――マサノリ・ホリなら曾祖父だ。それが?
――曾祖父、か。……そうか、もうそんなに時間が経っていたのか。曾祖父ってことはもう……。
――俺が生まれる前に死んでいる。……あんた、曾祖父を知ってるのか。
――ま、それなりに、な。……マサノリの血縁ならいいぜ。好きにしろよ。 

整った顔立ちは何処か儚げで、俺の中に何かを見ているようだった。
それがどうにも面白くなく、気付いた時には強引に連れ帰っていた。 

――おい、何だってんだ!?
――好きにしろっつったのはそっちだろ。 

俺のヴァンパイアハンターとしての初仕事は失敗だったのだろうが、今でも後悔はしていない。
ヴァンパイアの癖に血を吸うことが苦手で、ひっそりと暮らしていたミコトを自分の家に匿い、時折は抱いて。
そんな自分でも上手く説明出来ない関係を続けて七年。
未だにこの感情を何と呼べばいいのかわからないながらも、それなりに上手く一緒に暮らしていた。

Memo
ヴァンパイアハンター&へたれヴァンパイア。
これ書いた後に6巻の堀鹿コースターの情報が出て、ちょっとびっくりしてたw

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