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悪くはないけど、素直じゃない

御子柴お誕生日おめでとう!!
元は姫初めで使おうとしていたネタですが、時期が既に一ヶ月以上経ってるだろっていうアレな事情により誕生日ネタに転換。
鮮やかなリサイk(ry

去年の御子柴誕堀みこ話よりはネタとして酷くない……と思う。多分。
拘束椅子プレイですが←

そのうち堀先輩視点も追加したいですが、多分しばらく無理なのでとりあえず御子柴視点のみで。

大学生でつき合っている前提の堀みこ話。

 

 

「おまえ、今日この後予定入ってるか?」
「いや、何もねぇっすよ」

今日は俺の誕生日だから、好きなものを奢ってやるよと言われて、一緒に昼飯を食った後、先輩がそんな風に言ってくる。
日曜日ではあるけど、家に帰ったところで仕事に行ってる両親が帰宅するのは夜だし、それまでの時間はそもそも先輩から誘ってくれた時点で、先輩と一緒に過ごす気でいた。
今日が日曜日ってことで、すっかり恒例となっている誕生日プレゼントも兼ねたバレンタインチョコは、昨日のうちに大体の友人達がくれたし予定らしい予定は他に入れてない。

「だったら、このままちょっとホテル行かねぇ?」
「いいっすよ。でも、バレンタインだし空き室ありますかね?」

バレンタインだのクリスマスだの、いわゆる恋人達のイベント毎を後押しするような日にちは、どうしたってラブホは混んでいる。
まだ日中とはいえ、今年は日曜日にぶつかったし、ただでさえ男同士でも使えるようなラブホなんて限られてくるんだから、空き室なんて望み薄だ。
俺の家なら夜までは大丈夫だって言おうとしたところで、先輩が予想外の発言をした。

「それなら問題ねぇよ。もう予約してあっから」
「へっ!?」

確かに予約さえしてりゃ、空き室を心配する必要はない。
何だよ、最初から今日は俺と一緒に過ごしてくれるつもりだったんじゃねぇか。
男同士だし、先輩とは表立ってつき合っているとは言ってねぇけど、とっくに身体の関係を持ってからそれなりに経ってるし、多少は予測してたというか、期待してたというか、まぁそんなんだったから、ちょっと嬉しい。
つい口元が緩んじまうのを自覚する。

「何だよ。何笑ってんだ?」
「何でもねぇっす」
「なら、このまま行くぞ」
「うっす」

――その時の俺は、一時間もしないうちに、無邪気に喜んだ自分が馬鹿だったと後悔しようとは勿論思っちゃいなかった。

***

両親が仕事で留守がちなこともあって、俺の家で先輩とセックスすることが多いが、ラブホも何度かは使ったことがある。
けど、大体勢いに流されて家に着くのを待ってられないからって感じで、わざわざ予約して来るのは初めてだ。
第一、ラブホでも普通のホテルみたいに予約出来るところがあるなんて、全然知らなかった。
予約可能なせいかどうかまでは分からねぇが、何となく今までに使ったことのあるラブホよりも部屋が綺麗な気がする。
こんなちょっとした特別感って悪くねぇなって思ってたら。

「御子柴、御子柴。これ見てみろよ」
「はい? 何で――」

返事の途中で思わず固まった。
固まった理由はそこにあった椅子だ。
部屋はラブホというより、ちょっと小綺麗でオシャレなホテルって印象だったのに、その中でちょっと異質な雰囲気を漂わせている椅子は初めて目にしたタイプのもの。
座面と背当て部分は妙に目を引く赤さで、椅子の前脚部分には、それぞれに鎖とそれに繋がれた黒く細長い――まるで首輪を思わせるような合皮がついている。
背当ての方にもやっぱり似たような物が二つついていた。
加えて、座面の真ん中部分は不自然にくりぬかれたように空いている。
座ったら、ちょうど開いている真ん中の部分から何かを挿入出来るような形状を見て、瞬時に直感がこれはヤバいと告げていた。
ここがラブホだってのは最初から分かってたし、ラブホによってはセックスの時に使う為の様々な道具があるなんてこともとっくに知ってる。
けど、これはヤバい予感しかない。
……ホテル予約したって言ってたよな。
だったら、先輩は絶対こういう椅子がここにあるって分かってたはずだ。
ちらりと窺うつもりが、ばっちり先輩と目があって、ニヤリと笑みを返される。

「赤ってやっぱりめでたい色だし、おまえの髪とも色合ってるよなぁ。じゃ、早速この椅子を試して……」

先輩が言い終わる前に、つい回れ右してしまった。
今逃げないとまずい。
身の危険を感じて、思考よりも先に身体が勝手に動く。

「すみません、先輩。俺、用事思い出したんで帰りま……」

そのまま足を踏み出したところで、先輩にがっしりと腕を掴まれる。

「おまえ、来る前に今日はもう何もねぇって言ってただろ」
「いや、だって、その椅子どう見たってヤバいやつじゃないっすか! 絶対先輩試す気でしょ!?」
「当たり前だろ。何の為に予約までしたと思ってんだよ」

やっぱり分かってて予約したのかよ、と危うくそのまま口に出しそうになった。
使ったことはなくても、見ただけで何となく椅子の利用用途は察せられてしまった。
合皮で手足を椅子に拘束しといて、その状態で色んなプレイを楽しむってやつなんだろうけど、先輩はちょっとSっ気あるから、何をしてくるやらだ。

「御子柴。これも俺からのプレゼントの一つだ。……帰るなんて、言わねぇよな?」

先輩との付き合いも数年。
今、無理矢理帰ってみたところで、後々かえって怖いのは目に見えてる。
語尾は問いかけているようにしていたって、選択肢なんてはなっからないに等しい。
何で誕生日当日にこんな目にとは思っても、プレゼントなんて言われた日には。

「…………お手柔らかに頼みます」

そう返すのがやっとだった。

***

拘束するための合皮を止める部分はマジックテープだが、手足をそれぞれに椅子に括り付けられてしまうと、自分でも驚く程に力が入らない。
力が分散されちまって、上手く外せる気がしなかった。
とてもじゃないが、自力で取ろうと暴れると椅子ごと床に倒れこんじまいそうし、怪我する覚悟がないと動けそうにねぇ。
というか、ホント誕生日だってのにろくなことになってない。
少しばかり、先輩の誘いに乗ったのを後悔していたら、さらに先輩は部屋に置いてあるアダルトグッズの自販機から、何かを購入したらしい。細長い20cmくらいの高さがある箱を持っていた。

「げっ」

箱の正面にある透明な窓から中身が見えて、つい引き攣った声を挙げちまう。
先輩の持っている箱に入っていたのはバイブだった。
椅子の座っている部分には空間があるから、突っ込もうと思えば容易に突っ込める。
いや、間違いなくそうするつもりで買ったんだろう。
本気で今すぐ逃げ出したい。
せめて、こういう道具を置いていないラブホだったら、まだ良かったが、どうもここは色々とその手の道具を揃えているっぽかった。
どこでこういう情報手に入れてきたんだ、この人は。

「偶にはこういう風にちょっと変わったパターンを試したいって思わねぇ?」
「思いません。思いませんから、それ引っ込めて下さい。試すなら、せめて普通の時にして下さいって!」

だったら、まだ逃げられる可能性があるからとは、勿論言わない。
こんな椅子に拘束されてしまっている状態だと、俺は身動きとれないから逃げようがない。
先輩が箱から取り出して剥き出しにしたバイブに、ローションを垂らしていく。
ああ、やっぱりやめる気なんかねぇな、先輩。
相変わらず、こういう時は人の話を聞きやしねぇ!

「ま、これ俺のより細いし大丈夫だろ。流石にその椅子に座った状態だと、おまえに挿れらんねぇしなぁ」
「だったら、解いてベッド行きましょうって! ……ん!!」

先輩のモノに比べて、ひんやりとした無機質なものがケツに触れて、身体が竦むも勿論逃げ場はない。
先輩の顔が近づいて来て、キスを交わしつつも、軽くバイブを馴染ませるように、孔の周辺を数回突かれる。
幾度目かの触れた際に、そのまま俺の中へと入ってきた。
圧迫感はそうでもないけど、生身のモノとは決定的に違う違和感がどうにも拭えない。

「う、あ」
「ほれ。意外にすんなり入っただろ。ま、本番はここからだけど」
「ひっ!?」

中で挿れられたバイブが勢いよく動き出して、変な声を上げてしまう。

「や……っ、せん、ぱ、そ……れ、とめっ……うああ!」

止めるどころか振動をより強くされて、身体が跳ね、椅子が傾きかけた。
先輩が椅子ごと支えてくれて、床に倒れ込んだりはせずに済んだけど、バイブの方を抜いてくれる気はないらしい。
ああ、せめてこのバイブ、腹に力入れたら外に押し出せねぇかな。
とはいえ、あまり身体に力なんか入らねぇんだけど。

「感じてねぇわけでもないよな。先走り凄ぇことになってるの見ると」
「そりゃ、こんな風に逃げられねぇんじゃ、どうし、ようもない……じゃない……っす、か」

先輩の指が、俺のモノの先っぽをぐりぐりと刺激して、与えられる快感に言葉が途切れ途切れになる。
俺の耳元で、低い声が楽しそうな感情を含ませて囁いてきた。

「可愛いなぁ、おまえ」
「っ!! うあ!!」

言い終わらねぇうちに、さっきよりもさらに振動が強くなった。
まだ、強く出来たのかよと絶望的な気分が襲ってくる。
指先も鈴口に軽くめりこみ、腹の奥から、下腹部を中心に痺れたような感覚が広がって、その場所が壊れちまうんじゃねぇかって恐ろしくなる。

「せんぱ……っ、も、抜い、てくだ、さ……っ」
「一回出したら、抜いてやるよ」
「あああああ!!」

まさかのもう一段階強くなった振動と、強めに握りこまれたちんちんへの刺激に限界が訪れた。
腰が抜けそうになったのに堪えきれず、そのまま床に精液をぶちまけるような形になった。
黒い床に飛び散った精液に、これ後で拭くのも俺がやることになりそうだって思っていたら、足と手を拘束していたものが外されていった。
けど、イッたばかりのしんどさに身体を支えきれなくて、ぐらつきそうになったとこで先輩が支えてくれ、そのまま勢いをつけて、俺の身体を自分の肩に担ぐように持ち上げる。
俺だって、特別軽いわけじゃねぇのに何て力だよ。

「ベッド行くぜ。続きはそっちでだ」
「も……ほん、と……」

やりたい放題だなって思いつつも、抵抗する気力もなく、身体をベッドの上に投げ出されて溜め息しか出なかった。

***

「……?」

ベッドの上に移動して、セックスした後に意識を飛ばしたのか、気付いたら先輩の腕に抱かれるような格好で寝ていた。
すぐ目の前には先輩の裸の胸が見える。
先輩は起きていたらしく、俺の髪をずっと撫で続けていた。
撫でてくれている手はどこまでも優しくて、心地良いにも程がある。
多分だけど、俺が目を覚ましたことにはまだ気付いてなさそうだ。
気付いていたら、中々こうして優しくなんてしてくれねぇから。
……狡ぃよなぁ。
あんだけ無茶苦茶やってくる癖に、終わった後こうやって優しくしてくんの。
飴と鞭って言葉が頭の中をよぎっていくのも無理はねぇだろう。
そんでも、もうちょっとだけ甘えさせて貰うくらいはいいよな、誕生日なんだしと、開きかけた目をもう一回閉じる。
再び遠のき始めた意識の片隅で、おめでとうって聞こえたのが気のせいかもしれないって思いながら、先輩の体温に身を委ねた。

Memo
安定のチョロ柴。
みこかしやみこまゆ♀、もしくはBLでもまゆみこなら普通に甘い誕生日話になるんだろうなぁと思いつつ、今年も結局堀みこになりました\(^o^)/

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