ゆく年くる年【堀鹿】
- 2017/01/01 04:30
 - Novel(R-15), 堀鹿(R-15)
 - 月刊少女野崎くん, 堀鹿, ワンライ
 
あけましておめでとうございます&堀鹿ワンドロ始動おめでとうございます!
[第1回堀鹿ワンドロ]
— 堀鹿ワンドロ (@hrks60min) 2016年12月31日
お題/ゆく年くる年
21:00〜22:00ワンドロ(orワンライ)開催
22:00〜 #hrks60min のタグをつけて投稿してください(詳しくはツイフィールをご覧ください)
皆様のご参加お待ちしております
三が日くらいはTwitterの鍵開けとこうと思ったのと、せっかくの堀鹿ワンドロ一回目なので、遅刻ですが参加を。
(TwitterIDは@yukiha_hrks)
後日、URL変更して、Novelページに移します。(まだNovelページ整頓出来てないので、とりあえずこっちに)
※既に社会人で付き合っていて同棲済というのが前提の堀鹿。
 R-15くらい。……一応、最初は完全に健全にしようと思っていたはずだった。(過去形)
「せんぱーい、お茶飲みます?」
 「おう」
今年は先輩も私も仕事納めは同じ29日で、仕事始めも4日からと被っていたのもあって、年末年始にかけて旅行を決行して、旅先で年を越してみようということになっていた。
 先輩曰く穴場だと言ったこの温泉旅館は、思っていたよりも宿泊客は少ないのに、大浴場は広く、二種類の温泉が楽しめるようになっていたし、お料理も美味しかった。
 先輩は旅行が趣味の一つだからか、こういう場所に結構詳しい。
 夕食と温泉をまったりと楽しんで、あと二時間足らずで今年も終わろうとしている。
 テレビを見ながら、時々は他愛もない話をし、お茶を飲むという流れだけを言えば家にいるのと同じだけど、やはり場所が違うと気分は変わってくるものだ。
 部屋に置いてあった電気ポットと急須を使って、お茶を淹れ、先輩が座っている傍の机に湯飲みを置いた。
「はい。まだ熱いから気を付けてくださいね」
 「サンキュ。……お」
お茶を飲もうとしたタイミングで除夜の鐘が聞こえてきた。
「近くにお寺あるんですかね、結構大きく響きますね」
 「ああ、さっき車で通ったときはもう夜だったから見えてなかっただろうけど、来る途中にあったぞ。多分、そこのだ」
 「そうだったんですか、気付かなかったです。じゃ明日参拝しに行くのってそのお寺ですか?」
 「まぁな。正月期間だけおみくじがちょっと変わった形しているらしいぜ。俺も話に聞いただけで見たことねぇけど」
 「へぇ、それは楽しみです!」
変わった形のおみくじってどんなのだろう。
 さっき、旅館の売店で買ったお茶菓子を摘まみながら、私も先輩と一緒にテレビを見ていたら、不意に先輩が私の脇腹を掴んで来た。
「ん? 何ですか?」
 「いや、おまえ甘い物結構好きな上に、変な時間に物食うこともある割りには太んねぇなって。肉つきそうな気配ねぇもんなぁ」
 「そういう先輩だって、太ってないじゃないですか。演劇で結構動いたりとかしてるからですかね?」
私も先輩の二の腕を触りながらそう返す。
 高校で先輩と出会ってから始めた演劇は、大学、そして今は社会人劇団に所属する形で続けている。
 昔みたいに王子様役ばかりやるわけではないけど、やっぱり舞台で演じるのが楽しいのは、きっと先輩も一緒だからっていうのが大きい。
「まぁ、それはあるかもな。ただ、そろそろ運動して鍛えねぇとヤバいかもな。若さでどうにかなるのってそろそろ限界じゃねぇの」
 「えー、先輩はまだまだ大丈夫ですよー。大体運動だって適度にし……」
言い掛けてやめた。
 うっかり思い浮かべたのは、健全な運動じゃなかったからだ。
 恋人同士ならではの運動は適度に夜してるけど、別に今話題に出さなくてもいい。
 一年の計は元旦にありっていうし、元旦の過ごし方で一年が決まるともいうから、今それを話題にだしたら、一年がとんでもないことになりそうだから、気付かないで欲しいなって思ったけど、先輩は生憎私が言い掛けた内容に気付いてしまったらしい。
 ニヤリと笑って、自分が手にしていた湯飲みを、そして次いで私が持っていた湯飲みを机に置いて。
「わっ」
脇腹に回されていた手が離れたかと思った次の瞬間、私の視界には天井、そして私を見下ろす先輩の顔が映る。
「そうだなぁ。適度にしてるよな、こういう運動。年の締めってことで年明け前にやっとくか。せっかくノーブラだし」
浴衣の合わせ目から胸元に手を入れられて、直接胸に触られる。
 温泉に入った後、ブラをつけていなかったから、先輩の指が乳首に触れそうになったところで、慌てて手を掴んでとめた。
「待って下さい、煩悩を払うっていう除夜の鐘が鳴っている最中にしますか、普通!?」
 「人間なんて煩悩取っ払っちまったら面白くねぇだろ。大体、払いきれるわけねぇっての」
しれっと言い放った先輩は、続いて身体ごとのし掛かってくる。
 あああ、これはもうするつもり満々だ。
「姫始めって一月二日にするものだから、今日はゆっくり過ごすとか言ってませんでしたか!?」
 「忘れた」
 「忘れたって、先……んっ」
黙っとけと言わんばかりにキスで唇を塞がれて、さりげなく消されたテレビの音に諦める。
 せめて、布団敷いてあるから続きはそこでお願いしますと言うのが精一杯だった。