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お仕置き

※二人が社会人で付き合っていて同棲中を前提とした話(not不倫堀みこ)です。ご注意を。

「まだいっちゃだめ」の続きです。

酒は好きだが、強くはないって自覚はある。

酔い始めると無性にセックスしたくなる癖に、勃ちにくいわ、イキにくいわで、それについて先輩にぼやかれたことも一度や二度じゃない。

昨夜飲んだワインは口当たりが良くて、つい深酒をしてしまったのも俺だけど。

 

「せんぱ……っ、俺が……悪かった、からっ……も、勘弁、してくだ、さ……うああ!」

「あ? 聞こえねぇ、今、何っつった?」

 

嘘だ。絶対嘘だ。

ちゃんと俺の言葉は聞こえているはずなのに、まだ開放してくれるつもりはないらしい。

先輩の口元は笑ってるけど、目が全く笑ってない。

 

「んっ、うあ、あああっ!!」

「…………っ!」

 

中を激しく擦られながら、先っぽも先輩の手で扱かれて、堪えきれなくなり、再び先輩の手を濡らした。

今ので、三回……じゃない、四回目か、イカされたの?

乳首とちんちん弄ってイカされたのと、口でがっつりしゃぶられてイカされたのと、中を指だけで擦られてイカされたのと、今の身体繋げた状態でイカされのとだからやっぱり四回だ。

そろそろ快感というよりは、腰が熱くてだるいと言った方が近い。

いや、熱いのは腰だけじゃねぇな。

もう、全身が熱くて、先輩の唇が軽く首筋に触れたりするだけでも、結構くるものがある。

対して、先輩の方はといえば、今俺の中に出したのが一回目だ。

先輩の感覚だと、まだ続けてきそうな予感しかしない。

間違いなく、昨夜俺がイクにイケなかった分の報復なんだろう。

先輩は自分一人でイクのを意外なくらい嫌がるんだよな。

一人でイクなら、オナニーするのと大差ないとか言って。

 

――俺、三倍返しが信条なんだよな。知ってたか?

 

昔、まだ学生だった頃。

何かの折にそんなことを先輩が言っていた台詞が、ふいに頭を過ぎっていく。

あれは、見えるところにキスマークつけるつけないでの流れか何かだったか。

結構、しつこいっていうか、根に持つとこあんだよな、先輩。

素っ気ない時もあるかと思えば、妙に独占欲強いし。

求められているんだなって伝わって悪くはねぇけど、こういう極端なのはホント勘弁して欲しい。

そりゃ、昨夜は先輩からしたら物足りなかったんだろうけども。

 

「……そろそろキツいか?」

「そりゃ、こっちは今ので四回目、なんで」

 

つい、返す言葉も荒い呼吸と混じって途切れてしまう。

 

「俺も昨晩、中々キツかったんだよなぁ。おまえ、ガンガン攻めてやっても全然固くなんねぇし。酒入ってないとこんな簡単に勃つのになぁ」

「う、あ……や、まだ敏感だから、触らな……っ、ああっ、や、ああ!」

 

俺が出した精液で濡れた先輩の手が再び動き出して、あっけなく快感が引き上げられていく。

身体はとっくに悲鳴を上げてるのに、反応しちまうのが恨めしい。

 

「……っと、俺が悪かったから……っ、も、許し……っ、んん!」

「実琴」

「ふあっ!!」

 

がり、と耳を甘噛みされた。

微かな痛みと甘い快感が、耳から首筋、背筋へと走って行く。

 

「おまえ、ホントに外ではあんな飲み方すんじゃねぇぞ。あんなん外でやられたら、気が気じゃねぇ」

「しない……っ、絶対しねぇ、からっ、まさ、ゆきさ……っ!」

「約束、だぞ……っ」

「ん、んん!!」

 

重なった唇からは、いつもの煙草の味がして、先輩の舌が上顎を撫でていった。

その刺激で五回目だ。

先輩が中に出した感触に、酒は飲んでも飲まれるな、って言葉を噛みしめながら目を閉じた。

Memo
堀みこの今夜のお題で出た中からピックアップ。
翻弄されて、そのままなわけないよねパイセンということで、逆襲タイムw
pixivではShort Stories 04に収録してあります。

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