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パイセンの事可愛いって言ったらガン攻めされて泣かされる御子柴

[御子柴Side]

 

「あー……流石に汗かいたからワックス大分落ちたな。御子柴、おまえのワックス貸せ」

「どうぞ。机の上に置いてるから好きに使って下さい。今日忘れたんすか?」

「ああ。今朝ちょっとギリギリで慌ててたからカバンに入れ損ねた」

 

セックスが終わった後、そう言ってきた先輩に、普段俺が使っているワックスの場所を教える。

まだ、気怠さが残っていて、身体を起こすのがしんどかったから、指さしただけだけど、先輩は直ぐ見つけてくれた。

いつもなら、俺の家に寄る時は持ってきているのに珍しい。

ワックスが落ちて、前髪がほとんど下りた状態の先輩とか、こんなタイミングじゃないと中々見られないから、俺は結構好きなんだけど、先輩は幼く見えるからって外出するときは絶対ワックスを使っている。

だから、今も家に帰るまでの間の為に使っているんだけど。

 

「……そのままでも可愛いのに」

 

確かにちょっと幼くも見えるけど、同時に先輩の素の一面も見られる気がする。

正直自宅に帰るまでのちょっとの間なんて、そこまで気にするほどでもないっていうか、それを気にする先輩が可愛い位だ。

 

「…………今、おまえ何て言った?」

「え」

 

ヤベぇ、今、何か口に出してたか、俺。

『幼い』でも『可愛い』でもまずい。

そういう風に見られることを先輩は嫌がる。

 

「いや、何も言ってな……うわ!」

「散々、さっきまで可愛い声上げてたのおまえだろ」

 

先輩は開けかけていたワックスの容器の蓋を再び閉めて、テーブルの上に置くと、まだベッドで横になっていたままの俺のところまで来て、掛けていた布団を剥いだ。

すかさず、俺のモノを握りつつ唇を重ねて来て、落ち着いていた快感が再び頭をもたげ始める。

 

「……ん、ちょ……っと、先輩! 後始末したばっかなの、に……!」

「軽くしかしてねぇし、もう一回すればいい話だろ。まだ時間経ってないから、ここもキツくねぇし」

「んんっ!!」

 

潤滑剤もつけてない状態の指をそのまま挿れられて、中を探られていく。

 

「や、め、せん、ぱ……! あ、うあ……!」

「ほれ、可愛い声出してんのおまえじゃねぇか。人のことなんて言えた口かよ」

 

うっかり『可愛い』なんて口にしてたのか、俺。

セックス後の疲れてる時は、つい本音が出るのがマズいな。

どうやら、先輩のスイッチを入れてしまったらしい。

 

「あー……やっぱり後始末簡単にしただけだったから、中にまだちょっと潤滑剤と精液残ってるな。潤滑剤追加しなくてもイケるんじゃね?」

「冗談で…………ちょ、うわ、や、ああ!!」

 

指が抜かれたと思ったら、直ぐさま足を広げられて、そのまま触れられていた場所に強い衝撃が来る。

 

「……っ!! 無茶、しない、で下さい……って!」

「無茶っていうけど、ここはそうでもねぇみたいだぞ。……すっかり、俺の身体に馴染んだよなぁ。最初はあんなに痛がってたのに」

「だ、れの所為……だと……! あ、あ、ちょ、強……っ!!」

 

突き上げる速度に容赦が無い。

いや、容赦が無いのは、速度だけじゃなくて場所にしてもだ。

焦らしもせずに、弱い部分をガンガン擦り上げてくる。

 

「時間あんまり余裕無いしな。キツすぎたら言え」

「……っと、強引にも、程、ありますって……んん!」

 

ワックスつけて、着替えたら帰宅する予定だったのそっちじゃねぇか、とはもう言う余裕がない。

こんな強引に二回戦に持って行かれたのに、ちゃっかり反応する自分の身体が心底恨めしい。

こうやって反応しちまうから、先輩を余計に喜ばせて、つけあがらせるんだってのも分かってるのに。

 

「ひ、あ、せん、ぱ……!」

「……っ」

 

身体はあっさりと今日二度目の限界を迎えた。

……相手の色に染められるって表現を目にすることがあるけど、それなら、今の俺はすっかり先輩の色に染められてしまっている気がする。

 

「……も、ホント、勘弁……して下さい」

「……煽ったのはそっちだろ」

 

目の端をぺろりと舌で撫でられて、涙を零していたことを自覚する。

 

「可愛いのはおまえだろ、実琴。俺に可愛いなんて言うのは百年早ぇよ」

「……くそ。ちょっと口に出ただけなのに」

「このまま、続けてもいいんだぞ?」

「………………マジ、勘弁して下さい」

 

本当に続けられそうなのが先輩の怖いところだ。

ホント、絶倫にも程があんだろ。

結局、溜め息交じりに白旗を揚げるしかなかった。

 

[堀Side]

 

「あー……流石に汗かいたからワックス大分落ちたな。御子柴、おまえのワックス貸せ」

「どうぞ。机の上に置いてるから好きに使って下さい。今日忘れたんすか?」

「ああ。今朝ちょっとギリギリで慌ててたからカバンに入れ損ねた」

 

いつもだったら、こうして御子柴の家に寄る時には、自分のワックスを持ってくるようにしているが、今朝みたいに慌てるとカバンに入れ損ねる。

ただ、御子柴とは髪質が違うせいか、こいつが使ってるワックスだとイマイチ決まらなかったりするんだよな。

今日はもう仕方ねぇけど。

いっそ、家に置いてあるのと同じワックスを御子柴の家にも置いとくべきか。

御子柴が使っているワックスの容器の蓋を開けて、いざ中身を手に取ろうとした瞬間、小さな呟きが耳に届いた。

 

「……そのままでも可愛いのに」

 

…………可愛いって、何だ、おい。

さらっとそんな言葉が出て来たってことは、普段から俺を可愛いとでも思っているのか、こいつ。

普段、可愛い反応してやがるのはどっちだと思ってる。

 

「…………今、おまえ何て言った?」

「え……いや、何も言ってな……うわ!」

「散々、さっきまで可愛い声上げてたのおまえだろ」

 

ワックスの容器の蓋は再び閉めて、テーブルの上に置き、ベッドの中にいるままだった御子柴のところに行って、掛けていた布団を思いっきり剥いだ。

まだ、何も身につけてなかった御子柴のモノを手の中に収めつつ、キスを交わす。

触れてる唇と手でそれぞれ軽く刺激を与えると、手の中で御子柴のモノが固くなり始めたのが伝わった。

 

「……ん、ちょ……っと、先輩! 後始末したばっかなの、に……!」

「軽くしかしてねぇし、もう一回すればいい話だろ。まだ時間経ってないから、ここもキツくねぇし」

「んんっ!!」

 

まだ、抜いて時間がそれほど経っていなかったからか、ゆとりのあった場所は、乾いていた指でも難なく入る。

さっき、散々擦った場所を指で再び撫でてやると、御子柴が切なげに声を零していく。

こいつの弱い場所なんて、とっくに把握済みだ。

 

「や、め、せん、ぱ……! あ、うあ……!」

「ほれ、可愛い声出してんのおまえじゃねぇか。人のことなんて言えた口かよ」

 

挿入している指先には、さっきの分の潤滑剤と精液が纏わり付いてきた。

刺激したから、奥の方から滴り落ちて来たらしい。

この位なら、そのまま挿れられそうだ。

 

「あー……やっぱり後始末簡単にしただけだったから、中にまだちょっと潤滑剤と精液残ってるな。潤滑剤追加しなくてもイケるんじゃね?」

「冗談で…………ちょ、うわ、や、ああ!!」

 

指を抜き、御子柴の足を抱えて、こっちもちゃっかり臨戦態勢になっていたモノを突っ込む。

やはり、時間をおいていないからか、意外に奥までするりと抵抗なく挿れられた。

 

「……っ!! 無茶、しない、で下さい……って!」

「無茶っていうけど、ここはそうでもねぇみたいだぞ。……すっかり、俺の身体に馴染んだよなぁ。最初はあんなに痛がってたのに」

「だ、れの所為……だと……! あ、あ、ちょ、強……っ!!」

 

実際、強めに突き上げてみてもキツさはない。

御子柴にしたって、本気で嫌なら離れようとしてくるだろうが、御子柴の腕は俺に縋るように背に巻き付けられている。

果たして、そんな状況をこいつはどこまで自分で理解しているのやら。

 

「時間あんまり余裕無いしな。キツすぎたら言え」

「……っと、強引にも、程、ありますって……んん!」

 

仰け反った頭を抱えて、御子柴の喉元に口付ける。

涙声にはなっているが、それが快楽からのものなのは問うまでもない。

触れている腹から、御子柴のモノがびくびく震えているのが伝わった。

もうお互いに限界は近い。

 

「ひ、あ、せん、ぱ……!」

「……っ」

 

中がキツくしまって、御子柴が出したのを感じながら、俺も再び中に履き出す。

 

「……も、ホント、勘弁……して下さい」

「……煽ったのはそっちだろ」

 

目元を赤く染めて、声も腕も俺を求めて。

涙の筋を舌で拭うと、まだ熱っぽい御子柴の吐息が当たった。

 

「可愛いのはおまえだろ、実琴。俺に可愛いなんて言うのは百年早ぇよ」

「……くそ。ちょっと口に出ただけなのに」

「このまま、続けてもいいんだぞ?」

 

半分は冗談だが、半分は本心だ。

流石に、もう一回ヤるには時間が厳しいが、このまま続けてもイケなくはない。

何せ、まだ中から抜いていない。

 

「………………マジ、勘弁して下さい」

 

困った表情も可愛いなんて言ったら、こいつどんな反応するだろう。

今日は勘弁してやるよ、と小さく耳元で呟いて、名残惜しさを感じつつも身体を離した。

Memo
Twitterでのタグによるお題募集から。
書きやすいのから手を付けたら、結局堀みこからになった私w
pixivではShort Stories 04に収録してあります。
※収録時に堀Side追加しました。

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