2018年の投稿[8件]
2018年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
渉英渉&零薫零の同軸リバ
ラブホでばったりあった二組のCPが同じ部屋でいたしちゃうやつの導入部分。
渉英渉が役割入れ替えて二戦目してるのに影響されて、零薫でしかしてなかった二人が逆転して薫零試すという同軸リバ。
「おぬしら、いつもそうやって変えて楽しんでいるのかえ?」
「ええ、そうですよ。英智が受け入れる側ばかりなのも負担が掛かりますからねぇ」
「それに入れ替えた時はまた違った反応が見られるのも楽しいんだよね。僕は渉に抱かれるのも、渉を抱くのも好きだよ」
「……そうか。男女と勝手が違うんだから、逆になってするっていうのもありなんだよね。なんで今まで思いつかなかったんだろ」
「か、薫くん?」
「…………攻めてみたいなぁ、零くん。まさか嫌だなんて言わないよね? 散々自分でしてきたことなんだしさ」
「い、言わぬが、それならそれで二人きりの時にしたいのう」
***
これ、ズ!!になるしばらく前に書いた物だったのでラブホにしたけど、今なら寮の部屋で藍良が不在の時とかでもありだなって思う。(藍良が可哀想すぎんか……)
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#渉英渉 #零薫零 #同軸リバ
ラブホでばったりあった二組のCPが同じ部屋でいたしちゃうやつの導入部分。
渉英渉が役割入れ替えて二戦目してるのに影響されて、零薫でしかしてなかった二人が逆転して薫零試すという同軸リバ。
「おぬしら、いつもそうやって変えて楽しんでいるのかえ?」
「ええ、そうですよ。英智が受け入れる側ばかりなのも負担が掛かりますからねぇ」
「それに入れ替えた時はまた違った反応が見られるのも楽しいんだよね。僕は渉に抱かれるのも、渉を抱くのも好きだよ」
「……そうか。男女と勝手が違うんだから、逆になってするっていうのもありなんだよね。なんで今まで思いつかなかったんだろ」
「か、薫くん?」
「…………攻めてみたいなぁ、零くん。まさか嫌だなんて言わないよね? 散々自分でしてきたことなんだしさ」
「い、言わぬが、それならそれで二人きりの時にしたいのう」
***
これ、ズ!!になるしばらく前に書いた物だったのでラブホにしたけど、今なら寮の部屋で藍良が不在の時とかでもありだなって思う。(藍良が可哀想すぎんか……)
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#渉英渉 #零薫零 #同軸リバ
かべうちに置いてたとこからの移動分。
Immorality of targetの続編冒頭部分。(堀みこ)
そこそこ構想纏まってはいるんだけど、手をつけられないまま数年経っている……。
Immorality of targetはこちら 。(リンク先自サイト)
「待てよ、親父! たまには最後まで話くらい聞いて――ああ、もう」
寝室で電話していた実琴のぼやく声が、リビングにいる俺の所まで聞こえてきた。
どうやら、また親父さんとちゃんと話が出来なかったらしい。
中々受け入れられねぇだろうなって覚悟はしてたが、本当に難攻不落って感じだ。
溜め息を吐きながらリビングに戻ってきた実琴は、疲労の表情を滲ませながらソファに腰掛けた。
「おう。何か飲むか?」
「ん……コーラまだあったっけ」
「あるんじゃねぇの。ほとんどおまえしか飲まねぇんだから」
言いながら冷蔵庫に向かって、やはりまだ残っていた未開封のコーラのペットボトルを取り出し、マグカップも二つ用意する。
それぞれに注いでから、一つの実琴の前に差し出して、もう一つは自分で飲み始めた。
「ほれ」
「ありがとう。って政行さんもコーラ飲むのかよ、珍しいな」
「この時間だからな。コーヒー飲んだら眠れねぇだろ」
時間は既に夜の十時を回っている。
カフェインレスのコーヒーもストックしてあるが、何となく今日の気分じゃなかった。
俺も実琴の隣に座って、何となくしょぼくれて見える背中を軽くぽんと叩く。
「今日も無理だったか」
「…………ごめん」
「おまえのせいじゃねぇだろ。長期戦になるのは覚悟してるさ」
弥生と離婚し、実琴と住むようになってからほぼ二年が経つ。
去年の春に買った指輪は、結局俺も実琴も着けて以降は人前で外すこともなく、すっかり身に馴染んだものになっていた。
政弥と実琴もすっかり仲良くなり、生活は概ね順調だったが、実琴の親御さんは相変わらず態度が軟化する気配はない。
いや、厳密に言えば親父さんの態度がというべきか。
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#堀みこ
Immorality of targetの続編冒頭部分。(堀みこ)
そこそこ構想纏まってはいるんだけど、手をつけられないまま数年経っている……。
Immorality of targetはこちら 。(リンク先自サイト)
「待てよ、親父! たまには最後まで話くらい聞いて――ああ、もう」
寝室で電話していた実琴のぼやく声が、リビングにいる俺の所まで聞こえてきた。
どうやら、また親父さんとちゃんと話が出来なかったらしい。
中々受け入れられねぇだろうなって覚悟はしてたが、本当に難攻不落って感じだ。
溜め息を吐きながらリビングに戻ってきた実琴は、疲労の表情を滲ませながらソファに腰掛けた。
「おう。何か飲むか?」
「ん……コーラまだあったっけ」
「あるんじゃねぇの。ほとんどおまえしか飲まねぇんだから」
言いながら冷蔵庫に向かって、やはりまだ残っていた未開封のコーラのペットボトルを取り出し、マグカップも二つ用意する。
それぞれに注いでから、一つの実琴の前に差し出して、もう一つは自分で飲み始めた。
「ほれ」
「ありがとう。って政行さんもコーラ飲むのかよ、珍しいな」
「この時間だからな。コーヒー飲んだら眠れねぇだろ」
時間は既に夜の十時を回っている。
カフェインレスのコーヒーもストックしてあるが、何となく今日の気分じゃなかった。
俺も実琴の隣に座って、何となくしょぼくれて見える背中を軽くぽんと叩く。
「今日も無理だったか」
「…………ごめん」
「おまえのせいじゃねぇだろ。長期戦になるのは覚悟してるさ」
弥生と離婚し、実琴と住むようになってからほぼ二年が経つ。
去年の春に買った指輪は、結局俺も実琴も着けて以降は人前で外すこともなく、すっかり身に馴染んだものになっていた。
政弥と実琴もすっかり仲良くなり、生活は概ね順調だったが、実琴の親御さんは相変わらず態度が軟化する気配はない。
いや、厳密に言えば親父さんの態度がというべきか。
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#堀みこ
2018年10月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
FROM ANOTHER WORLDの蓮巳視点(一部)
紅敬本『FROM ANOTHER WORLD』で載せられなかった蓮巳視点から。
やっぱり両方の視点揃えた上で、紅♀敬♀の百合カップル側もいちゃいちゃさせたのを加えて改めたい……。
手が滑って、落としそうになったファイルを反射的に掴もうとした際にバランスを崩し、足が梯子から外れた。
「……っと、しまっ……」
「蓮巳!」
後ろに倒れ込んだのと、鬼龍が俺を呼んだ声が聞こえたのは同時だ。
床に身体が叩きつけられる前に背後から鬼龍の腕が伸びたのが分かったが、その直後、結局二人一緒に床に転がった。
なぜか、背中に弾力のあるクッションのような感触があったのもあり、怪我らしい怪我はせずに済んだようだ。
だが――この違和感は何だろう。
危機一髪を逃れたからなのか、それとも――。
「……ったく、あっぶねぇな。怪我したらどうすんだよ。普段、アイドルとしての自覚を持って行動しろって言ってるくせ、に……」
妙に鬼龍の声が高いように思えたのは気のせいか?
落ちた衝撃で一時的に耳でもおかしくなったか?
だが、それはさておき、怪我をせずに済んだのは鬼龍のおかげだ。
まずは礼をと振り向いて。
「ああ、すま……」
言葉が続けられなくなる。
鬼龍の顔には違いないはずだが、髪がかなり伸びており、いわゆるポニーテールという髪型になっていた。
それだけではない。胸には男ではありえない膨らみ、さらにいうならかなりのボリュームのものがある。
一体どういうことだ、これは。
落ちた時に気絶でもして夢でも見ているのかと思ったが、それにしては質感にリアリティがあり過ぎる。
驚きで頭が回らないが、驚いているのは鬼龍もらしい。
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#紅敬 #女体化
紅敬本『FROM ANOTHER WORLD』で載せられなかった蓮巳視点から。
やっぱり両方の視点揃えた上で、紅♀敬♀の百合カップル側もいちゃいちゃさせたのを加えて改めたい……。
手が滑って、落としそうになったファイルを反射的に掴もうとした際にバランスを崩し、足が梯子から外れた。
「……っと、しまっ……」
「蓮巳!」
後ろに倒れ込んだのと、鬼龍が俺を呼んだ声が聞こえたのは同時だ。
床に身体が叩きつけられる前に背後から鬼龍の腕が伸びたのが分かったが、その直後、結局二人一緒に床に転がった。
なぜか、背中に弾力のあるクッションのような感触があったのもあり、怪我らしい怪我はせずに済んだようだ。
だが――この違和感は何だろう。
危機一髪を逃れたからなのか、それとも――。
「……ったく、あっぶねぇな。怪我したらどうすんだよ。普段、アイドルとしての自覚を持って行動しろって言ってるくせ、に……」
妙に鬼龍の声が高いように思えたのは気のせいか?
落ちた衝撃で一時的に耳でもおかしくなったか?
だが、それはさておき、怪我をせずに済んだのは鬼龍のおかげだ。
まずは礼をと振り向いて。
「ああ、すま……」
言葉が続けられなくなる。
鬼龍の顔には違いないはずだが、髪がかなり伸びており、いわゆるポニーテールという髪型になっていた。
それだけではない。胸には男ではありえない膨らみ、さらにいうならかなりのボリュームのものがある。
一体どういうことだ、これは。
落ちた時に気絶でもして夢でも見ているのかと思ったが、それにしては質感にリアリティがあり過ぎる。
驚きで頭が回らないが、驚いているのは鬼龍もらしい。
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#紅敬 #女体化
2018年8月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
新婚夫婦な紅敬♀(女体化)
確かTwitterで妊娠したら指輪を外して~ってツイートを見かけた時に走り書きしたネタだったはず。
※蓮巳♀妊娠直後。
鬼龍くんが身に付けている指輪を通したネックレスの指輪は母親の形見で、紅敬♀夫婦が結婚する際に指輪は妹の方に譲っているという妄想の元に。
「何か帰りに買ってきて欲しいもんはねぇか」
「……ああ、そうだ。昔、おまえがしていたようなチェーンネックレスを一つ頼めるか」
「ん? 構わねぇが……どうした」
「妊娠によって指がむくむこともあるし、もし何らかの事情で帝王切開の必要が出てきた場合に指輪をしたままだと、結婚指輪を切断してからの手術となってしまうんだそうだ。電気メスを使うのに感電の怖れがあるからと。だが、ただ外しておくのも心許ないし、せめて身近に置いておければと」
「あぁ、そういうことか。だったら前に俺の使ってたので良けりゃあるぜ? 妹に譲ったのは指輪だけだからよ」
「ああ、まだ持っていたのか。なら、それがいい」
(久し振りにチェーンの状態を確認)
「あー……チェーンがちっと変色しちまってるな。あとおまえ華奢だから、ごついかも知れねぇ」
「いや、やはりこれがいい。俺たち二人を守ってくれそうだからな」
「そうかよ。じゃあ指輪外してこっちに通すぜ」
Close
#紅敬 #女体化
確かTwitterで妊娠したら指輪を外して~ってツイートを見かけた時に走り書きしたネタだったはず。
※蓮巳♀妊娠直後。
鬼龍くんが身に付けている指輪を通したネックレスの指輪は母親の形見で、紅敬♀夫婦が結婚する際に指輪は妹の方に譲っているという妄想の元に。
「何か帰りに買ってきて欲しいもんはねぇか」
「……ああ、そうだ。昔、おまえがしていたようなチェーンネックレスを一つ頼めるか」
「ん? 構わねぇが……どうした」
「妊娠によって指がむくむこともあるし、もし何らかの事情で帝王切開の必要が出てきた場合に指輪をしたままだと、結婚指輪を切断してからの手術となってしまうんだそうだ。電気メスを使うのに感電の怖れがあるからと。だが、ただ外しておくのも心許ないし、せめて身近に置いておければと」
「あぁ、そういうことか。だったら前に俺の使ってたので良けりゃあるぜ? 妹に譲ったのは指輪だけだからよ」
「ああ、まだ持っていたのか。なら、それがいい」
(久し振りにチェーンの状態を確認)
「あー……チェーンがちっと変色しちまってるな。あとおまえ華奢だから、ごついかも知れねぇ」
「いや、やはりこれがいい。俺たち二人を守ってくれそうだからな」
「そうかよ。じゃあ指輪外してこっちに通すぜ」
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#紅敬 #女体化
2018年6月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
紅月のアルバム、初回限定生産盤オーディオコメンタリーからの勝手な紅敬妄想。
見えないところで紅敬がこんなんやりとりしてたら楽しいなと(私が)
もうちょっと長くして話にしたいなと思ったけど、これはこれで纏まってる気がしないでもない。
アルバム発売に伴って、初回限定生産盤にはオーディオコメンタリーも収録したいって話だったから、歌の収録終了後に改めてそれを録ることになった。
各自がファンへの感謝も含みつつ、紅月で一押しの曲について思い入れを語るってテーマで、まずは紅月のリーダーである蓮巳の旦那から話し始めたが、普段から旦那は語り始めると長ぇところがあるから、ちょっと様子を窺っていたが案の定だ。
肝心の一押しの曲を挙げる前に、それまでの曲を懐かしんだり、曲としての味が増すよう育てていけたらなんて話始めちまった。
これはこれで蓮巳らしいコメントだが、生憎とオーディオコメンタリーに使える時間は限られている。後でコメントのバックに流すらしい『薄紅色の約束』に合わせてだから、三人全員でも四分足らず。
俺の声が入んねぇように唇だけで「旦那」と呼んで、巻いてけって意味で指先をくるくる回すと、俺の意図に気付いた旦那が一瞬ハッとしたが、すぐに話を一押しの曲へと戻した。
何だかんだ、最後にゃ予定していた時間に帳尻をきっちりと合わせてきたあたりはさすがだ。
話し終わって、どうだと言わんばかりに得意げな笑みを浮かべた旦那に、俺もちょっとだけ笑ってコメントを引き継いだ。
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#紅敬
見えないところで紅敬がこんなんやりとりしてたら楽しいなと(私が)
もうちょっと長くして話にしたいなと思ったけど、これはこれで纏まってる気がしないでもない。
アルバム発売に伴って、初回限定生産盤にはオーディオコメンタリーも収録したいって話だったから、歌の収録終了後に改めてそれを録ることになった。
各自がファンへの感謝も含みつつ、紅月で一押しの曲について思い入れを語るってテーマで、まずは紅月のリーダーである蓮巳の旦那から話し始めたが、普段から旦那は語り始めると長ぇところがあるから、ちょっと様子を窺っていたが案の定だ。
肝心の一押しの曲を挙げる前に、それまでの曲を懐かしんだり、曲としての味が増すよう育てていけたらなんて話始めちまった。
これはこれで蓮巳らしいコメントだが、生憎とオーディオコメンタリーに使える時間は限られている。後でコメントのバックに流すらしい『薄紅色の約束』に合わせてだから、三人全員でも四分足らず。
俺の声が入んねぇように唇だけで「旦那」と呼んで、巻いてけって意味で指先をくるくる回すと、俺の意図に気付いた旦那が一瞬ハッとしたが、すぐに話を一押しの曲へと戻した。
何だかんだ、最後にゃ予定していた時間に帳尻をきっちりと合わせてきたあたりはさすがだ。
話し終わって、どうだと言わんばかりに得意げな笑みを浮かべた旦那に、俺もちょっとだけ笑ってコメントを引き継いだ。
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#紅敬
2018年1月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
ご当地グルメ紅敬(スパカツ)
ご当地グルメ紅敬企画に出し損ねたものだけど、企画元的にも今更出しにくさもあるので、どうしたものか。
台所から聞こえてくる物音で目が覚めた。
まだベッドから出たくない気分とのし掛かる気怠さをどうにか押しやって、ベッドサイドに寄せてあるチェストに手を伸ばし、置いてあった眼鏡を取って掛け、そのまま直ぐ横に置いてあったスマホで時間を確認すると、時間は午前十一時を回ったところ。
想定以上に遅い時間だった現実を受け止めるのにしばし掛かったが、時間を再確認し慌てて身体を起こす。
いくら、久々の休みとはいえど、まさかこんな時間まで自分が眠ってしまっていたとは思わなかった。
ただ、寝坊の理由として心当たりは十分過ぎるほどにある。
紅月は先月末まで、全国をライブツアーで回っていた。
それに伴う後処理やら、ライブ映像等の確認やらでようやく落ち着いたのが昨日。
忙しさが一番の原因だったが、ツアー、そして後処理が一段落するまでは、と性的な接触は控えめにしていたのだが、今日、明日が完全にオフということで昨晩は箍が外れたようにお互いに貪りあった。
意識が沈む前にカーテンの隙間から朝日が覗いていたぐらいだから、眠りについたのは確かに遅かった。
寝坊はそのせいだ。正当化するわけではないが、久し振りの休日なのだしこういうこともあるだろう。
台所の物音は鬼龍が朝食、いやもう時間的に昼食というべきだろうか。
その用意をしているのだろう。
俺も簡単に身支度を調え、台所に向かったところ、直ぐに俺に気付いた鬼龍が声を掛けてきた。
「おう、おはようさん、旦那。身体大丈夫か?」
「ああ、おはよう。大丈夫だ。ん? これから作るところということは、おまえも起きてからそんなに経ってないのか」
鬼龍は冷蔵庫からいくつか食材をとりだしているところで、まだ調理そのものは手付かずだった。
それなら、俺も一緒に作れる。
「俺も起きたのはついさっきだ。ちょうどいい。起きて来たなら、旦那も作るの手伝ってくれ」
「無論そのつもりだ。ん? 随分と色々出しているな。一体何を作るつもりだ?」
食材もだが、調理器具もテーブルに色々と並べられている。
パスタとそれ用の鍋はともかく、揚げ物の準備もしているあたり、俺が知っているレシピからのものではなさそうだ。
「ツアーで北海道行ったときに食ったスパカツ作ってみようと思ってよ。昨日、散々動いた分の回復にも良さそうだし」
「あれか。かえって胃がもたれそうだが……ああ、でも自分たちで作るなら量も調整出来るか」
今回のツアーは紅月にとっては過去最大規模のもので、全部で20近くの都市を回った。
当然、それまでのツアーで訪れたことのない都市もいくつか含まれる。
北海道は道東の主要都市、釧路もその一つだ。
前日入りして、駅周辺に多いという居酒屋をすすめられたものの、翌日にライブを控えている状態であまり飲む気にもなれず、ならばと地元の老舗洋食店を紹介され、そこで食べたのがスパカツだった。
――すぱかつ? すうぱあなさいずのかつということであろうか?
――いや、スパカツのスパはスーパーじゃなくて、スパゲッティのスパらしい。ボリュームが結構あるという話だ。
――スパゲッティの上にカツが乗っかってるらしいな。で、さらにミートソースがたっぷり掛かってる。でもって、ポイントは鉄板の上にそれらが乗ってるってとこにあるみたいだぜ。
(中略)
「料理の構成としちゃオーソドックスなもんの組み合わせだったから、それっぽいのを作りやすいんじゃねぇかってな。ただ、問題がある。皿がなぁ……」
「うん? 鉄板を使ったステーキ皿なら一応あるだろう?」
「ああ、それは分かってる。ただ、コンロが足りねぇんだよ。カツを揚げる、ソースを作る、パスタを茹でる、まではともかく、鉄板を温めるまでは足りねぇんだよな」
「あ」
このマンションのコンロは三口だ。
普段ならそれで十分な数だが、確かに全て出来たてでやろうと思うと足りなくなる。
構成はシンプルだが、なるほど。手間は予想以上に掛かりそうだ。
鬼龍が作りたくなったのも休みの日だからというのもあるだろう。
「ならば、大雑把になってしまうがステーキ皿代わりにホットプレートを使うのはどうだ? パスタが茹で上がる少し前から電源を入れておいて温め、出来たものを投入していけば熱々の状態で楽しめるんじゃないか」
「なるほどな。二人で食うんだしそんでもいいか。蓮巳、パスタとミートソース作り任せていいか?」
「ああ。揚げ物は集中した方が無難だろう。ミートソースはいつものレシピでいいのか?」
うちで使っているミートソースは鬼龍が元々実家にいた頃に使っていたレシピをそのまま流用していた。
料理本に載っていたレシピで、作る時は何度か使えるように大量に作っている。
ツアーで家を空けがちだったのもあって、今はミートソースのストックもない。
「んー、いつものウスターソースをとんかつソースに変更してみてくれねぇか? あと、おろし生姜とデミグラスソースもちょっと足す。多分その方が近い味になりそうだ」
「ということは、味見してデミグラスの量を調整する感じか」
「おう、それで頼む」
パスタを茹でるための湯を深鍋で沸かしながら、ミートソースの準備も始める。
鬼龍の家のレシピだったが、俺も何度か作ったことはあるから、もう作り方は頭の中に入っている。
問題は味の調整だ。
(以下略。いつか完成させたいとは思っている)
Close
#紅敬
ご当地グルメ紅敬企画に出し損ねたものだけど、企画元的にも今更出しにくさもあるので、どうしたものか。
台所から聞こえてくる物音で目が覚めた。
まだベッドから出たくない気分とのし掛かる気怠さをどうにか押しやって、ベッドサイドに寄せてあるチェストに手を伸ばし、置いてあった眼鏡を取って掛け、そのまま直ぐ横に置いてあったスマホで時間を確認すると、時間は午前十一時を回ったところ。
想定以上に遅い時間だった現実を受け止めるのにしばし掛かったが、時間を再確認し慌てて身体を起こす。
いくら、久々の休みとはいえど、まさかこんな時間まで自分が眠ってしまっていたとは思わなかった。
ただ、寝坊の理由として心当たりは十分過ぎるほどにある。
紅月は先月末まで、全国をライブツアーで回っていた。
それに伴う後処理やら、ライブ映像等の確認やらでようやく落ち着いたのが昨日。
忙しさが一番の原因だったが、ツアー、そして後処理が一段落するまでは、と性的な接触は控えめにしていたのだが、今日、明日が完全にオフということで昨晩は箍が外れたようにお互いに貪りあった。
意識が沈む前にカーテンの隙間から朝日が覗いていたぐらいだから、眠りについたのは確かに遅かった。
寝坊はそのせいだ。正当化するわけではないが、久し振りの休日なのだしこういうこともあるだろう。
台所の物音は鬼龍が朝食、いやもう時間的に昼食というべきだろうか。
その用意をしているのだろう。
俺も簡単に身支度を調え、台所に向かったところ、直ぐに俺に気付いた鬼龍が声を掛けてきた。
「おう、おはようさん、旦那。身体大丈夫か?」
「ああ、おはよう。大丈夫だ。ん? これから作るところということは、おまえも起きてからそんなに経ってないのか」
鬼龍は冷蔵庫からいくつか食材をとりだしているところで、まだ調理そのものは手付かずだった。
それなら、俺も一緒に作れる。
「俺も起きたのはついさっきだ。ちょうどいい。起きて来たなら、旦那も作るの手伝ってくれ」
「無論そのつもりだ。ん? 随分と色々出しているな。一体何を作るつもりだ?」
食材もだが、調理器具もテーブルに色々と並べられている。
パスタとそれ用の鍋はともかく、揚げ物の準備もしているあたり、俺が知っているレシピからのものではなさそうだ。
「ツアーで北海道行ったときに食ったスパカツ作ってみようと思ってよ。昨日、散々動いた分の回復にも良さそうだし」
「あれか。かえって胃がもたれそうだが……ああ、でも自分たちで作るなら量も調整出来るか」
今回のツアーは紅月にとっては過去最大規模のもので、全部で20近くの都市を回った。
当然、それまでのツアーで訪れたことのない都市もいくつか含まれる。
北海道は道東の主要都市、釧路もその一つだ。
前日入りして、駅周辺に多いという居酒屋をすすめられたものの、翌日にライブを控えている状態であまり飲む気にもなれず、ならばと地元の老舗洋食店を紹介され、そこで食べたのがスパカツだった。
――すぱかつ? すうぱあなさいずのかつということであろうか?
――いや、スパカツのスパはスーパーじゃなくて、スパゲッティのスパらしい。ボリュームが結構あるという話だ。
――スパゲッティの上にカツが乗っかってるらしいな。で、さらにミートソースがたっぷり掛かってる。でもって、ポイントは鉄板の上にそれらが乗ってるってとこにあるみたいだぜ。
(中略)
「料理の構成としちゃオーソドックスなもんの組み合わせだったから、それっぽいのを作りやすいんじゃねぇかってな。ただ、問題がある。皿がなぁ……」
「うん? 鉄板を使ったステーキ皿なら一応あるだろう?」
「ああ、それは分かってる。ただ、コンロが足りねぇんだよ。カツを揚げる、ソースを作る、パスタを茹でる、まではともかく、鉄板を温めるまでは足りねぇんだよな」
「あ」
このマンションのコンロは三口だ。
普段ならそれで十分な数だが、確かに全て出来たてでやろうと思うと足りなくなる。
構成はシンプルだが、なるほど。手間は予想以上に掛かりそうだ。
鬼龍が作りたくなったのも休みの日だからというのもあるだろう。
「ならば、大雑把になってしまうがステーキ皿代わりにホットプレートを使うのはどうだ? パスタが茹で上がる少し前から電源を入れておいて温め、出来たものを投入していけば熱々の状態で楽しめるんじゃないか」
「なるほどな。二人で食うんだしそんでもいいか。蓮巳、パスタとミートソース作り任せていいか?」
「ああ。揚げ物は集中した方が無難だろう。ミートソースはいつものレシピでいいのか?」
うちで使っているミートソースは鬼龍が元々実家にいた頃に使っていたレシピをそのまま流用していた。
料理本に載っていたレシピで、作る時は何度か使えるように大量に作っている。
ツアーで家を空けがちだったのもあって、今はミートソースのストックもない。
「んー、いつものウスターソースをとんかつソースに変更してみてくれねぇか? あと、おろし生姜とデミグラスソースもちょっと足す。多分その方が近い味になりそうだ」
「ということは、味見してデミグラスの量を調整する感じか」
「おう、それで頼む」
パスタを茹でるための湯を深鍋で沸かしながら、ミートソースの準備も始める。
鬼龍の家のレシピだったが、俺も何度か作ったことはあるから、もう作り方は頭の中に入っている。
問題は味の調整だ。
(以下略。いつか完成させたいとは思っている)
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#紅敬
かべうちに置いてたとこからの移動分。
延び延びになってる、浪漫学園演劇部と夢ノ咲学院演劇部のクロスオーバー。
演劇部以外にも御子柴だったり、鬼龍くんだったり、しれっと推しが交じっている。
「ああ! では、彼は内気でおどおどしたメイド役なんかどうですかね! ご心配なく、ここは元々男子校だったので男性の体型にフィットした衣装ならほれこの通り!」
「げっ」
日々樹がぴらっと広げたメイド服に御子柴が軽く後ずさりする。
そういえば、野崎の家で台本の読み合わせやったときに御子柴にメイド役をやって貰ったな。
だったら、他の役よりもやりやすいんじゃねぇだろうか。
あと、うちの連中で女装させるとなると、マシな見た目になりそうなのは御子柴くらいだ。
「御子柴」
「堀先輩……」
「いさぎよく着替えてこい。大丈夫だ。おまえなら似合う」
(中略)
「こんなんでいいっすか」
「わぁ、御子柴似合う! 可愛い。ね、撮ってもいい?」
「やめろ、残すな! 褒められても嬉しくねぇ」
「いや、実際悪くねぇと思うぞ。けど何か足りねぇ感じが……ああ、メイド帽っていうか、ヘッドドレスみてぇなのはねぇか?」
「ああ、そういえばそれが足りなかったですね。比較的最近使ったのでどこかにしまっておいたと思うんですが……いけませんねぇ。もうちょっと備品を整頓しなければ」
「何なら、今作ってやろうか? 頭に乗せるやつだけでいいなら、五分もありゃ出来る」
「さすがは鬼龍くんですねぇ。探すより早そうなので、お願いしてもよろしいでしょうか?」
「いいってことよ。衣装の手伝いってことで来てるしな。ついでに服の微調整もやっちまっていいか?」
「お任せします」
Close
#クロスオーバー
延び延びになってる、浪漫学園演劇部と夢ノ咲学院演劇部のクロスオーバー。
演劇部以外にも御子柴だったり、鬼龍くんだったり、しれっと推しが交じっている。
「ああ! では、彼は内気でおどおどしたメイド役なんかどうですかね! ご心配なく、ここは元々男子校だったので男性の体型にフィットした衣装ならほれこの通り!」
「げっ」
日々樹がぴらっと広げたメイド服に御子柴が軽く後ずさりする。
そういえば、野崎の家で台本の読み合わせやったときに御子柴にメイド役をやって貰ったな。
だったら、他の役よりもやりやすいんじゃねぇだろうか。
あと、うちの連中で女装させるとなると、マシな見た目になりそうなのは御子柴くらいだ。
「御子柴」
「堀先輩……」
「いさぎよく着替えてこい。大丈夫だ。おまえなら似合う」
(中略)
「こんなんでいいっすか」
「わぁ、御子柴似合う! 可愛い。ね、撮ってもいい?」
「やめろ、残すな! 褒められても嬉しくねぇ」
「いや、実際悪くねぇと思うぞ。けど何か足りねぇ感じが……ああ、メイド帽っていうか、ヘッドドレスみてぇなのはねぇか?」
「ああ、そういえばそれが足りなかったですね。比較的最近使ったのでどこかにしまっておいたと思うんですが……いけませんねぇ。もうちょっと備品を整頓しなければ」
「何なら、今作ってやろうか? 頭に乗せるやつだけでいいなら、五分もありゃ出来る」
「さすがは鬼龍くんですねぇ。探すより早そうなので、お願いしてもよろしいでしょうか?」
「いいってことよ。衣装の手伝いってことで来てるしな。ついでに服の微調整もやっちまっていいか?」
「お任せします」
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#クロスオーバー
かべうちに置いてたとこからの移動分。(加筆修正有)
元々は零薫初夜アンソロが出る前に出そうと思っていた、『Phantasmagoria』のスピンオフにあたる話。コンドーム専門店に一緒に行く零薫。(ズ!!発表前のネタ)
というか、アンソロ寄稿分+この辺の話を纏めて零薫で一冊出したいって多分三年くらい言ってる……w
数日前まで、俺たちUNDEADはツアーで全国を回っていて、大成功のうちに幕を下ろし、ようやく久し振りに一息吐けたところだった。
完全に三日間オフになるなんて、いつ以来だろうか。
最初の一日はお互いに実家に戻って家族に顔を見せ、二日目と三日目は旅行するのもいいかなとは思ったけど、零くんの家が元々持っていて、今は零くん名義になっている別荘に籠ってゆっくり過ごすことにした。
時々はUNDEAD全員での合宿場所としても使っていたりするし、俺達が二人で行っても不自然ではない。
仮にマスコミが近くまで来ても、敷地内には絶対に入れないようになっているから、別荘にさえ入ってしまったらこっちのものだ。
ただ、ちょうどゴムを切らしていて、それならと別荘に向かう前にこの機会にコンドーム専門店に行ってみないかという誘いがあったのはびっくりした。
――ゴムを切らしたついでというのもなんじゃが、コンドーム専門店に行ってみないかや?
――何、変わったゴム使って気分転換? それはいいけど、男二人で行くって悪目立ちしそうで嫌なんだけど。見つかったらどうするのさ。せっかくここまでスキャンダルなしでやってきてるのに。
元々は女の子が好きだったっていうのと、途中からは零くんと付き合っていることを隠す為のカモフラージュで交流を持っていた女の子たちとの関係を清算したのは夢ノ咲学院卒業前のことだ。
以来、スキャンダル――特に俺達が付き合っていると思われないように細心の注意を払ってきた。
ライブでのサービスは別として、プライベートでは何でもないのだと装って。
Close
#零薫
元々は零薫初夜アンソロが出る前に出そうと思っていた、『Phantasmagoria』のスピンオフにあたる話。コンドーム専門店に一緒に行く零薫。(ズ!!発表前のネタ)
というか、アンソロ寄稿分+この辺の話を纏めて零薫で一冊出したいって多分三年くらい言ってる……w
数日前まで、俺たちUNDEADはツアーで全国を回っていて、大成功のうちに幕を下ろし、ようやく久し振りに一息吐けたところだった。
完全に三日間オフになるなんて、いつ以来だろうか。
最初の一日はお互いに実家に戻って家族に顔を見せ、二日目と三日目は旅行するのもいいかなとは思ったけど、零くんの家が元々持っていて、今は零くん名義になっている別荘に籠ってゆっくり過ごすことにした。
時々はUNDEAD全員での合宿場所としても使っていたりするし、俺達が二人で行っても不自然ではない。
仮にマスコミが近くまで来ても、敷地内には絶対に入れないようになっているから、別荘にさえ入ってしまったらこっちのものだ。
ただ、ちょうどゴムを切らしていて、それならと別荘に向かう前にこの機会にコンドーム専門店に行ってみないかという誘いがあったのはびっくりした。
――ゴムを切らしたついでというのもなんじゃが、コンドーム専門店に行ってみないかや?
――何、変わったゴム使って気分転換? それはいいけど、男二人で行くって悪目立ちしそうで嫌なんだけど。見つかったらどうするのさ。せっかくここまでスキャンダルなしでやってきてるのに。
元々は女の子が好きだったっていうのと、途中からは零くんと付き合っていることを隠す為のカモフラージュで交流を持っていた女の子たちとの関係を清算したのは夢ノ咲学院卒業前のことだ。
以来、スキャンダル――特に俺達が付き合っていると思われないように細心の注意を払ってきた。
ライブでのサービスは別として、プライベートでは何でもないのだと装って。
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