全年10月17日の投稿[5件]
2021年 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
キスブラ版ワンドロライ第50回でのお題から『お節介』を使って書いた話です。
ロスゼロ後、微妙に探ってる状態でメジャーヒーローの昇格試験を控えたキスブラ。
第50回の開催おめでとうございます!
午後のパトロール前、タワーを出ようとしたところでブラッドに呼び止められた。
「キース。今夜、時間は取れるか」
「…………今夜ね。はいよ。夕食も一緒か? それとも夕食後?」
「夕食後だ。ノースチーム内でのミーティングがあるから、その後になる」
「わかった。家で待ってるぜ」
「……待っている間に飲むなよ」
「わあってるっての。じゃあまた夜な」
オレたちが【AAA】のヒーローとなってから二年近く。
メジャーヒーローへの昇格試験が受験可能になるからと、この数ヶ月というもの、ブラッドは時間が出来た傍から試験勉強の為にオレを誘い続けている。
試験なんてもんが昔から大嫌いなオレとしちゃ、試験勉強なんて面倒くさくて仕方ねぇんだが、ブラッドが頑として今回の試験でオレと一緒に昇格すると言って譲らねぇ。
最初は面倒さに試験勉強から逃げていたものの、ブラッドがしつこく逃げた先のバーだったり、ビリヤード場だったりまで来て、試験勉強の誘いを続けるもんだから、結局折れたのはこっちだった。
一旦応じてしまえば、ずっと試験勉強漬けってわけでもなく、時にはビリヤードに付き合ってくれたり、ベッドの中でもいつもよりサービスしてくれたりなんかする辺り、この暴君は飴と鞭の使い方が上手い。
……まぁ、メジャーヒーローになれば給料も上がるし、何よりヒーローとしては最上級の格付けになるから、今度の試験に合格し、メジャーヒーローに昇格したら、以降は昇格試験なんてものはない。
一応、昇格後にメジャーヒーローとしての実力を保持出来ているかどうかのチェックは時折入るが、そっちはほぼサブスタンスによる能力の確認や、実技によるものだから、筆記試験となると確かに合格さえしちまえば次で最後になる。
――メジャーヒーローとしての実力は申し分ない以上、昇格しないままでいると今後ずっと昇格試験があるたびに、上層部から声も掛かるだろう。その方がお前にとっては面倒ではないのか。
ジェイ曰くの『ミラクルトリオ』と称されるオレたちは、上層部からの期待の声が高いらしい。
アカデミー時代から常に優秀で期待されていたブラッドは勿論、早々とイクリプス部隊に配属されたディノ。そして、ディノがいなくなって以降、オーバーフロウなしでも強力なサイコキネシスを使えるオレにも注目が集まっているのだという。
――さっさと昇格してしまった方が、必要以上に干渉されずに済む。……その方がお前にとっても都合がいいと思うが。
――……お前の好きな『効率的』ってヤツ?
――そうだ。
『お前にとっても』という言葉の裏には、ブラッドにとってもという意味が含まれているような気がしたのは、多分間違ってねぇ。
ただでさえ、第十二期研修チームのメンターの一員として、少なくともオレより忙しい立場にあるはずのブラッドが、時間をやりくりしてでもオレと一緒にメジャーヒーローに昇格したがるのは、それだけの理由があるはずだが、それが何かまではわからねぇ。
ディノがいなくなってから、ただでさえわかりにくいコイツの真意はさらにわかりにくくなっている。
単なる怠惰な同期へのお節介なのか、それとも――。
「ま、メジャーヒーローって響きも悪くねぇしな」
昇格しちまえば、多少は何かを隠しているらしいブラッドの真意の欠片が見えてくるかもしれねぇ。
去って行くブラッドの背中を見ながら、今日の夜は試験勉強中に軽くつまめる、ヤツの好きそうなもんでも用意しとくかと決めて、オレもその場を後にした。
Close
#キスブラ #ワンライ
ロスゼロ後、微妙に探ってる状態でメジャーヒーローの昇格試験を控えたキスブラ。
第50回の開催おめでとうございます!
午後のパトロール前、タワーを出ようとしたところでブラッドに呼び止められた。
「キース。今夜、時間は取れるか」
「…………今夜ね。はいよ。夕食も一緒か? それとも夕食後?」
「夕食後だ。ノースチーム内でのミーティングがあるから、その後になる」
「わかった。家で待ってるぜ」
「……待っている間に飲むなよ」
「わあってるっての。じゃあまた夜な」
オレたちが【AAA】のヒーローとなってから二年近く。
メジャーヒーローへの昇格試験が受験可能になるからと、この数ヶ月というもの、ブラッドは時間が出来た傍から試験勉強の為にオレを誘い続けている。
試験なんてもんが昔から大嫌いなオレとしちゃ、試験勉強なんて面倒くさくて仕方ねぇんだが、ブラッドが頑として今回の試験でオレと一緒に昇格すると言って譲らねぇ。
最初は面倒さに試験勉強から逃げていたものの、ブラッドがしつこく逃げた先のバーだったり、ビリヤード場だったりまで来て、試験勉強の誘いを続けるもんだから、結局折れたのはこっちだった。
一旦応じてしまえば、ずっと試験勉強漬けってわけでもなく、時にはビリヤードに付き合ってくれたり、ベッドの中でもいつもよりサービスしてくれたりなんかする辺り、この暴君は飴と鞭の使い方が上手い。
……まぁ、メジャーヒーローになれば給料も上がるし、何よりヒーローとしては最上級の格付けになるから、今度の試験に合格し、メジャーヒーローに昇格したら、以降は昇格試験なんてものはない。
一応、昇格後にメジャーヒーローとしての実力を保持出来ているかどうかのチェックは時折入るが、そっちはほぼサブスタンスによる能力の確認や、実技によるものだから、筆記試験となると確かに合格さえしちまえば次で最後になる。
――メジャーヒーローとしての実力は申し分ない以上、昇格しないままでいると今後ずっと昇格試験があるたびに、上層部から声も掛かるだろう。その方がお前にとっては面倒ではないのか。
ジェイ曰くの『ミラクルトリオ』と称されるオレたちは、上層部からの期待の声が高いらしい。
アカデミー時代から常に優秀で期待されていたブラッドは勿論、早々とイクリプス部隊に配属されたディノ。そして、ディノがいなくなって以降、オーバーフロウなしでも強力なサイコキネシスを使えるオレにも注目が集まっているのだという。
――さっさと昇格してしまった方が、必要以上に干渉されずに済む。……その方がお前にとっても都合がいいと思うが。
――……お前の好きな『効率的』ってヤツ?
――そうだ。
『お前にとっても』という言葉の裏には、ブラッドにとってもという意味が含まれているような気がしたのは、多分間違ってねぇ。
ただでさえ、第十二期研修チームのメンターの一員として、少なくともオレより忙しい立場にあるはずのブラッドが、時間をやりくりしてでもオレと一緒にメジャーヒーローに昇格したがるのは、それだけの理由があるはずだが、それが何かまではわからねぇ。
ディノがいなくなってから、ただでさえわかりにくいコイツの真意はさらにわかりにくくなっている。
単なる怠惰な同期へのお節介なのか、それとも――。
「ま、メジャーヒーローって響きも悪くねぇしな」
昇格しちまえば、多少は何かを隠しているらしいブラッドの真意の欠片が見えてくるかもしれねぇ。
去って行くブラッドの背中を見ながら、今日の夜は試験勉強中に軽くつまめる、ヤツの好きそうなもんでも用意しとくかと決めて、オレもその場を後にした。
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#キスブラ #ワンライ
2020年 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
オーダースーツネタ
ルーキー時代にキースのオーダースーツをブラッドと一緒に仕立てに行く話。
スーツイベやった時、オーダースーツを作る際チンポジ確認される的なツイートを思い出して、キスブラでやったら(私が)楽しいなと思ったネタ。
既に体の関係はある前提。
それをジェイから打診されたのは、じき深夜にさしかかろうという時間帯だった。
自室で本を読んでいたら、帰ってきたばかりのジェイがこちらの部屋に訪れ、キースのオーダースーツを仕立てるのに付き合ってくれないかと言ってきたのだ。
「キースのオーダースーツ?」
「ああ。一着ぐらいは持っておいた方がいいからな。最初、俺が仕立てに行くのに付き合うつもりだったんだが、生憎しばらくその時間が取れそうになくてな。お前ならいい店も知っているだろうし……どうだろう?」
確かにヒーローとなれば、何らかの折にレセプションに参加することは少なくない。
俺たちはまだルーキーの立場だから機会が限られているが、年々そういったものに参加する機会は増えていくことは容易に予想される。
その際に着るのはエリオスの制服を指定される場合もあるが、そうでなければスーツ、もしくは礼服だ。
礼服を指示されることは少ないだろうが、スーツはそれなりに必要とされる機会が多いし、仕立てのいいスーツを持っておけば、今後レセプションに限らず、何かと役に立つ。
キースはアカデミー時代に何かのバイトで使う機会があって、既製品のスーツを所持していた覚えはあるが、ヒーローは職業柄、人に注目される機会が多い。
恐らくジェイはその辺りを考慮し、今のうちにキースにオーダースーツを仕立てるようすすめたのだろう。
しかるべき店で仕立てて貰うのであれば、それなりに日数もかかる。
今日、ジェイがこの時間に帰ってきたというのを考えても、しばらく店に行く時間が取れなさそうなのも理解出来た。
キースも部屋にいて今のやりとりは聞こえていたはずだが、特に俺たちの会話に口を挟んで来ないということは、既にキースには話を通しているのだろう。
「俺はキースが構わないのであれば異存はない。明日はオフだし、明日店に行く形で問題はないが」
自分のベッドで雑誌を読んでいたキースを見ながらそう言うと、キースもすぐにこちらを向いた。
「俺も構わねぇし、明日でいいぜ」
「そうか! すまない、二人とも。せめて明日の昼食代は俺が出……」
「それは必要ない」
「それはいらねぇよ」
財布を出しかけたジェイを止めたのは二人同時だ。
「そもそもオレの着るもん買いに行くんだし、ジェイに出して貰う筋合いはねぇって」
「俺も同感だ。あなたが昼食代を出すことはない」
「そ、そうか? しかし、キースにオーダースーツを買うようすすめたのは俺だし、ブラッドに付き合うよう頼んだのも俺なんだが」
「いらねぇって」
「不要だ」
(中略)
「そういや、ジェイはああ言ったけどさ、店さえ教えてくれりゃ俺一人で行ってくるぜ?」
「いや。俺もそろそろ一着新調しようと考えていたところだったから好都合だった」
実際、アカデミー時代に作っていたオーダースーツは、体の成長に伴って少し窮屈になっていたから、近いうちに手直しして貰うか、もしくは新調しようと考えていた。
それがほんの少し早まっただけのことだ。
「そっか。ま、それならいいけどさ。車で行くか?」
「そのつもりでいた。店はブルーノースにあるしな。そういえば、予算はどのくらいで考えている?」
「あー、ジェイにこんくらいは出しとけって言われた。一張羅には金惜しむなって」
キースが指で示した額はオーダースーツの相場よりも少し高いくらいの金額だった。
シャツやネクタイもあわせて新調するとしても余裕がある。
ならば、選ぶのに困ることはなさそうだ。
馴染みのビスポーク・テーラーは祖父の代から世話になっている。
恐らく、俺が一緒に行くことで多少は融通もきかせてくれるだろう。
出発前にメールで連絡もしておけば、そう待たされることもないはずだ。
「わかった。では、店に先に到着予定時間と予算を知らせておく」
「悪ぃな。昼飯は奢るからさ」
「気にしなくていい。俺の用事でもある。どうしてもというなら帰りの運転を代われ」
「そんなんでいいのかよ」
「ああ」
(中略)
「いつもは左右どちらにされてますか?」
「は?」
下半身を採寸しながら、そう婉曲的に尋ねて来たテーラーの意図がキースには伝わらなかったらしい。
そういえば、既製の服であれば購入の際に聞かれることはないかと横から口を出す。
「……ポジションだ」
ちらりと股間に視線をやってそれだけ言う。
俺の視線でようやく言葉の意味は伝わったようだが、その理由まではわかっていないようで、キースの顔には疑問が浮かんでいる。
「え……ええ? 何で」
「余裕を作るためだ。動きやすさが変わってくる」
「はー、そういうもんか。ってことは、オレもお前も左ってことだよな」
「おい」
「いいじゃねぇか。どうせ、お前のデータなんざとっくにこの店にあるんだろ」
そういう問題ではないが、下手に言葉を返すとキースがいらんことを言いかねないので、ひとまず口を噤むことにした。
一流の店は店員の対応も一流だ。今の会話で何か思うところがあったとしても、おくびにも出さない。
ならば、話題は早々と終わらせるに限る。
「左ですね。かしこまりました。スーツのお色や素材にご希望はございますか?」
「素材は……動きやすいものでって思うけど、色……色なぁ」
キースの目が店内のマネキンを彷徨うが、これと思う色がないのか、迷っているようだ。
「……お前が今所持しているスーツは無地のブラックだったか?」
「あ? ああ」
「ならば、それと印象が被らないものの方が良いだろう。ダークグレー……いや、ダークブラウンなんかどうだ? ペンシルストライプが入っているものとか似合うと思うが」
年齢を考えると少し落ち着いた印象になりそうだが、この先数年は着るだろうことを考えれば悪くないはずだ。
「あと、ネクタイは……そうだな。明るめのエメラルドグリーンがいい。こちらは無地で。品のいい光沢が出るシルクだとなお良い」
「今おっしゃった感じに近いジャケットとネクタイを試着用にご用意出来ますが、お試しになりますか?」
「頼む」
テーラーが試着の用意をしに場を離れたところで、キースがぼそりと小声で呟く。
「……お前が話すすめんのかよ。いや、よく分かんねぇから助かるけどさ」
「参考程度に考えてくれればいい。合わないと思えば、他の色を指定しろ」
***
そりゃデータはあるけど、なぜあなたがブラッド様のポジションを当たり前のようにご存知なんですかね!?とひっそり心の中で叫ぶモブの店員になりたかった人生w
Close
#キスブラ #書きかけ
ルーキー時代にキースのオーダースーツをブラッドと一緒に仕立てに行く話。
スーツイベやった時、オーダースーツを作る際チンポジ確認される的なツイートを思い出して、キスブラでやったら(私が)楽しいなと思ったネタ。
既に体の関係はある前提。
それをジェイから打診されたのは、じき深夜にさしかかろうという時間帯だった。
自室で本を読んでいたら、帰ってきたばかりのジェイがこちらの部屋に訪れ、キースのオーダースーツを仕立てるのに付き合ってくれないかと言ってきたのだ。
「キースのオーダースーツ?」
「ああ。一着ぐらいは持っておいた方がいいからな。最初、俺が仕立てに行くのに付き合うつもりだったんだが、生憎しばらくその時間が取れそうになくてな。お前ならいい店も知っているだろうし……どうだろう?」
確かにヒーローとなれば、何らかの折にレセプションに参加することは少なくない。
俺たちはまだルーキーの立場だから機会が限られているが、年々そういったものに参加する機会は増えていくことは容易に予想される。
その際に着るのはエリオスの制服を指定される場合もあるが、そうでなければスーツ、もしくは礼服だ。
礼服を指示されることは少ないだろうが、スーツはそれなりに必要とされる機会が多いし、仕立てのいいスーツを持っておけば、今後レセプションに限らず、何かと役に立つ。
キースはアカデミー時代に何かのバイトで使う機会があって、既製品のスーツを所持していた覚えはあるが、ヒーローは職業柄、人に注目される機会が多い。
恐らくジェイはその辺りを考慮し、今のうちにキースにオーダースーツを仕立てるようすすめたのだろう。
しかるべき店で仕立てて貰うのであれば、それなりに日数もかかる。
今日、ジェイがこの時間に帰ってきたというのを考えても、しばらく店に行く時間が取れなさそうなのも理解出来た。
キースも部屋にいて今のやりとりは聞こえていたはずだが、特に俺たちの会話に口を挟んで来ないということは、既にキースには話を通しているのだろう。
「俺はキースが構わないのであれば異存はない。明日はオフだし、明日店に行く形で問題はないが」
自分のベッドで雑誌を読んでいたキースを見ながらそう言うと、キースもすぐにこちらを向いた。
「俺も構わねぇし、明日でいいぜ」
「そうか! すまない、二人とも。せめて明日の昼食代は俺が出……」
「それは必要ない」
「それはいらねぇよ」
財布を出しかけたジェイを止めたのは二人同時だ。
「そもそもオレの着るもん買いに行くんだし、ジェイに出して貰う筋合いはねぇって」
「俺も同感だ。あなたが昼食代を出すことはない」
「そ、そうか? しかし、キースにオーダースーツを買うようすすめたのは俺だし、ブラッドに付き合うよう頼んだのも俺なんだが」
「いらねぇって」
「不要だ」
(中略)
「そういや、ジェイはああ言ったけどさ、店さえ教えてくれりゃ俺一人で行ってくるぜ?」
「いや。俺もそろそろ一着新調しようと考えていたところだったから好都合だった」
実際、アカデミー時代に作っていたオーダースーツは、体の成長に伴って少し窮屈になっていたから、近いうちに手直しして貰うか、もしくは新調しようと考えていた。
それがほんの少し早まっただけのことだ。
「そっか。ま、それならいいけどさ。車で行くか?」
「そのつもりでいた。店はブルーノースにあるしな。そういえば、予算はどのくらいで考えている?」
「あー、ジェイにこんくらいは出しとけって言われた。一張羅には金惜しむなって」
キースが指で示した額はオーダースーツの相場よりも少し高いくらいの金額だった。
シャツやネクタイもあわせて新調するとしても余裕がある。
ならば、選ぶのに困ることはなさそうだ。
馴染みのビスポーク・テーラーは祖父の代から世話になっている。
恐らく、俺が一緒に行くことで多少は融通もきかせてくれるだろう。
出発前にメールで連絡もしておけば、そう待たされることもないはずだ。
「わかった。では、店に先に到着予定時間と予算を知らせておく」
「悪ぃな。昼飯は奢るからさ」
「気にしなくていい。俺の用事でもある。どうしてもというなら帰りの運転を代われ」
「そんなんでいいのかよ」
「ああ」
(中略)
「いつもは左右どちらにされてますか?」
「は?」
下半身を採寸しながら、そう婉曲的に尋ねて来たテーラーの意図がキースには伝わらなかったらしい。
そういえば、既製の服であれば購入の際に聞かれることはないかと横から口を出す。
「……ポジションだ」
ちらりと股間に視線をやってそれだけ言う。
俺の視線でようやく言葉の意味は伝わったようだが、その理由まではわかっていないようで、キースの顔には疑問が浮かんでいる。
「え……ええ? 何で」
「余裕を作るためだ。動きやすさが変わってくる」
「はー、そういうもんか。ってことは、オレもお前も左ってことだよな」
「おい」
「いいじゃねぇか。どうせ、お前のデータなんざとっくにこの店にあるんだろ」
そういう問題ではないが、下手に言葉を返すとキースがいらんことを言いかねないので、ひとまず口を噤むことにした。
一流の店は店員の対応も一流だ。今の会話で何か思うところがあったとしても、おくびにも出さない。
ならば、話題は早々と終わらせるに限る。
「左ですね。かしこまりました。スーツのお色や素材にご希望はございますか?」
「素材は……動きやすいものでって思うけど、色……色なぁ」
キースの目が店内のマネキンを彷徨うが、これと思う色がないのか、迷っているようだ。
「……お前が今所持しているスーツは無地のブラックだったか?」
「あ? ああ」
「ならば、それと印象が被らないものの方が良いだろう。ダークグレー……いや、ダークブラウンなんかどうだ? ペンシルストライプが入っているものとか似合うと思うが」
年齢を考えると少し落ち着いた印象になりそうだが、この先数年は着るだろうことを考えれば悪くないはずだ。
「あと、ネクタイは……そうだな。明るめのエメラルドグリーンがいい。こちらは無地で。品のいい光沢が出るシルクだとなお良い」
「今おっしゃった感じに近いジャケットとネクタイを試着用にご用意出来ますが、お試しになりますか?」
「頼む」
テーラーが試着の用意をしに場を離れたところで、キースがぼそりと小声で呟く。
「……お前が話すすめんのかよ。いや、よく分かんねぇから助かるけどさ」
「参考程度に考えてくれればいい。合わないと思えば、他の色を指定しろ」
***
そりゃデータはあるけど、なぜあなたがブラッド様のポジションを当たり前のようにご存知なんですかね!?とひっそり心の中で叫ぶモブの店員になりたかった人生w
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#キスブラ #書きかけ
2014年 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
キス22堀鹿を文章で
絵で堀鹿キス22やってらっしゃる方のをみて、滾った結果考えていたけど、堀鹿小説アンソロでやるから堀みこかカプ雑多の方向にシフトチェンジすると思う。
・髪(思慕)鹿島→堀:お風呂上がりに
・額(祝福/友情)鹿島→堀:風邪引き堀先輩の看病時に
・瞼(憧憬)鹿島→堀:夜明け、まだ熟睡中の堀先輩に
・耳(誘惑)堀→鹿島:前戯で耳攻め
・鼻梁(愛玩)鹿島→堀:仕事用メガネで跡がついた堀先輩に
・頬(親愛/厚意/満足感)鹿島→堀:休日、まったり中に
・唇(愛情)堀→鹿島:セックス中
・喉(欲求)鹿島→堀:(考え中)
・首筋(執着)堀→鹿島:セックス中
・背中(確認)鹿島→堀:堀先輩の背中に爪痕つけちゃった鹿島くん
・胸(所有)堀→鹿島:セックス中
・腕(恋慕)鹿島→堀:事後、腕枕してる堀先輩に
・手首(欲望)堀→鹿島:キス後にいちゃいちゃ雪崩れ込み
・手の甲(敬愛)鹿島→堀:大学演劇研究会での練習で
・掌(懇願)鹿島→堀:これもセックス中かな
・指先(賞賛)鹿島→堀:上に同じく
・腹(回帰)堀→鹿島:上に(ry
・腰(束縛)堀→鹿島:上に(ry
・腿(支配)堀→鹿島:上に(ry
・臑(服従)堀→鹿島:上に(ry
・足の甲(隷属)堀→鹿島:上に(ry
・爪先(崇拝)堀→鹿島:一緒にお風呂入ってる時に
一応、最初は健全かR-15レベルにしようかとは思ったんですが(過去形)胸や腹を堀先輩側からのキスにした時点で無理でした。
いさぎよく、R-18にするw
※結局、紅敬でやったなキス22。
Close
#堀鹿 #R18 #ネタメモ
絵で堀鹿キス22やってらっしゃる方のをみて、滾った結果考えていたけど、堀鹿小説アンソロでやるから堀みこかカプ雑多の方向にシフトチェンジすると思う。
・髪(思慕)鹿島→堀:お風呂上がりに
・額(祝福/友情)鹿島→堀:風邪引き堀先輩の看病時に
・瞼(憧憬)鹿島→堀:夜明け、まだ熟睡中の堀先輩に
・耳(誘惑)堀→鹿島:前戯で耳攻め
・鼻梁(愛玩)鹿島→堀:仕事用メガネで跡がついた堀先輩に
・頬(親愛/厚意/満足感)鹿島→堀:休日、まったり中に
・唇(愛情)堀→鹿島:セックス中
・喉(欲求)鹿島→堀:(考え中)
・首筋(執着)堀→鹿島:セックス中
・背中(確認)鹿島→堀:堀先輩の背中に爪痕つけちゃった鹿島くん
・胸(所有)堀→鹿島:セックス中
・腕(恋慕)鹿島→堀:事後、腕枕してる堀先輩に
・手首(欲望)堀→鹿島:キス後にいちゃいちゃ雪崩れ込み
・手の甲(敬愛)鹿島→堀:大学演劇研究会での練習で
・掌(懇願)鹿島→堀:これもセックス中かな
・指先(賞賛)鹿島→堀:上に同じく
・腹(回帰)堀→鹿島:上に(ry
・腰(束縛)堀→鹿島:上に(ry
・腿(支配)堀→鹿島:上に(ry
・臑(服従)堀→鹿島:上に(ry
・足の甲(隷属)堀→鹿島:上に(ry
・爪先(崇拝)堀→鹿島:一緒にお風呂入ってる時に
一応、最初は健全かR-15レベルにしようかとは思ったんですが(過去形)胸や腹を堀先輩側からのキスにした時点で無理でした。
いさぎよく、R-18にするw
※結局、紅敬でやったなキス22。
Close
#堀鹿 #R18 #ネタメモ
2007年 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
追憶に揺れる焔 で削った部分の没ネタです。
話の本題からずるずる逸れてしまった為、没に。
没にしつつも勿体ない精神で一時期拍手に置いてありました。
ひたすら、きくちゃんにセクハラ発言する鈴女と風の人は書いてて楽しかったけど、話の収集がつかなくなりそうだったので、きくちゃんには退場して貰いました。ごめん。
本編はカプ要素ありですが、この部分だけだと特に触れてないのでカプタグつけません。
「で、彼女が酒瓶を抱えて喜色満面で歩いてるところにばったり会いまして~。酒瓶独り占めするのは、いくらなんでも勿体無いんじゃないかと」
「でもって、飲むならやっぱりつまみも欲しいと、この二人が厨房に来たところ、たまたまあたしがそこにいて。酒盛りに混ぜるから、つまみ作れと引きずりこまれたってーわけだ」
義風ときくがそれに続ける形で集まった流れを透琳に教えた。
「そういう事でしたか。うむ、つまみも美味くて酒が益々進みますな。流石はきく殿。料理の達人の噂に違わぬ腕前だ」
数品あるつまみに次々と箸をつけながら、透琳が世辞を抜きにきくを褒める。
「へへっ。簡単に作ったものばっかりだけどな」
「でも、凄いでござるよ。三十分待てと言われて待ってみたら、何種類もつまみが出てきてびっくりしたでござる」
「しかも、どれも美味いときてますからね~。手早く、美味いものが作れるって素晴らしいですよ~」
「毛利に居た時は戦が終わる度に、それこそ何百、何千人前のメシを一気にガーッと作ってたからなぁ。それに比べりゃこんなん何てこたぁねぇさ」
謙遜はするものの、褒められるのは満更でもないらしい。きくが嬉しそうに笑って応じた。
「相手の胃袋をがっちり掴む術は十分だし、これで、性技にも長けたくのいちだったら、殿方の下の袋もばっちり掴めて無敵でござるなぁ」
「ぶっ! ……げほっごほっ!!」
鈴女の言葉に、きくが口に含んだ酒を吹き出しかけて盛大に咽る。
が、鈴女はそれには構わず、言葉を続けた。
「やっぱり勿体無いでござるよー。そんな見事なおっぱい持ってるのに、くのいちじゃないなんて」
「ですね~。使い方次第で幾らでも相手を篭絡できるでしょうに、その胸だと。メイド服も着てるわけですし、こう、さりげなく食事に毒を盛りつつ、性技も武器にすれば、敵陣はイチコロだと思うんですけど~」
「うっ……またその話に戻すのかよっ……」
きくの目元が一気に紅く染まった。原因は……多分酒だけではない。
透琳が腰を下ろした時、きくが一瞬安堵した表情を見せた理由が判った。
恐らく、透琳が訪れる前にもその手の話になっていたのだろう。
が、彼が話に加わった事で話題が途切れ、安心したからに違いない。
「いいじゃねぇか! くのいちなら鈴女がいるんだし、あたしが無理にやらなくっても。毒にしたって、うちには毒殺マニアの妹がいたから事足りていたし」
「でも、くのいちは常に人手不足なんで、なったら喜ばれるでござるよ」
「誰に! あたしは特定の忍軍に属してもいないし、属したこともないぞ!?」
「とりあえず、ランス殿は大喜びでしょうね~」
「うい。性技でうはうはのあへあへになるのは間違いないでござるなぁ。ランスの士気が高まる。ひいては織田軍の士気も高まると考えると、くのいちになるのも、そう悪くないと思うでござるよ」
「ああ、なるほど。そう考えると、きく殿がくのいちになるのは織田軍の為にもなりますね~」
「う~……」
Close
#没ネタ
話の本題からずるずる逸れてしまった為、没に。
没にしつつも勿体ない精神で一時期拍手に置いてありました。
ひたすら、きくちゃんにセクハラ発言する鈴女と風の人は書いてて楽しかったけど、話の収集がつかなくなりそうだったので、きくちゃんには退場して貰いました。ごめん。
本編はカプ要素ありですが、この部分だけだと特に触れてないのでカプタグつけません。
「で、彼女が酒瓶を抱えて喜色満面で歩いてるところにばったり会いまして~。酒瓶独り占めするのは、いくらなんでも勿体無いんじゃないかと」
「でもって、飲むならやっぱりつまみも欲しいと、この二人が厨房に来たところ、たまたまあたしがそこにいて。酒盛りに混ぜるから、つまみ作れと引きずりこまれたってーわけだ」
義風ときくがそれに続ける形で集まった流れを透琳に教えた。
「そういう事でしたか。うむ、つまみも美味くて酒が益々進みますな。流石はきく殿。料理の達人の噂に違わぬ腕前だ」
数品あるつまみに次々と箸をつけながら、透琳が世辞を抜きにきくを褒める。
「へへっ。簡単に作ったものばっかりだけどな」
「でも、凄いでござるよ。三十分待てと言われて待ってみたら、何種類もつまみが出てきてびっくりしたでござる」
「しかも、どれも美味いときてますからね~。手早く、美味いものが作れるって素晴らしいですよ~」
「毛利に居た時は戦が終わる度に、それこそ何百、何千人前のメシを一気にガーッと作ってたからなぁ。それに比べりゃこんなん何てこたぁねぇさ」
謙遜はするものの、褒められるのは満更でもないらしい。きくが嬉しそうに笑って応じた。
「相手の胃袋をがっちり掴む術は十分だし、これで、性技にも長けたくのいちだったら、殿方の下の袋もばっちり掴めて無敵でござるなぁ」
「ぶっ! ……げほっごほっ!!」
鈴女の言葉に、きくが口に含んだ酒を吹き出しかけて盛大に咽る。
が、鈴女はそれには構わず、言葉を続けた。
「やっぱり勿体無いでござるよー。そんな見事なおっぱい持ってるのに、くのいちじゃないなんて」
「ですね~。使い方次第で幾らでも相手を篭絡できるでしょうに、その胸だと。メイド服も着てるわけですし、こう、さりげなく食事に毒を盛りつつ、性技も武器にすれば、敵陣はイチコロだと思うんですけど~」
「うっ……またその話に戻すのかよっ……」
きくの目元が一気に紅く染まった。原因は……多分酒だけではない。
透琳が腰を下ろした時、きくが一瞬安堵した表情を見せた理由が判った。
恐らく、透琳が訪れる前にもその手の話になっていたのだろう。
が、彼が話に加わった事で話題が途切れ、安心したからに違いない。
「いいじゃねぇか! くのいちなら鈴女がいるんだし、あたしが無理にやらなくっても。毒にしたって、うちには毒殺マニアの妹がいたから事足りていたし」
「でも、くのいちは常に人手不足なんで、なったら喜ばれるでござるよ」
「誰に! あたしは特定の忍軍に属してもいないし、属したこともないぞ!?」
「とりあえず、ランス殿は大喜びでしょうね~」
「うい。性技でうはうはのあへあへになるのは間違いないでござるなぁ。ランスの士気が高まる。ひいては織田軍の士気も高まると考えると、くのいちになるのも、そう悪くないと思うでござるよ」
「ああ、なるほど。そう考えると、きく殿がくのいちになるのは織田軍の為にもなりますね~」
「う~……」
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