2014年11月7日の投稿[1件]
調律師堀×良家の令嬢な鹿島でパロ。Twitterでフォロワーさんがあげていたネタから。
まともにやろうと思ったら、シリーズ化しそうな勢いだったので、とりあえず、冒頭部分とエロシーンだけふらっと書いてみました。
エロシーン中途半端ですみません。
上客だから、絶対に失礼のないようにしろ、とは確かに言われてきた。
裕福な客にも少なからず当たったことはあったし、多少の覚悟はしてきたつもりだったが、予想以上だった。
「個人の家とは思えねぇなぁ……。間違ってないよな、俺」
立派な門構えの奥に佇む依頼人の家は、家というよりお屋敷と言った方がしっくりくる。
音大なんて、それなりに裕福な家の出身者が少なからずいたし、ピアノ科の連中はほぼ自宅にグランドピアノを所有している。
そこそこ広い家なんて、見慣れてたつもりだが、流石に圧倒された。
チャイムを鳴らす手が微かに震えてしまったのが、自分でも分かる。
『はい、どちら様ですか』
「調律師の堀と申します。この時間に調律の手配をご依頼頂いたかと思うのですが」
『お待ちしておりました。ただいま参りますので、少々お待ちを』
淡々と形式ぶった口ぶりからして使用人かな。
これだけでかい家なら有り得そうだ。
ややあって、スーツ姿の初老の男性が玄関先まで出て来た。
「お待たせいたしました。本日はよろしくお願いいたします」
「いえ、こちらこそよろしくお願いいたします。確か、調律するピアノは二台とお伺いしたのですが……」
「はい、こちらになります」
歩き始めた相手に合わせ、こちらも隣を歩く。
「本宅に練習用のスタインウェイが、そしてあちらに見えます離れの方にベーゼンドルファーを置いてあります」
「どっちもグランドピアノ、ですよね」
「はい」
スタインウェイとベーゼンドルファーの二台持ちかよ。
しかも、スタインウェイが練習用かよ!
こりゃ、スタンダードモデルでもないんじゃねぇの。
スタインウェイは、先日大学で調律する仕事で触ったが、ベーゼンに触るのは結構久しぶりだ。
名器に触れる喜びと幾ばくかの嫉妬が混じり合う。
演奏家――殊にクラシックの分野で演奏家を目指すなら、条件がある。
まず、才能があるというのは大前提。そして、コネ。
これは、音大に入学したり、元々師事していた先生なりで、大抵どうにか足がかりは掴める。
楽器を練習する時間を捻出するのも、まぁどうにかなる。
一番問題なのはぶっちゃけ金だ。
国公立の音大なら、まだ学費等は安く抑えられるが、問題は学費だけじゃない。
そもそも、音大に入る時点で独学でどうにかなるやつなんて、いないと言って良い。
自分の楽器のレッスン費用、ソルフェージュ等のレッスン費用、ピアノ科じゃなければ、自分の楽器に加えて、ピアノも副科で必須になるからピアノのレッスン費用、そして、楽器の購入費用やら、それらのメンテナンスにかかる費用、演奏する楽譜や、練習用の教本などなど。
そんな様々な費用は大学に入っても、ほぼ変わらない。
寧ろ、定期演奏会のメンバーに選ばれたり、門下生でのコンサートに出演することになったり、コンクールに出ることになったりと、人前で演奏する機会が増えるため、衣装代とか、それらのコンサート等での打ち合わせやリハを行うことでの会場費やら、交通費やら。
ハッキリ言って、湯水の如くに金は出て行く。
仮に奨学金を貰えたとしても、限度があるのだ。
俺なんかもそこでダメになったクチだ。
どうにか、希望の音大に現役で滑り込めたはいいものの、結局大学二年で中退した。
それでも、どうにか音楽に関わる仕事をしたくて選んだのが調律師だった。
昼はバイトに明け暮れ、夜は調律師の学校に通うことで、どうにか調律師という職に就くことが出来た。
給料の面で言えば、決してよくはないものの、好きなものに関わっていけるという嬉しさを考えたらどうでもいい。
ただ、こんな風に――当たり前のように音楽を続けていける金があるんだろうなと容易く想像出来るような人間がいることに、時折嫉妬してしまうのは人として仕方ねぇと思いたい。
屋敷の中に案内されると、隅々までいい調度品を揃えているのが、そういったものに詳しくない俺でも分かる。
神経使いそうな仕事だなーと思っていると、俺たちの方に高校生くらいの少女が歩み寄ってきた。
「お嬢様。ピアノの調律師の方がいらっしゃいました」
「はーい。お待ちしてました! 今日は両親留守なんで、私が案内しますね」
朗らかに受け答える少女は端正な顔立ちをしていた。
金持ちの上に、美形とか勝ち組じゃねぇかと思いつつ、どこかでこの顔が記憶に引っかかっていた。
あれ、この家の名字って確か……。
「申し遅れました。私ここの娘の鹿島遊っていいます」
……記憶に引っかかっていたわけだ。
こいつ、確か先日この近くのホールで行われたピアノコンクールで一位取ってたやつじゃなかったっけか。
偶然、仕事の空きが出来た時間にちょっと寄ったが、確かにこいつの演奏は群を抜いていた。
「あ、あとは私やりますから下がってていいですよー」
「了解いたしました。よろしくお願いいたします、お嬢様」
男がその場を立ち去ると、少女――鹿島遊が馴れ馴れしく俺の手を掴んだ。
「こっちです、どうぞ」
「お、おい」
咎めようにも、相手は上客だというのを思い出して堪える。
鹿島が俺の手を引くままに、二階まで上がり、左に曲がって、突き当たりの部屋まで連れてこられた。
部屋に入ると防音仕様になっている割にはそこそこ広い。
ホント金あるんだな、と溜め息を吐きたくなったのを抑え込んだ。
そして、グランドピアノも案の定スタンダードモデルじゃない。
詳細は忘れたが記念に作られた限定モデルの一つだ。
これが練習用ってとんだお大尽だな。
しかし、こういう機会でもないと触れないような代物だ。
有り難く仕事に入らせて貰うこととしよう。
「じゃ、早速調律しますんで」
「はい、お願いしますね!」
床に調律道具を広げて、早速やろうとしたが、鹿島は俺の方をじっと見たまま動こうとしない。
「……その、何か?」
「あー、調律するところ見ていてもいいですか? 今まで、私調律するところに居合わせたことなくて」
「まぁ、構いませんが……その、お嬢さん」
「敬語いらないですよー。私の方が年下ですし。呼び方も鹿島で構いませんから」
「じゃあ、鹿島。見ているならもう少し離れていて貰ってもいいか。あまり近い場所にいられるとやりずらい」
「はーい」
これが、俺と鹿島の最初の出会いだった。
***
防音室ってのはつくづく便利だと思う。
まぁ、防音とは言っても、完全に音を遮断するわけでなく、ピアノを弾いていれば弾いていることが分かってしまうくらいのものだ。
だから、こうして。
「や……あああっ!」
鹿島が嬌声を上げるのに合わせて、ピアノの音を鳴らす。
如何にも調律を真面目にしています、って風を装って。
こうすれば、まさか防音室の中でセックスに及んでいるなんて思われない。
ピアノの椅子に俺が座った上に鹿島を後ろ向きに乗せ、貫いているなんて、誰が予想出来るだろうか。
俺だって、初めてこの家を訪れたときには予想なんてしていなかった。
「綺麗にピアノ磨き上げてるから、反射して丸見えだな、ここ」
「や、だ……言わな…………でくだ……」
指で繋がった部分に触りながら、ピアノに映っている鹿島に笑いかける。
触れた場所からは温かい蜜が溢れて、俺の指を濡らす。
泣きそうな顔はこいつがめちゃくちゃ感じているからだと、もう知っている。
こいつが大事にしているピアノを調律した指で、こいつの身体の隅々に触れ、もう触っていない場所なんて残っていない。
――ここで練習するたびに思い出すじゃないですか……酷いです。
最初にここで抱いた時にそんなことを言われたが、それこそが目的だ。
何もかも当たり前のように与えられ、それに応じられるだけの才能を持った女。
そんな女をこの手で好きに扱っているという事実が俺を昂ぶらせる。
濡れた指でクリトリスを挟み込むと小さな悲鳴が聞こえた。
もう一方の手で、すかさずピアノを鳴らす。
あ。今の音、心持ち高いな。あとで調整しねぇと。
「良い声で啼くよなぁ、おまえ」
「お……願いしま…………も」
「もう?」
「っ……」
「教えただろ、ちゃんと。こういう時はどう言えば良いかって」
「あ……あっ」
挟み込んだ指で、クリトリスをゆっくりと擦る。
微かに露出した部分には触れないように焦らしながら。
「動いて、下さ……い。奥まで…………来て……っ!」
「…………ちゃんと言えるじゃねぇ、かっ」
「うああああ!!」
鹿島の嬌声と同時に属七の和音を鳴らし、クリトリスを押しつぶしながら、腰を強く突き上げた。
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#堀鹿 #R18 #書きかけ
まともにやろうと思ったら、シリーズ化しそうな勢いだったので、とりあえず、冒頭部分とエロシーンだけふらっと書いてみました。
エロシーン中途半端ですみません。
上客だから、絶対に失礼のないようにしろ、とは確かに言われてきた。
裕福な客にも少なからず当たったことはあったし、多少の覚悟はしてきたつもりだったが、予想以上だった。
「個人の家とは思えねぇなぁ……。間違ってないよな、俺」
立派な門構えの奥に佇む依頼人の家は、家というよりお屋敷と言った方がしっくりくる。
音大なんて、それなりに裕福な家の出身者が少なからずいたし、ピアノ科の連中はほぼ自宅にグランドピアノを所有している。
そこそこ広い家なんて、見慣れてたつもりだが、流石に圧倒された。
チャイムを鳴らす手が微かに震えてしまったのが、自分でも分かる。
『はい、どちら様ですか』
「調律師の堀と申します。この時間に調律の手配をご依頼頂いたかと思うのですが」
『お待ちしておりました。ただいま参りますので、少々お待ちを』
淡々と形式ぶった口ぶりからして使用人かな。
これだけでかい家なら有り得そうだ。
ややあって、スーツ姿の初老の男性が玄関先まで出て来た。
「お待たせいたしました。本日はよろしくお願いいたします」
「いえ、こちらこそよろしくお願いいたします。確か、調律するピアノは二台とお伺いしたのですが……」
「はい、こちらになります」
歩き始めた相手に合わせ、こちらも隣を歩く。
「本宅に練習用のスタインウェイが、そしてあちらに見えます離れの方にベーゼンドルファーを置いてあります」
「どっちもグランドピアノ、ですよね」
「はい」
スタインウェイとベーゼンドルファーの二台持ちかよ。
しかも、スタインウェイが練習用かよ!
こりゃ、スタンダードモデルでもないんじゃねぇの。
スタインウェイは、先日大学で調律する仕事で触ったが、ベーゼンに触るのは結構久しぶりだ。
名器に触れる喜びと幾ばくかの嫉妬が混じり合う。
演奏家――殊にクラシックの分野で演奏家を目指すなら、条件がある。
まず、才能があるというのは大前提。そして、コネ。
これは、音大に入学したり、元々師事していた先生なりで、大抵どうにか足がかりは掴める。
楽器を練習する時間を捻出するのも、まぁどうにかなる。
一番問題なのはぶっちゃけ金だ。
国公立の音大なら、まだ学費等は安く抑えられるが、問題は学費だけじゃない。
そもそも、音大に入る時点で独学でどうにかなるやつなんて、いないと言って良い。
自分の楽器のレッスン費用、ソルフェージュ等のレッスン費用、ピアノ科じゃなければ、自分の楽器に加えて、ピアノも副科で必須になるからピアノのレッスン費用、そして、楽器の購入費用やら、それらのメンテナンスにかかる費用、演奏する楽譜や、練習用の教本などなど。
そんな様々な費用は大学に入っても、ほぼ変わらない。
寧ろ、定期演奏会のメンバーに選ばれたり、門下生でのコンサートに出演することになったり、コンクールに出ることになったりと、人前で演奏する機会が増えるため、衣装代とか、それらのコンサート等での打ち合わせやリハを行うことでの会場費やら、交通費やら。
ハッキリ言って、湯水の如くに金は出て行く。
仮に奨学金を貰えたとしても、限度があるのだ。
俺なんかもそこでダメになったクチだ。
どうにか、希望の音大に現役で滑り込めたはいいものの、結局大学二年で中退した。
それでも、どうにか音楽に関わる仕事をしたくて選んだのが調律師だった。
昼はバイトに明け暮れ、夜は調律師の学校に通うことで、どうにか調律師という職に就くことが出来た。
給料の面で言えば、決してよくはないものの、好きなものに関わっていけるという嬉しさを考えたらどうでもいい。
ただ、こんな風に――当たり前のように音楽を続けていける金があるんだろうなと容易く想像出来るような人間がいることに、時折嫉妬してしまうのは人として仕方ねぇと思いたい。
屋敷の中に案内されると、隅々までいい調度品を揃えているのが、そういったものに詳しくない俺でも分かる。
神経使いそうな仕事だなーと思っていると、俺たちの方に高校生くらいの少女が歩み寄ってきた。
「お嬢様。ピアノの調律師の方がいらっしゃいました」
「はーい。お待ちしてました! 今日は両親留守なんで、私が案内しますね」
朗らかに受け答える少女は端正な顔立ちをしていた。
金持ちの上に、美形とか勝ち組じゃねぇかと思いつつ、どこかでこの顔が記憶に引っかかっていた。
あれ、この家の名字って確か……。
「申し遅れました。私ここの娘の鹿島遊っていいます」
……記憶に引っかかっていたわけだ。
こいつ、確か先日この近くのホールで行われたピアノコンクールで一位取ってたやつじゃなかったっけか。
偶然、仕事の空きが出来た時間にちょっと寄ったが、確かにこいつの演奏は群を抜いていた。
「あ、あとは私やりますから下がってていいですよー」
「了解いたしました。よろしくお願いいたします、お嬢様」
男がその場を立ち去ると、少女――鹿島遊が馴れ馴れしく俺の手を掴んだ。
「こっちです、どうぞ」
「お、おい」
咎めようにも、相手は上客だというのを思い出して堪える。
鹿島が俺の手を引くままに、二階まで上がり、左に曲がって、突き当たりの部屋まで連れてこられた。
部屋に入ると防音仕様になっている割にはそこそこ広い。
ホント金あるんだな、と溜め息を吐きたくなったのを抑え込んだ。
そして、グランドピアノも案の定スタンダードモデルじゃない。
詳細は忘れたが記念に作られた限定モデルの一つだ。
これが練習用ってとんだお大尽だな。
しかし、こういう機会でもないと触れないような代物だ。
有り難く仕事に入らせて貰うこととしよう。
「じゃ、早速調律しますんで」
「はい、お願いしますね!」
床に調律道具を広げて、早速やろうとしたが、鹿島は俺の方をじっと見たまま動こうとしない。
「……その、何か?」
「あー、調律するところ見ていてもいいですか? 今まで、私調律するところに居合わせたことなくて」
「まぁ、構いませんが……その、お嬢さん」
「敬語いらないですよー。私の方が年下ですし。呼び方も鹿島で構いませんから」
「じゃあ、鹿島。見ているならもう少し離れていて貰ってもいいか。あまり近い場所にいられるとやりずらい」
「はーい」
これが、俺と鹿島の最初の出会いだった。
***
防音室ってのはつくづく便利だと思う。
まぁ、防音とは言っても、完全に音を遮断するわけでなく、ピアノを弾いていれば弾いていることが分かってしまうくらいのものだ。
だから、こうして。
「や……あああっ!」
鹿島が嬌声を上げるのに合わせて、ピアノの音を鳴らす。
如何にも調律を真面目にしています、って風を装って。
こうすれば、まさか防音室の中でセックスに及んでいるなんて思われない。
ピアノの椅子に俺が座った上に鹿島を後ろ向きに乗せ、貫いているなんて、誰が予想出来るだろうか。
俺だって、初めてこの家を訪れたときには予想なんてしていなかった。
「綺麗にピアノ磨き上げてるから、反射して丸見えだな、ここ」
「や、だ……言わな…………でくだ……」
指で繋がった部分に触りながら、ピアノに映っている鹿島に笑いかける。
触れた場所からは温かい蜜が溢れて、俺の指を濡らす。
泣きそうな顔はこいつがめちゃくちゃ感じているからだと、もう知っている。
こいつが大事にしているピアノを調律した指で、こいつの身体の隅々に触れ、もう触っていない場所なんて残っていない。
――ここで練習するたびに思い出すじゃないですか……酷いです。
最初にここで抱いた時にそんなことを言われたが、それこそが目的だ。
何もかも当たり前のように与えられ、それに応じられるだけの才能を持った女。
そんな女をこの手で好きに扱っているという事実が俺を昂ぶらせる。
濡れた指でクリトリスを挟み込むと小さな悲鳴が聞こえた。
もう一方の手で、すかさずピアノを鳴らす。
あ。今の音、心持ち高いな。あとで調整しねぇと。
「良い声で啼くよなぁ、おまえ」
「お……願いしま…………も」
「もう?」
「っ……」
「教えただろ、ちゃんと。こういう時はどう言えば良いかって」
「あ……あっ」
挟み込んだ指で、クリトリスをゆっくりと擦る。
微かに露出した部分には触れないように焦らしながら。
「動いて、下さ……い。奥まで…………来て……っ!」
「…………ちゃんと言えるじゃねぇ、かっ」
「うああああ!!」
鹿島の嬌声と同時に属七の和音を鳴らし、クリトリスを押しつぶしながら、腰を強く突き上げた。
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