No.57, No.20, No.18, No.16, No.15, No.14, No.13[7件]
かべうちに置いてたとこからの移動分。(加筆修正有)
JINSのポスター撮影を想定したネタによる紅敬。
元ネタを2018年に書いて、2019年の蓮巳敬人WEB誕生日会『Listen to me!』用に電子書籍として纏めた中に『どちらも本心』のタイトルで収録したものです。
完成品ですが、電子書籍に収録済なのでpixivにはUPしません。
(サイトとピクブラには後で置く)※もう少し余裕が出来たらサイトのNovelに移動します。
国内有数の眼鏡メーカーからいくつかのユニットをイメージした眼鏡を発売したい、というオファーがあり、それに伴って各ユニットのリーダーが宣伝用のポスター等に使う写真を撮ることになった。
今回に関してはユニットを問わず、衣装は全て先方が用意してくれるとのことだったが、それを聞いた鬼龍がプロのスタイリストの仕事を見ておきたいから、自分も同席させて欲しいと言ってきた。
今回はステージ衣装とはコンセプトが違う。
鬼龍が見ても、今後生かせる機会があるかわからんだろうと思ったのだが。
「それぞれのユニットイメージやユニットリーダー本人に合わせて、スーツやインナーを選ぶんだろ? 題材がシンプルだからこそ、どんな風になるのかみてぇんだよな」
「なるほど」
紅月の衣装は一部の例外を除けば、鬼龍がほぼ一手に担っている。
衣装だけではなく、小道具やヘアメイクもこいつの手によるものだ。
今はステージ衣装が大半だが、今後メディアの露出が増えるのであれば、確かに今回のような仕事も増えるかもしれん。
そうなったとき、やはり出来るだけ自分で関わりたいというのもあるのだろう。
実際、鬼龍が手掛ける衣装は紅月の大きな武器の一つだ。
そういうことならば、と先方に許可を取って、鬼龍も一緒に撮影現場へ来ることになった。
元々知り合ったときに眼鏡をかけていた守沢はともかく、他の面々の眼鏡姿を見るのは新鮮だったし、それぞれに合わせたスーツは皆似合っていて、制服とはまた違った印象を抱かせたことで、鬼龍が見たいと言った理由が理解できる。
幾人かの撮影が終わって俺の番になり、いざ撮影を開始したものの、数回シャッターを切ったところでカメラマンからストップがかかった。
「ごめん。ちょっとストップ。うーん……蓮巳くん、普段から眼鏡だからかなぁ……どうにもこうしっくりこないというか、決め手に欠けるんだよねぇ。もうちょっと印象が普段と変わるようなのが欲しいんだけど。勿論、紅月や蓮巳くん自身のイメージは保つ感じで」
「普段と変わる、ですか」
そうは言われても、眼鏡は生涯の伴侶と決めているくらい俺の生活になくてはならないものだ。
根本的なイメージはそのままに印象を変えるというのも中々難題のように思える。
どうしたものか――と思案していたら、ずっと黙ってみていた鬼龍が口を挟んできた。
「だったら、逆に眼鏡を外しかけているところを撮るってのはどうっすか。普段から眼鏡してるのって撮影するメンバーだとこいつだけなんで、印象が変わるって意味じゃありだと思うんすけど。完全に外すんじゃなけりゃ、眼鏡もちゃんと一緒に写りますし」
「待て、鬼龍。貴様、俺が眼鏡を外すと全然見えないのを知っているだろう。カメラに目線を合わせられるか分からんぞ」
「俺がカメラの傍にいて声を掛けるから、声掛けた方向を見りゃいい。旦那耳いいから、声なら方向は正確にわかるだろ」
「ああ、なるほど! じゃ、それでちょっとやってみようか。蓮巳くん、眼鏡をちょっと顔から離す感じで……そうだな、モダンが耳に引っ掛かってるかどうかってくらいの離し方を試して貰えるかい」
せっかくの眼鏡の広告だというのに、肝心の眼鏡を外しかけるなどと――とは思ったが、物は試しだ。
「蓮巳。顔の位置はそのままで視線だけこっち寄越せ」
「こう、か?」
鬼龍の声がした方向に視線を向けるとシャッター音が続けざまにスタジオに鳴り響く。
「あー、これだ、これこれ! ちょっとこんな感じで数枚撮らせて貰うね。うん」
カメラマンの声が明るくなったのが伝わる。
どうやら、これで良かったらしい。そのままシャッターが立て続けにきられて、終了の声が上がった。
「はい、いいよ、お疲れさま! ほら、こんな感じになったけどどうかな?」
「これは……」
「いいじゃねぇか。やっぱり」
眼鏡を元通りに掛け、たった今撮ったばかりのデータを見せて貰ったが、自分の目から見ても先ほどに比べて印象がぐっと良くなっていた。
眼鏡も外しかけているとはいえ、存在感が薄くなっているわけではない。
「うん、どうなるかと思ったけど、こういう手があったね。そういえば、紅月って普段は衣装やヘアメイクは鬼龍くんがやっているんだっけ。紅月のメンバーを見せることを普段から考えているからかな。いい案出してくれてありがとう」
「いえ。お役に立てたならよかったっす」
「じゃ、蓮巳くんは休憩入ってくれるかな。えーっと、次は――」
次に撮影する者が呼ばれたところで、俺と鬼龍はスタジオを出た。
ごく自然に俺に着いてきたものだから、つい問いかける。
「ん? 貴様は撮影を見ていなくていいのか?」
「一番見たかった旦那は終わったし、撮影そのものよりゃ、衣装の合わせ方を見たかったからな。全員分の衣装はもうチェック出来たから俺もちょっと一息入れる。自販機で飲み物買って休憩だ」
「そうか。俺もそうしよう。買ったら控室まで戻るか」
スタジオ内は飲食禁止だし、何か飲むなら控室が無難だ。
控室は何人かで利用していたが、まだ誰も戻ってきてはいなかった。他の場所で休憩していたり、撮影中だったりなのだろう。
控室の椅子にそれぞれ座って、自販機で購入したばかりのお茶を飲んでいると、鬼龍が何かノートに書き付けていた。
「……今回の衣装についてのメモか」
「ああ。それと眼鏡のな。やっぱりプロの仕事だな。全体通して見ても誰かが飛び抜けて目立つわけでもねぇが、ちゃんとそれぞれの個性も引き立てている」
「なるほど、言われてみれば。今後の参考になったようで何よりだ」
鬼龍は紅月の衣装だけではなく、流星隊を始め他ユニットの衣装も作成することもあるし、その点を踏まえても良い経験だったのだろう。
ふと、鬼龍が俺の顔を――正確には目元あたりをじっと見つめている視線を感じた。
「? 何だ?」
「…………ま、個人的な感情としちゃ、蓮巳の旦那が眼鏡外したところは極力人に見せたくなかったけどな。仕事とありゃそうも言ってられねぇ」
「……何だ、妬いているのか」
先ほどの撮影で眼鏡を外すことを提案したのは当の鬼龍だというのに。
「てめぇが眼鏡外すところなんざ、俺だってそんなに見る機会ねぇからな。でも、旦那は眼鏡外すと整った顔してんのがより分かりやすいから、こういう機会に見せびらかしてぇって気もあるんだよ」
「…………度し難い」
つい口元が緩んでしまうのを自覚する。
恋人としては妬くが、同じユニットの仲間としてはせっかくの機会を逃せないということか。
俺が鬼龍の衣装作りの腕前を誇らしく思うのと同時に、それが紅月だけでなく、他ユニットの衣装にも生かされることを、ほんの少しだけ面白くなく思うことと似ているのかも知れない。
他ユニットの衣装も手懸けることで鬼龍の評判、引いては紅月の評判もあがることがわかっていてもだ。
いくら恋仲であっても、アイドルとしての立場上、私情を優先させるなど有り得ない。
有り得ないが。
「撮影終了後、時間があるようならうちの蔵に寄れ。眼鏡を外したところを好きなだけ見せてやろう」
他者に見られることのない場所であれば話は別だ。
自室ではなく、防音を施してある蔵を口にした意味はこいつなら分かるだろう。
対外的に、いや、正確には家族に対して、紅月の誰かと蔵にいる時は、まだ公表出来ないユニットの活動についての話や練習をするときだから絶対に近寄らないよう告げてある。
だから、何をしようと他の誰にもわからない。
そう、何をしようともだ。
鬼龍が目を見開いたのは一瞬で、直ぐに笑みを浮かべた。
「なら、寄らせて貰うぜ。好きなだけっつったのはてめぇだってことを忘れんなよ」
「二言はない」
鬼龍の分の夕食も用意して貰うよう、母にメッセージを打ちながらそう返すと、旦那にゃ敵わねぇなという呟きが聞こえた。
Close
#紅敬
JINSのポスター撮影を想定したネタによる紅敬。
元ネタを2018年に書いて、2019年の蓮巳敬人WEB誕生日会『Listen to me!』用に電子書籍として纏めた中に『どちらも本心』のタイトルで収録したものです。
完成品ですが、電子書籍に収録済なのでpixivにはUPしません。
(サイトとピクブラには後で置く)※もう少し余裕が出来たらサイトのNovelに移動します。
国内有数の眼鏡メーカーからいくつかのユニットをイメージした眼鏡を発売したい、というオファーがあり、それに伴って各ユニットのリーダーが宣伝用のポスター等に使う写真を撮ることになった。
今回に関してはユニットを問わず、衣装は全て先方が用意してくれるとのことだったが、それを聞いた鬼龍がプロのスタイリストの仕事を見ておきたいから、自分も同席させて欲しいと言ってきた。
今回はステージ衣装とはコンセプトが違う。
鬼龍が見ても、今後生かせる機会があるかわからんだろうと思ったのだが。
「それぞれのユニットイメージやユニットリーダー本人に合わせて、スーツやインナーを選ぶんだろ? 題材がシンプルだからこそ、どんな風になるのかみてぇんだよな」
「なるほど」
紅月の衣装は一部の例外を除けば、鬼龍がほぼ一手に担っている。
衣装だけではなく、小道具やヘアメイクもこいつの手によるものだ。
今はステージ衣装が大半だが、今後メディアの露出が増えるのであれば、確かに今回のような仕事も増えるかもしれん。
そうなったとき、やはり出来るだけ自分で関わりたいというのもあるのだろう。
実際、鬼龍が手掛ける衣装は紅月の大きな武器の一つだ。
そういうことならば、と先方に許可を取って、鬼龍も一緒に撮影現場へ来ることになった。
元々知り合ったときに眼鏡をかけていた守沢はともかく、他の面々の眼鏡姿を見るのは新鮮だったし、それぞれに合わせたスーツは皆似合っていて、制服とはまた違った印象を抱かせたことで、鬼龍が見たいと言った理由が理解できる。
幾人かの撮影が終わって俺の番になり、いざ撮影を開始したものの、数回シャッターを切ったところでカメラマンからストップがかかった。
「ごめん。ちょっとストップ。うーん……蓮巳くん、普段から眼鏡だからかなぁ……どうにもこうしっくりこないというか、決め手に欠けるんだよねぇ。もうちょっと印象が普段と変わるようなのが欲しいんだけど。勿論、紅月や蓮巳くん自身のイメージは保つ感じで」
「普段と変わる、ですか」
そうは言われても、眼鏡は生涯の伴侶と決めているくらい俺の生活になくてはならないものだ。
根本的なイメージはそのままに印象を変えるというのも中々難題のように思える。
どうしたものか――と思案していたら、ずっと黙ってみていた鬼龍が口を挟んできた。
「だったら、逆に眼鏡を外しかけているところを撮るってのはどうっすか。普段から眼鏡してるのって撮影するメンバーだとこいつだけなんで、印象が変わるって意味じゃありだと思うんすけど。完全に外すんじゃなけりゃ、眼鏡もちゃんと一緒に写りますし」
「待て、鬼龍。貴様、俺が眼鏡を外すと全然見えないのを知っているだろう。カメラに目線を合わせられるか分からんぞ」
「俺がカメラの傍にいて声を掛けるから、声掛けた方向を見りゃいい。旦那耳いいから、声なら方向は正確にわかるだろ」
「ああ、なるほど! じゃ、それでちょっとやってみようか。蓮巳くん、眼鏡をちょっと顔から離す感じで……そうだな、モダンが耳に引っ掛かってるかどうかってくらいの離し方を試して貰えるかい」
せっかくの眼鏡の広告だというのに、肝心の眼鏡を外しかけるなどと――とは思ったが、物は試しだ。
「蓮巳。顔の位置はそのままで視線だけこっち寄越せ」
「こう、か?」
鬼龍の声がした方向に視線を向けるとシャッター音が続けざまにスタジオに鳴り響く。
「あー、これだ、これこれ! ちょっとこんな感じで数枚撮らせて貰うね。うん」
カメラマンの声が明るくなったのが伝わる。
どうやら、これで良かったらしい。そのままシャッターが立て続けにきられて、終了の声が上がった。
「はい、いいよ、お疲れさま! ほら、こんな感じになったけどどうかな?」
「これは……」
「いいじゃねぇか。やっぱり」
眼鏡を元通りに掛け、たった今撮ったばかりのデータを見せて貰ったが、自分の目から見ても先ほどに比べて印象がぐっと良くなっていた。
眼鏡も外しかけているとはいえ、存在感が薄くなっているわけではない。
「うん、どうなるかと思ったけど、こういう手があったね。そういえば、紅月って普段は衣装やヘアメイクは鬼龍くんがやっているんだっけ。紅月のメンバーを見せることを普段から考えているからかな。いい案出してくれてありがとう」
「いえ。お役に立てたならよかったっす」
「じゃ、蓮巳くんは休憩入ってくれるかな。えーっと、次は――」
次に撮影する者が呼ばれたところで、俺と鬼龍はスタジオを出た。
ごく自然に俺に着いてきたものだから、つい問いかける。
「ん? 貴様は撮影を見ていなくていいのか?」
「一番見たかった旦那は終わったし、撮影そのものよりゃ、衣装の合わせ方を見たかったからな。全員分の衣装はもうチェック出来たから俺もちょっと一息入れる。自販機で飲み物買って休憩だ」
「そうか。俺もそうしよう。買ったら控室まで戻るか」
スタジオ内は飲食禁止だし、何か飲むなら控室が無難だ。
控室は何人かで利用していたが、まだ誰も戻ってきてはいなかった。他の場所で休憩していたり、撮影中だったりなのだろう。
控室の椅子にそれぞれ座って、自販機で購入したばかりのお茶を飲んでいると、鬼龍が何かノートに書き付けていた。
「……今回の衣装についてのメモか」
「ああ。それと眼鏡のな。やっぱりプロの仕事だな。全体通して見ても誰かが飛び抜けて目立つわけでもねぇが、ちゃんとそれぞれの個性も引き立てている」
「なるほど、言われてみれば。今後の参考になったようで何よりだ」
鬼龍は紅月の衣装だけではなく、流星隊を始め他ユニットの衣装も作成することもあるし、その点を踏まえても良い経験だったのだろう。
ふと、鬼龍が俺の顔を――正確には目元あたりをじっと見つめている視線を感じた。
「? 何だ?」
「…………ま、個人的な感情としちゃ、蓮巳の旦那が眼鏡外したところは極力人に見せたくなかったけどな。仕事とありゃそうも言ってられねぇ」
「……何だ、妬いているのか」
先ほどの撮影で眼鏡を外すことを提案したのは当の鬼龍だというのに。
「てめぇが眼鏡外すところなんざ、俺だってそんなに見る機会ねぇからな。でも、旦那は眼鏡外すと整った顔してんのがより分かりやすいから、こういう機会に見せびらかしてぇって気もあるんだよ」
「…………度し難い」
つい口元が緩んでしまうのを自覚する。
恋人としては妬くが、同じユニットの仲間としてはせっかくの機会を逃せないということか。
俺が鬼龍の衣装作りの腕前を誇らしく思うのと同時に、それが紅月だけでなく、他ユニットの衣装にも生かされることを、ほんの少しだけ面白くなく思うことと似ているのかも知れない。
他ユニットの衣装も手懸けることで鬼龍の評判、引いては紅月の評判もあがることがわかっていてもだ。
いくら恋仲であっても、アイドルとしての立場上、私情を優先させるなど有り得ない。
有り得ないが。
「撮影終了後、時間があるようならうちの蔵に寄れ。眼鏡を外したところを好きなだけ見せてやろう」
他者に見られることのない場所であれば話は別だ。
自室ではなく、防音を施してある蔵を口にした意味はこいつなら分かるだろう。
対外的に、いや、正確には家族に対して、紅月の誰かと蔵にいる時は、まだ公表出来ないユニットの活動についての話や練習をするときだから絶対に近寄らないよう告げてある。
だから、何をしようと他の誰にもわからない。
そう、何をしようともだ。
鬼龍が目を見開いたのは一瞬で、直ぐに笑みを浮かべた。
「なら、寄らせて貰うぜ。好きなだけっつったのはてめぇだってことを忘れんなよ」
「二言はない」
鬼龍の分の夕食も用意して貰うよう、母にメッセージを打ちながらそう返すと、旦那にゃ敵わねぇなという呟きが聞こえた。
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#紅敬
渉英渉&零薫零の同軸リバ
ラブホでばったりあった二組のCPが同じ部屋でいたしちゃうやつの導入部分。
渉英渉が役割入れ替えて二戦目してるのに影響されて、零薫でしかしてなかった二人が逆転して薫零試すという同軸リバ。
「おぬしら、いつもそうやって変えて楽しんでいるのかえ?」
「ええ、そうですよ。英智が受け入れる側ばかりなのも負担が掛かりますからねぇ」
「それに入れ替えた時はまた違った反応が見られるのも楽しいんだよね。僕は渉に抱かれるのも、渉を抱くのも好きだよ」
「……そうか。男女と勝手が違うんだから、逆になってするっていうのもありなんだよね。なんで今まで思いつかなかったんだろ」
「か、薫くん?」
「…………攻めてみたいなぁ、零くん。まさか嫌だなんて言わないよね? 散々自分でしてきたことなんだしさ」
「い、言わぬが、それならそれで二人きりの時にしたいのう」
***
これ、ズ!!になるしばらく前に書いた物だったのでラブホにしたけど、今なら寮の部屋で藍良が不在の時とかでもありだなって思う。(藍良が可哀想すぎんか……)
Close
#渉英渉 #零薫零 #同軸リバ
ラブホでばったりあった二組のCPが同じ部屋でいたしちゃうやつの導入部分。
渉英渉が役割入れ替えて二戦目してるのに影響されて、零薫でしかしてなかった二人が逆転して薫零試すという同軸リバ。
「おぬしら、いつもそうやって変えて楽しんでいるのかえ?」
「ええ、そうですよ。英智が受け入れる側ばかりなのも負担が掛かりますからねぇ」
「それに入れ替えた時はまた違った反応が見られるのも楽しいんだよね。僕は渉に抱かれるのも、渉を抱くのも好きだよ」
「……そうか。男女と勝手が違うんだから、逆になってするっていうのもありなんだよね。なんで今まで思いつかなかったんだろ」
「か、薫くん?」
「…………攻めてみたいなぁ、零くん。まさか嫌だなんて言わないよね? 散々自分でしてきたことなんだしさ」
「い、言わぬが、それならそれで二人きりの時にしたいのう」
***
これ、ズ!!になるしばらく前に書いた物だったのでラブホにしたけど、今なら寮の部屋で藍良が不在の時とかでもありだなって思う。(藍良が可哀想すぎんか……)
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#渉英渉 #零薫零 #同軸リバ
かべうちに置いてたとこからの移動分。
Immorality of targetの続編冒頭部分。(堀みこ)
そこそこ構想纏まってはいるんだけど、手をつけられないまま数年経っている……。
Immorality of targetはこちら 。(リンク先自サイト)
「待てよ、親父! たまには最後まで話くらい聞いて――ああ、もう」
寝室で電話していた実琴のぼやく声が、リビングにいる俺の所まで聞こえてきた。
どうやら、また親父さんとちゃんと話が出来なかったらしい。
中々受け入れられねぇだろうなって覚悟はしてたが、本当に難攻不落って感じだ。
溜め息を吐きながらリビングに戻ってきた実琴は、疲労の表情を滲ませながらソファに腰掛けた。
「おう。何か飲むか?」
「ん……コーラまだあったっけ」
「あるんじゃねぇの。ほとんどおまえしか飲まねぇんだから」
言いながら冷蔵庫に向かって、やはりまだ残っていた未開封のコーラのペットボトルを取り出し、マグカップも二つ用意する。
それぞれに注いでから、一つの実琴の前に差し出して、もう一つは自分で飲み始めた。
「ほれ」
「ありがとう。って政行さんもコーラ飲むのかよ、珍しいな」
「この時間だからな。コーヒー飲んだら眠れねぇだろ」
時間は既に夜の十時を回っている。
カフェインレスのコーヒーもストックしてあるが、何となく今日の気分じゃなかった。
俺も実琴の隣に座って、何となくしょぼくれて見える背中を軽くぽんと叩く。
「今日も無理だったか」
「…………ごめん」
「おまえのせいじゃねぇだろ。長期戦になるのは覚悟してるさ」
弥生と離婚し、実琴と住むようになってからほぼ二年が経つ。
去年の春に買った指輪は、結局俺も実琴も着けて以降は人前で外すこともなく、すっかり身に馴染んだものになっていた。
政弥と実琴もすっかり仲良くなり、生活は概ね順調だったが、実琴の親御さんは相変わらず態度が軟化する気配はない。
いや、厳密に言えば親父さんの態度がというべきか。
Close
#堀みこ
Immorality of targetの続編冒頭部分。(堀みこ)
そこそこ構想纏まってはいるんだけど、手をつけられないまま数年経っている……。
Immorality of targetはこちら 。(リンク先自サイト)
「待てよ、親父! たまには最後まで話くらい聞いて――ああ、もう」
寝室で電話していた実琴のぼやく声が、リビングにいる俺の所まで聞こえてきた。
どうやら、また親父さんとちゃんと話が出来なかったらしい。
中々受け入れられねぇだろうなって覚悟はしてたが、本当に難攻不落って感じだ。
溜め息を吐きながらリビングに戻ってきた実琴は、疲労の表情を滲ませながらソファに腰掛けた。
「おう。何か飲むか?」
「ん……コーラまだあったっけ」
「あるんじゃねぇの。ほとんどおまえしか飲まねぇんだから」
言いながら冷蔵庫に向かって、やはりまだ残っていた未開封のコーラのペットボトルを取り出し、マグカップも二つ用意する。
それぞれに注いでから、一つの実琴の前に差し出して、もう一つは自分で飲み始めた。
「ほれ」
「ありがとう。って政行さんもコーラ飲むのかよ、珍しいな」
「この時間だからな。コーヒー飲んだら眠れねぇだろ」
時間は既に夜の十時を回っている。
カフェインレスのコーヒーもストックしてあるが、何となく今日の気分じゃなかった。
俺も実琴の隣に座って、何となくしょぼくれて見える背中を軽くぽんと叩く。
「今日も無理だったか」
「…………ごめん」
「おまえのせいじゃねぇだろ。長期戦になるのは覚悟してるさ」
弥生と離婚し、実琴と住むようになってからほぼ二年が経つ。
去年の春に買った指輪は、結局俺も実琴も着けて以降は人前で外すこともなく、すっかり身に馴染んだものになっていた。
政弥と実琴もすっかり仲良くなり、生活は概ね順調だったが、実琴の親御さんは相変わらず態度が軟化する気配はない。
いや、厳密に言えば親父さんの態度がというべきか。
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#堀みこ
FROM ANOTHER WORLDの蓮巳視点(一部)
紅敬本『FROM ANOTHER WORLD』で載せられなかった蓮巳視点から。
やっぱり両方の視点揃えた上で、紅♀敬♀の百合カップル側もいちゃいちゃさせたのを加えて改めたい……。
手が滑って、落としそうになったファイルを反射的に掴もうとした際にバランスを崩し、足が梯子から外れた。
「……っと、しまっ……」
「蓮巳!」
後ろに倒れ込んだのと、鬼龍が俺を呼んだ声が聞こえたのは同時だ。
床に身体が叩きつけられる前に背後から鬼龍の腕が伸びたのが分かったが、その直後、結局二人一緒に床に転がった。
なぜか、背中に弾力のあるクッションのような感触があったのもあり、怪我らしい怪我はせずに済んだようだ。
だが――この違和感は何だろう。
危機一髪を逃れたからなのか、それとも――。
「……ったく、あっぶねぇな。怪我したらどうすんだよ。普段、アイドルとしての自覚を持って行動しろって言ってるくせ、に……」
妙に鬼龍の声が高いように思えたのは気のせいか?
落ちた衝撃で一時的に耳でもおかしくなったか?
だが、それはさておき、怪我をせずに済んだのは鬼龍のおかげだ。
まずは礼をと振り向いて。
「ああ、すま……」
言葉が続けられなくなる。
鬼龍の顔には違いないはずだが、髪がかなり伸びており、いわゆるポニーテールという髪型になっていた。
それだけではない。胸には男ではありえない膨らみ、さらにいうならかなりのボリュームのものがある。
一体どういうことだ、これは。
落ちた時に気絶でもして夢でも見ているのかと思ったが、それにしては質感にリアリティがあり過ぎる。
驚きで頭が回らないが、驚いているのは鬼龍もらしい。
Close
#紅敬 #女体化
紅敬本『FROM ANOTHER WORLD』で載せられなかった蓮巳視点から。
やっぱり両方の視点揃えた上で、紅♀敬♀の百合カップル側もいちゃいちゃさせたのを加えて改めたい……。
手が滑って、落としそうになったファイルを反射的に掴もうとした際にバランスを崩し、足が梯子から外れた。
「……っと、しまっ……」
「蓮巳!」
後ろに倒れ込んだのと、鬼龍が俺を呼んだ声が聞こえたのは同時だ。
床に身体が叩きつけられる前に背後から鬼龍の腕が伸びたのが分かったが、その直後、結局二人一緒に床に転がった。
なぜか、背中に弾力のあるクッションのような感触があったのもあり、怪我らしい怪我はせずに済んだようだ。
だが――この違和感は何だろう。
危機一髪を逃れたからなのか、それとも――。
「……ったく、あっぶねぇな。怪我したらどうすんだよ。普段、アイドルとしての自覚を持って行動しろって言ってるくせ、に……」
妙に鬼龍の声が高いように思えたのは気のせいか?
落ちた衝撃で一時的に耳でもおかしくなったか?
だが、それはさておき、怪我をせずに済んだのは鬼龍のおかげだ。
まずは礼をと振り向いて。
「ああ、すま……」
言葉が続けられなくなる。
鬼龍の顔には違いないはずだが、髪がかなり伸びており、いわゆるポニーテールという髪型になっていた。
それだけではない。胸には男ではありえない膨らみ、さらにいうならかなりのボリュームのものがある。
一体どういうことだ、これは。
落ちた時に気絶でもして夢でも見ているのかと思ったが、それにしては質感にリアリティがあり過ぎる。
驚きで頭が回らないが、驚いているのは鬼龍もらしい。
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#紅敬 #女体化
新婚夫婦な紅敬♀(女体化)
確かTwitterで妊娠したら指輪を外して~ってツイートを見かけた時に走り書きしたネタだったはず。
※蓮巳♀妊娠直後。
鬼龍くんが身に付けている指輪を通したネックレスの指輪は母親の形見で、紅敬♀夫婦が結婚する際に指輪は妹の方に譲っているという妄想の元に。
「何か帰りに買ってきて欲しいもんはねぇか」
「……ああ、そうだ。昔、おまえがしていたようなチェーンネックレスを一つ頼めるか」
「ん? 構わねぇが……どうした」
「妊娠によって指がむくむこともあるし、もし何らかの事情で帝王切開の必要が出てきた場合に指輪をしたままだと、結婚指輪を切断してからの手術となってしまうんだそうだ。電気メスを使うのに感電の怖れがあるからと。だが、ただ外しておくのも心許ないし、せめて身近に置いておければと」
「あぁ、そういうことか。だったら前に俺の使ってたので良けりゃあるぜ? 妹に譲ったのは指輪だけだからよ」
「ああ、まだ持っていたのか。なら、それがいい」
(久し振りにチェーンの状態を確認)
「あー……チェーンがちっと変色しちまってるな。あとおまえ華奢だから、ごついかも知れねぇ」
「いや、やはりこれがいい。俺たち二人を守ってくれそうだからな」
「そうかよ。じゃあ指輪外してこっちに通すぜ」
Close
#紅敬 #女体化
確かTwitterで妊娠したら指輪を外して~ってツイートを見かけた時に走り書きしたネタだったはず。
※蓮巳♀妊娠直後。
鬼龍くんが身に付けている指輪を通したネックレスの指輪は母親の形見で、紅敬♀夫婦が結婚する際に指輪は妹の方に譲っているという妄想の元に。
「何か帰りに買ってきて欲しいもんはねぇか」
「……ああ、そうだ。昔、おまえがしていたようなチェーンネックレスを一つ頼めるか」
「ん? 構わねぇが……どうした」
「妊娠によって指がむくむこともあるし、もし何らかの事情で帝王切開の必要が出てきた場合に指輪をしたままだと、結婚指輪を切断してからの手術となってしまうんだそうだ。電気メスを使うのに感電の怖れがあるからと。だが、ただ外しておくのも心許ないし、せめて身近に置いておければと」
「あぁ、そういうことか。だったら前に俺の使ってたので良けりゃあるぜ? 妹に譲ったのは指輪だけだからよ」
「ああ、まだ持っていたのか。なら、それがいい」
(久し振りにチェーンの状態を確認)
「あー……チェーンがちっと変色しちまってるな。あとおまえ華奢だから、ごついかも知れねぇ」
「いや、やはりこれがいい。俺たち二人を守ってくれそうだからな」
「そうかよ。じゃあ指輪外してこっちに通すぜ」
Close
#紅敬 #女体化
紅月のアルバム、初回限定生産盤オーディオコメンタリーからの勝手な紅敬妄想。
見えないところで紅敬がこんなんやりとりしてたら楽しいなと(私が)
もうちょっと長くして話にしたいなと思ったけど、これはこれで纏まってる気がしないでもない。
アルバム発売に伴って、初回限定生産盤にはオーディオコメンタリーも収録したいって話だったから、歌の収録終了後に改めてそれを録ることになった。
各自がファンへの感謝も含みつつ、紅月で一押しの曲について思い入れを語るってテーマで、まずは紅月のリーダーである蓮巳の旦那から話し始めたが、普段から旦那は語り始めると長ぇところがあるから、ちょっと様子を窺っていたが案の定だ。
肝心の一押しの曲を挙げる前に、それまでの曲を懐かしんだり、曲としての味が増すよう育てていけたらなんて話始めちまった。
これはこれで蓮巳らしいコメントだが、生憎とオーディオコメンタリーに使える時間は限られている。後でコメントのバックに流すらしい『薄紅色の約束』に合わせてだから、三人全員でも四分足らず。
俺の声が入んねぇように唇だけで「旦那」と呼んで、巻いてけって意味で指先をくるくる回すと、俺の意図に気付いた旦那が一瞬ハッとしたが、すぐに話を一押しの曲へと戻した。
何だかんだ、最後にゃ予定していた時間に帳尻をきっちりと合わせてきたあたりはさすがだ。
話し終わって、どうだと言わんばかりに得意げな笑みを浮かべた旦那に、俺もちょっとだけ笑ってコメントを引き継いだ。
Close
#紅敬
見えないところで紅敬がこんなんやりとりしてたら楽しいなと(私が)
もうちょっと長くして話にしたいなと思ったけど、これはこれで纏まってる気がしないでもない。
アルバム発売に伴って、初回限定生産盤にはオーディオコメンタリーも収録したいって話だったから、歌の収録終了後に改めてそれを録ることになった。
各自がファンへの感謝も含みつつ、紅月で一押しの曲について思い入れを語るってテーマで、まずは紅月のリーダーである蓮巳の旦那から話し始めたが、普段から旦那は語り始めると長ぇところがあるから、ちょっと様子を窺っていたが案の定だ。
肝心の一押しの曲を挙げる前に、それまでの曲を懐かしんだり、曲としての味が増すよう育てていけたらなんて話始めちまった。
これはこれで蓮巳らしいコメントだが、生憎とオーディオコメンタリーに使える時間は限られている。後でコメントのバックに流すらしい『薄紅色の約束』に合わせてだから、三人全員でも四分足らず。
俺の声が入んねぇように唇だけで「旦那」と呼んで、巻いてけって意味で指先をくるくる回すと、俺の意図に気付いた旦那が一瞬ハッとしたが、すぐに話を一押しの曲へと戻した。
何だかんだ、最後にゃ予定していた時間に帳尻をきっちりと合わせてきたあたりはさすがだ。
話し終わって、どうだと言わんばかりに得意げな笑みを浮かべた旦那に、俺もちょっとだけ笑ってコメントを引き継いだ。
Close
#紅敬
ご当地グルメ紅敬(スパカツ)
ご当地グルメ紅敬企画に出し損ねたものだけど、企画元的にも今更出しにくさもあるので、どうしたものか。
台所から聞こえてくる物音で目が覚めた。
まだベッドから出たくない気分とのし掛かる気怠さをどうにか押しやって、ベッドサイドに寄せてあるチェストに手を伸ばし、置いてあった眼鏡を取って掛け、そのまま直ぐ横に置いてあったスマホで時間を確認すると、時間は午前十一時を回ったところ。
想定以上に遅い時間だった現実を受け止めるのにしばし掛かったが、時間を再確認し慌てて身体を起こす。
いくら、久々の休みとはいえど、まさかこんな時間まで自分が眠ってしまっていたとは思わなかった。
ただ、寝坊の理由として心当たりは十分過ぎるほどにある。
紅月は先月末まで、全国をライブツアーで回っていた。
それに伴う後処理やら、ライブ映像等の確認やらでようやく落ち着いたのが昨日。
忙しさが一番の原因だったが、ツアー、そして後処理が一段落するまでは、と性的な接触は控えめにしていたのだが、今日、明日が完全にオフということで昨晩は箍が外れたようにお互いに貪りあった。
意識が沈む前にカーテンの隙間から朝日が覗いていたぐらいだから、眠りについたのは確かに遅かった。
寝坊はそのせいだ。正当化するわけではないが、久し振りの休日なのだしこういうこともあるだろう。
台所の物音は鬼龍が朝食、いやもう時間的に昼食というべきだろうか。
その用意をしているのだろう。
俺も簡単に身支度を調え、台所に向かったところ、直ぐに俺に気付いた鬼龍が声を掛けてきた。
「おう、おはようさん、旦那。身体大丈夫か?」
「ああ、おはよう。大丈夫だ。ん? これから作るところということは、おまえも起きてからそんなに経ってないのか」
鬼龍は冷蔵庫からいくつか食材をとりだしているところで、まだ調理そのものは手付かずだった。
それなら、俺も一緒に作れる。
「俺も起きたのはついさっきだ。ちょうどいい。起きて来たなら、旦那も作るの手伝ってくれ」
「無論そのつもりだ。ん? 随分と色々出しているな。一体何を作るつもりだ?」
食材もだが、調理器具もテーブルに色々と並べられている。
パスタとそれ用の鍋はともかく、揚げ物の準備もしているあたり、俺が知っているレシピからのものではなさそうだ。
「ツアーで北海道行ったときに食ったスパカツ作ってみようと思ってよ。昨日、散々動いた分の回復にも良さそうだし」
「あれか。かえって胃がもたれそうだが……ああ、でも自分たちで作るなら量も調整出来るか」
今回のツアーは紅月にとっては過去最大規模のもので、全部で20近くの都市を回った。
当然、それまでのツアーで訪れたことのない都市もいくつか含まれる。
北海道は道東の主要都市、釧路もその一つだ。
前日入りして、駅周辺に多いという居酒屋をすすめられたものの、翌日にライブを控えている状態であまり飲む気にもなれず、ならばと地元の老舗洋食店を紹介され、そこで食べたのがスパカツだった。
――すぱかつ? すうぱあなさいずのかつということであろうか?
――いや、スパカツのスパはスーパーじゃなくて、スパゲッティのスパらしい。ボリュームが結構あるという話だ。
――スパゲッティの上にカツが乗っかってるらしいな。で、さらにミートソースがたっぷり掛かってる。でもって、ポイントは鉄板の上にそれらが乗ってるってとこにあるみたいだぜ。
(中略)
「料理の構成としちゃオーソドックスなもんの組み合わせだったから、それっぽいのを作りやすいんじゃねぇかってな。ただ、問題がある。皿がなぁ……」
「うん? 鉄板を使ったステーキ皿なら一応あるだろう?」
「ああ、それは分かってる。ただ、コンロが足りねぇんだよ。カツを揚げる、ソースを作る、パスタを茹でる、まではともかく、鉄板を温めるまでは足りねぇんだよな」
「あ」
このマンションのコンロは三口だ。
普段ならそれで十分な数だが、確かに全て出来たてでやろうと思うと足りなくなる。
構成はシンプルだが、なるほど。手間は予想以上に掛かりそうだ。
鬼龍が作りたくなったのも休みの日だからというのもあるだろう。
「ならば、大雑把になってしまうがステーキ皿代わりにホットプレートを使うのはどうだ? パスタが茹で上がる少し前から電源を入れておいて温め、出来たものを投入していけば熱々の状態で楽しめるんじゃないか」
「なるほどな。二人で食うんだしそんでもいいか。蓮巳、パスタとミートソース作り任せていいか?」
「ああ。揚げ物は集中した方が無難だろう。ミートソースはいつものレシピでいいのか?」
うちで使っているミートソースは鬼龍が元々実家にいた頃に使っていたレシピをそのまま流用していた。
料理本に載っていたレシピで、作る時は何度か使えるように大量に作っている。
ツアーで家を空けがちだったのもあって、今はミートソースのストックもない。
「んー、いつものウスターソースをとんかつソースに変更してみてくれねぇか? あと、おろし生姜とデミグラスソースもちょっと足す。多分その方が近い味になりそうだ」
「ということは、味見してデミグラスの量を調整する感じか」
「おう、それで頼む」
パスタを茹でるための湯を深鍋で沸かしながら、ミートソースの準備も始める。
鬼龍の家のレシピだったが、俺も何度か作ったことはあるから、もう作り方は頭の中に入っている。
問題は味の調整だ。
(以下略。いつか完成させたいとは思っている)
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#紅敬
ご当地グルメ紅敬企画に出し損ねたものだけど、企画元的にも今更出しにくさもあるので、どうしたものか。
台所から聞こえてくる物音で目が覚めた。
まだベッドから出たくない気分とのし掛かる気怠さをどうにか押しやって、ベッドサイドに寄せてあるチェストに手を伸ばし、置いてあった眼鏡を取って掛け、そのまま直ぐ横に置いてあったスマホで時間を確認すると、時間は午前十一時を回ったところ。
想定以上に遅い時間だった現実を受け止めるのにしばし掛かったが、時間を再確認し慌てて身体を起こす。
いくら、久々の休みとはいえど、まさかこんな時間まで自分が眠ってしまっていたとは思わなかった。
ただ、寝坊の理由として心当たりは十分過ぎるほどにある。
紅月は先月末まで、全国をライブツアーで回っていた。
それに伴う後処理やら、ライブ映像等の確認やらでようやく落ち着いたのが昨日。
忙しさが一番の原因だったが、ツアー、そして後処理が一段落するまでは、と性的な接触は控えめにしていたのだが、今日、明日が完全にオフということで昨晩は箍が外れたようにお互いに貪りあった。
意識が沈む前にカーテンの隙間から朝日が覗いていたぐらいだから、眠りについたのは確かに遅かった。
寝坊はそのせいだ。正当化するわけではないが、久し振りの休日なのだしこういうこともあるだろう。
台所の物音は鬼龍が朝食、いやもう時間的に昼食というべきだろうか。
その用意をしているのだろう。
俺も簡単に身支度を調え、台所に向かったところ、直ぐに俺に気付いた鬼龍が声を掛けてきた。
「おう、おはようさん、旦那。身体大丈夫か?」
「ああ、おはよう。大丈夫だ。ん? これから作るところということは、おまえも起きてからそんなに経ってないのか」
鬼龍は冷蔵庫からいくつか食材をとりだしているところで、まだ調理そのものは手付かずだった。
それなら、俺も一緒に作れる。
「俺も起きたのはついさっきだ。ちょうどいい。起きて来たなら、旦那も作るの手伝ってくれ」
「無論そのつもりだ。ん? 随分と色々出しているな。一体何を作るつもりだ?」
食材もだが、調理器具もテーブルに色々と並べられている。
パスタとそれ用の鍋はともかく、揚げ物の準備もしているあたり、俺が知っているレシピからのものではなさそうだ。
「ツアーで北海道行ったときに食ったスパカツ作ってみようと思ってよ。昨日、散々動いた分の回復にも良さそうだし」
「あれか。かえって胃がもたれそうだが……ああ、でも自分たちで作るなら量も調整出来るか」
今回のツアーは紅月にとっては過去最大規模のもので、全部で20近くの都市を回った。
当然、それまでのツアーで訪れたことのない都市もいくつか含まれる。
北海道は道東の主要都市、釧路もその一つだ。
前日入りして、駅周辺に多いという居酒屋をすすめられたものの、翌日にライブを控えている状態であまり飲む気にもなれず、ならばと地元の老舗洋食店を紹介され、そこで食べたのがスパカツだった。
――すぱかつ? すうぱあなさいずのかつということであろうか?
――いや、スパカツのスパはスーパーじゃなくて、スパゲッティのスパらしい。ボリュームが結構あるという話だ。
――スパゲッティの上にカツが乗っかってるらしいな。で、さらにミートソースがたっぷり掛かってる。でもって、ポイントは鉄板の上にそれらが乗ってるってとこにあるみたいだぜ。
(中略)
「料理の構成としちゃオーソドックスなもんの組み合わせだったから、それっぽいのを作りやすいんじゃねぇかってな。ただ、問題がある。皿がなぁ……」
「うん? 鉄板を使ったステーキ皿なら一応あるだろう?」
「ああ、それは分かってる。ただ、コンロが足りねぇんだよ。カツを揚げる、ソースを作る、パスタを茹でる、まではともかく、鉄板を温めるまでは足りねぇんだよな」
「あ」
このマンションのコンロは三口だ。
普段ならそれで十分な数だが、確かに全て出来たてでやろうと思うと足りなくなる。
構成はシンプルだが、なるほど。手間は予想以上に掛かりそうだ。
鬼龍が作りたくなったのも休みの日だからというのもあるだろう。
「ならば、大雑把になってしまうがステーキ皿代わりにホットプレートを使うのはどうだ? パスタが茹で上がる少し前から電源を入れておいて温め、出来たものを投入していけば熱々の状態で楽しめるんじゃないか」
「なるほどな。二人で食うんだしそんでもいいか。蓮巳、パスタとミートソース作り任せていいか?」
「ああ。揚げ物は集中した方が無難だろう。ミートソースはいつものレシピでいいのか?」
うちで使っているミートソースは鬼龍が元々実家にいた頃に使っていたレシピをそのまま流用していた。
料理本に載っていたレシピで、作る時は何度か使えるように大量に作っている。
ツアーで家を空けがちだったのもあって、今はミートソースのストックもない。
「んー、いつものウスターソースをとんかつソースに変更してみてくれねぇか? あと、おろし生姜とデミグラスソースもちょっと足す。多分その方が近い味になりそうだ」
「ということは、味見してデミグラスの量を調整する感じか」
「おう、それで頼む」
パスタを茹でるための湯を深鍋で沸かしながら、ミートソースの準備も始める。
鬼龍の家のレシピだったが、俺も何度か作ったことはあるから、もう作り方は頭の中に入っている。
問題は味の調整だ。
(以下略。いつか完成させたいとは思っている)
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#紅敬