避難所 短編・書きかけ置き場

2020年9月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

Would you like to marry me?

※ブラッドが先天性女体化。つきあってる前提のキスブラ♀。
ブラッドから結婚を持ちかける話。
今となってはやや解釈違いの箇所があるので、ちょっとあちこち変わると思う。

[Keith's Side]

『仕事が片付いた。一時間後にはそちらに着く』

ブラッドからそんなメッセージが届いてから、既に一時間と二十分が経とうとしてた。
少しでも予定の時間から遅れる時には、先にそれを知らせてくるブラッドにしては珍しく、まだ遅れるという連絡が入っていない。
ブラッドはマメというか、オレからすると少し過剰なくらいに連絡を寄越してくる傾向があるから、こうなると何かあったんじゃねぇかと心配になる。
もうちょっと待ってみても連絡がないようなら、こっちから電話してみるか。

明日は久し振りに二人揃ってオフだったから、今日はオレの自宅で泊まろうってことになっていた。
ブラッドはメンターリーダーって立場もあるから、基本的にオレよりもこなさなきゃならない仕事の量が多い。
今日もオレの方の仕事が終わっても、ブラッドはまだ仕事が残ってるってことで、ヤツの方は仕事が終わり次第ここに来ることになっていた。
ブラッドを待ってる間、どうにも手持ち無沙汰だし、一本くらい飲んじまいたいところだが、ブラッドに今夜は絶対に飲むなって言われてるしなぁ。
まぁ、オレとしても、久々に二人きりで過ごせるってタイミングで、アイツの小言をわざわざ聞く気にもならねぇ。
どうしたもんかと思ってると、インターホンから来客を告げるチャイムが鳴った。
時間を考えても十中八九ブラッドだ。
この家の合い鍵はとうの昔に渡してあるが、妙なところで律儀なもんだから、オレが家にいるとわかっている時は鍵を使わない。気にしなくていいのにな。
今更気を遣う間柄じゃないなんて口では言いながら、気遣うのがブラッドだ。
インターホンに出るより先に玄関に行って鍵を開けると、予想通りの相手がいた。

「おう。遅かったな。おかえり」
「待たせてすまない。ここに向かっている最中に面倒な電話に捕まってな。上がるぞ」
「お? おう……ってどうしたよ、お前」

ブラッドが俺の手を引いて、どんどん部屋の奥へと進んでいく。
進むに任せていたら、突き当たった先はベッドだった。
不意に腕を強く引かれ、予想してなかった動きにバランスを崩してベッドの上に転がされる。
起き上がるよりも、ブラッドがオレの上に覆い被さってくる方が早かった。
日に当たると綺麗な紫がかったような色合いになる黒髪がばさりとオレの胸の上に掛かる。

「おわっ!?」
「既成事実を作りたい」
「…………は?」

一瞬、言われた意味を理解出来なくて、間抜けな声を出してしまう。
既成事実? ブラッドとオレが付き合っていること自体は第十三期の研修チーム始め、周りの連中はとっくに把握してる。
ってことは、この言葉が指す意味は。

「わからなければ、もっと直接的な表現をした方がいいか? 子作りに協力しろという話だ」
「………………あ?」

多分、出した声はさっきよりさらに間抜けなものだっただろう。
いくらブラッドと付き合ってそこそこの年月が経って、とっくにその体で知らない場所なんざ残ってないっつっても、この展開に思考が追いついてこない。

「子が出来てしまえば、くだらん縁談なんぞも持ち込まれずに済む」
「おい」
「今日は恐らく排卵日だ。上手くいけば今夜でどうにかなる」
「ブラッド、待て」
「お前は何もしなくていい。私がや……」
「待てっつってんだろ、話を聞け、落ち着け!」

俺の着ていたシャツのボタンを外し、今にもオレのスラックスのファスナーを下ろそうとしていたブラッドの手を掴んで止めて――気付いた。
ブラッドからはいつもの石鹸の匂いだけでなく、微かだが酒の匂いがする。頬と耳も少し赤く染まっていた。
ブラッドが自分から飲むようなことはほとんどない。
確かに明日はオフだから飲む可能性は普段に比べりゃあるが、今日のブラッドに飲み会の予定は入ってなかったはずだし、オレに飲むなって言っておいて自分だけが飲むなんてことも余程の理由がなけりゃしない。
っていうことは。

「……面倒な電話ってのは親父さんか?」

それを理由に飲んで勢いつけたってことぐらいしか考えられない。
そして、ブラッドはオレの言葉に頷くと、溜め息を吐きながらオレの肩に頭を預けてきた。

「そうだ。交際相手ならいると、もう何度も断っているのに聞きやしない」
「……まぁ……なぁ」

オレたちはもう二十八だ。
二十八と言えば、オレたちがルーキーとしてジェイのメンティーになった時のジェイがその位の歳だったし、ちょうど息子が生まれたばかりって頃合いだったのを考えれば、縁談は沸いて当然っちゃ当然だ。
いくらブラッドが都度断りを入れてたとしてもキリがねぇんだろうな。
多分、オレの知らないところで、もっと話を持ち込まれているだろう。
何しろブラッドは名門ビームス家の生まれで親は外交官、家庭教師や使用人なんかに囲まれて裕福に育ったご令嬢って立場だ。
かたや、こっちは貧乏の出。平気で身内に暴力を振るうようなろくでなしの親父と、それに愛想を尽かして蒸発した母親持ちと来た。
俺自身もアカデミーに入る前には、警察の世話になったり、ストリートキッズの収容施設にぶち込まれたりなんかしてる。
いくら、ブラッドとは同期でメジャーヒーローって肩書きがあっても、真っ当な親ならちょっと調べりゃ付き合い、ましてや結婚に良い顔はしねぇだろうってことは容易に察しがつく。
察しがつくからこそ、俺も中々この先の一歩が踏み切れずにいる。

(中略)

「キース。……下も脱ぎたい。汚してしまう」
「じゃ、脱がすぞ。…………お、なるほどな」
「…………っ」

黒のパンツのファスナーを下ろし、膝の辺りまで脱がす。
形のいい脚の奥で下着がすっかり濡れて、性器に貼り付き形を露わにしていた。勃ってるクリトリスの位置までハッキリとわかる。
下着の上から撫でると、布地に染みこんだ蜜が指を濡らした。
脱がしたパンツの方はともかく、下着は完全に手遅れだ。
指先に少しだけ力を入れて、クリの付け根あたりを引っ掻くように擽ったら、ブラッドがびくりと体を震わせた。

「ん……っ」
「凄ぇな。今触るまで、こっち全然触ってなかったのに」
「……悪い、か」
「悪いわけねぇだろ。オレが嬉しいだけだ」
「……あっ、うあっ!」

自分の女が自らの手によって興奮し、感じてるのがわかって嬉しくない男がいるかよ。
クロッチの部分から指を中に入れ、直接割れ目の部分を触って、膣口から蜜を掬うと包皮越しにクリを刺激した。
下から上へと緩く指を滑らす。

「中途……っ、半端に脱がせたまま、触……んん!」
「悪ぃ。反応可愛くてつい続けちまった。……ちゃんと脱がすから、ここ舐めていいか?」
「…………私にも口でさせてくれる、なら」

ブラッドがスラックスごしにオレのモノを触る。
とっくに勃っていたが、伝わる手の温もりにそこがさらに熱くなるのが分かった。
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#キスブラ #女体化 #R18 #書きかけ

Daybreak(仮題)

第10期生として入所する直前のキスブラ。
サブスタンス接種時の副作用が酷いキースの話。
まだ長くなりそうなので冒頭部分だけ。
体の関係はアカデミー時代からある状態。
サブスタンス接種で体調不良のキースを看病するブラッド→復活後模擬戦でヒーロー能力を試す二人→時間切れで模擬戦中断。燻っている衝動からセックス
って感じになる予定。

[Keith's Side]

気付いた時にはフローリングの床の上。
頭を起こそうとしたが、途端に割れるような痛みが走って、結局少しだけ頭の位置をずらして終わった。
床から伝わる冷たさは火照った顔には心地良いが、固さのせいで体の節々が痛い。
いや、痛いのは熱のせいもあるか。
意識をなくす前の部屋は暗かったが、今はカーテンの隙間から零れた日光から察するに、夜が明けてからそれなりの時間が経っているんだろう。

「うえ……今何時、だ」

手探りで周囲を探ってみるも、触れる範囲にスマホらしきものはない。
腕時計も確かテーブルの上だ。
時間を確認しようにも、頭を上げるしんどさを思うと踏み切れない。
寝る前から酷かった頭痛は、さらに悪化しているように思えた。

「くそ……風邪と大差ねぇって話じゃ……なかったのかよ」

元々、体が頑丈なのが取り柄で、風邪もほとんど引いた覚えはないが、それでもこれは――いや、だからこそか。
体調を崩すなんてことが滅多にねぇからこそ、今の状態がかなりこたえているのかも知れねぇ。
第十期ルーキーの入所式まであと数日。
配属される前にヒーロー能力を得るために、つい先日サブスタンスを接種した。
サブスタンスの接種に伴う副作用からくる体調不良は、大抵は一日か二日、長くても三、四日程で収まると聞いていた。
稀に一週間ほどかかるケースもあるようだが、滅多にあるもんじゃないらしい。
だから、その日数ならどうにか一人で乗り切れるだろうって思っていた。
オレの日にちの感覚が間違っていなきゃ、今日で接種してから四日目。
昨日だか一昨日だかに測った時の熱は39℃を超えていた。
今日はまだ測っちゃいねぇが、この感覚じゃ大して下がってねぇだろう。
初日の夕方までは余裕だった。多少の体の怠さはあっても、体温も微熱程度だったから高を括っていた。
一転したのは夕食にデリバリーで頼んだピザを受け取ったときだ。
デリバリーが到着する前から胃が少しムカムカするとは思っていたが、チーズの匂いで吐くとは思わなかった。
当然、ピザは食ってねぇから、不調はサブスタンスの投与によるものだとはすぐ分かったが、そこからがヤバかった。
坂道を転がり落ちるように体調が悪化して、ベッドとトイレを往復するので精一杯。
挙げ句、冷蔵庫のスポーツドリンクを取ろうとしたはいいものの、スポーツドリンクを取りだし、ベッドに戻ろうとしたところで――力尽きて床に頽れ、今に至る。
スポーツドリンクのペットボトルは手が届く位置にある。
せめて、水分だけでも摂らないとマズいと分かっていても、酷い頭痛で頭を上げる気にならねぇ。
喉は渇いているんだが、その為に動くのがまずしんどい。
せめて、ベッドには戻りたいが、体起こすって段階がまずキツい。

「参ったな……こりゃ」

仮に最長の一週間でこの症状が収まるとしたら、あと三日。
ようやく折り返しを過ぎたとこだとすれば先はまだ長い。
くそ……体力落ちそうだな。
サブスタンスが体に馴染んじまえば、今度は回復が通常よりも早くなるって話だから、回復した後にトレーニング増やして、体力を取り戻すしかねぇだろう。

「…………?」

ふと、玄関の方から何か物音が聞こえた気がした。
続いて、人の気配と足音がこっちに近付いてくる。
おいおい、強盗とか勘弁してくれよ。
普段ならともかく、今の調子じゃまともにやり合えそうにねぇってのに――。

「キース!」
「ん…………」

聞き覚えのある声が近いと思ったところで、うつ伏せだった体をひっくり返されて支えられた。
ぐらりと視界が揺れたのに続いて、額に手が当てられる。
手が避けられ間近にあった顔は、この数年アカデミーで嫌というほど日常的に見ていたそれで。

「っ……ブラッ……ド…………?」
「ああ」
「おま……なん、で、ここ……に」
「お前がメッセージも読まず、電話にも出なかったから、何かあったのかと思って来てみた。玄関の鍵は開いていたからそのまま入らせて貰った」
「あ……あー……デリバリーでピザ、頼んだ、とき……閉め損ねた、か」

ピザを受け取ったものの、漂ってくるチーズの匂いに吐き気がして、デリバリーの配達員が玄関の扉を閉めた途端、トイレに直行して吐いたのを思い出す。
そうだ、あの時は玄関の鍵まで閉める余裕がなかったんだったっけ。

「サブスタンス接種の影響がまだ抜けていないのか。熱は測ったか?」
「昨日……いや、一昨日、か? 測ったけど、その後はわかんねぇ……」
「なぜ、タワーに行かなかった。サブスタンスの投与による副作用が酷い場合は、タワーの医務室に行けと指示があったはずだ」
「……めんど……くさかったんだよ……。どうせ、薬使えねぇし、長くて三、四日で収まるって話、だったろ……」

サブスタンスを接種した直後は、体にヒーロー能力が馴染むまで原則として薬の類を使えない。
状態が安定するまでは、医務室に行ったところで精々栄養剤を点滴して貰う位しか出来ねぇ。
今の状況を考えると、まだその方がマシだっただろうが、正直吐いた時にはタワーまで行こうという気になれなかった。
この家からタワーまではタクシーを使っても二、三十分はかかる。
移動中にまた吐くかもしれねぇと思うと躊躇われた。

「最長で一週間の可能性があるとも聞いてるだろう。……いや、今言っても仕方ないな。食事は」
「……吐いちまってから……食ってねぇ……」
「水分……は、これを摂ろうとしていたのか」

オレの近くに転がってたスポーツドリンクを見つけて、ブラッドが手にしたのが見えた。

「そ……。冷蔵庫から取り出したとこで……しんどくて床に突っ伏しちまったけど、な…………んぐ……」

ブラッドがオレの頭を支えていた腕を少し上げようとしたところで、また頭に激しい痛みが走る。
表情に出ちまったのか、ブラッドがそこからオレの頭の位置を上げるのをやめた。

「開封……はしていないな。なら、常温の方がいいか。キース。口を開けろ」
「ん…………んっ!?」

ブラッドが片腕でオレの頭を支えたまま、空いている方の腕と歯を使って、スポーツドリンクのペットボトルの蓋をこじ開ける。
そのまま飲ませてくれるのかと思ったら、ブラッドがスポーツドリンクを口に含み……それをオレに口移ししてきた。
ブラッドの口内の温度も移した、生温いスポーツドリンクが喉を滑り落ちていく。
流石にブラッドが二口目をオレに飲ませようとしたところで、一旦止める。

「ちょ……お……前、俺、風呂……どころか、歯さえ、まともに磨いて、な……」

吐いた直後に水とお茶で口を濯いだがそれで精一杯だったし、それからも日にちが経っている。
いくら、ブラッドとキスやセックスをするような関係とは言っても、今の状態で口移しなんてのは気が引ける。
ブラッドは結構綺麗好きなのも知っているから尚更だ。

「そのぐらいは察している。……今は頭を上げるのも辛いのだろう。構わんから、これでまずは水分を取れ。ほら」
「…………」

反論したかったが、結局それもしんどくてブラッドに言われるがままに、幾度か口移しでスポーツドリンクを飲ませて貰う。
ある程度の量を飲むと、全身の熱っぽさが少し和らぎ、意識もさっきまでに比べてハッキリしてきた。
恐る恐る上半身を起こすと、ブラッドが支えてくれていたのもあってか、動いてもさっきほどの頭痛はなかったことにほっとする。

「……ちょっとマシに……なった。サンキュ……」
「肩を貸そう。ベッドまで動けるか」
「ああ……っと」
「足元に気をつけろ」
「ん……」

ブラッドの肩を借りて、重い足を引きずり、どうにかベッドまで歩く。
十数歩しかないはずの距離がやけに遠く感じ、自分の不調っぷりを嫌でも自覚させられた。
寝かせて貰ったところで、枕元に置いてあった体温計を渡され、脇に突っ込んで測る。
数秒で計測が終わった事を知らせる音が鳴り、取り出そうとしたがブラッドが引き抜く方が早かった。

「……38.8℃」

ブラッドが曇った表情で体温計に表示された温度を読み上げる。

「あー……まだそんなあんの……かよ。どうりで熱い、わけだ……」
「『まだ』? これより熱が高かったのか」
「前測った時は……39℃……超えて、た」

それを考えれば少しは熱が下がったとはいえ、とても改善したとは言い難い。

「……悪いが、勝手に色々使わせて貰うぞ」
「ん? ああ……」

ブラッドがベッドから離れて、冷蔵庫から氷を取り出し、キッチンで何やらごそごそとやり始めた。
かと思えば、そうしないうちに氷の入ったポリ袋いくつかとタオルを抱えて戻ってくる。
ああ、そういや、アカデミーの寮からここに引っ越す時、コイツにも手伝って貰ってたんだった。
多分、その時に物の置き場所を何となく覚えてたりしてたんだろう、妙に記憶力良いよなコイツとぼんやり思っていたら、布団を剥がされる。

「首と脇と鼠蹊部を冷やす。少しは楽になるはずだ」
「あー……頼む」

首の両側、両脇、続いて鼠蹊部へと氷の入ったポリ袋にタオルを巻いたものが置かれていく。
冷やされたそれぞれの場所から、じわじわと冷えた血が流れていくのが分かった。
布団が再び掛けられ、一旦、ブラッドがまた台所に行ったかと思えば、直ぐ戻ってきて、今度は額に濡れたタオルが置かれる。

「うお……気持ち……い……」
「そのまま少し寝てろ。今、食えそうなものを用意する」
「悪ぃ……」

冷やすことで体の灼熱感が和らいだからなのか、急に眠気が襲ってきた。
台所から聞こえてきた物音も不快なものではなく、むしろ安心感さえある。
多分、ブラッドが良いタイミングで起こしてくれるだろうと、眠気に任せて目を閉じた。
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#キスブラ #書きかけ

キスブラで模擬戦

ヒーロー能力を無効にされた場合も考えて、体術面も鍛えておこうという流れになり、南&西での合同演習で、キスブラが模擬戦する話。
バトルシーン難しいので、いつになるのか……。
あと、人数そこそこいるので、三人称で書きたい話。

(ヒーロー能力を無効化された場合のことを考え、トレーニングルームを一時能力を使えないように施した後、体術の手本を見せるという流れ)

「キース」
「ん?」
「出ろ。俺とお前とで模擬戦をやるぞ」
「ええ……お前相手だと手ぇ抜けねぇからめんどくさ……」
「貴様、先程俺が説明した内容を聞いていたか。たまには真っ当にルーキーたちの手本になるんだな」
「オスカーとやりゃいいじゃねぇか」
「何の為の合同演習だと思っている。……お前がそういうつもりなら」

(他の人には聞こえないようにブラッドがキースに耳打ちすると、キースの顔色が変わる)

「やっ、やめろ、それだけは! わかった、やる。やるから勘弁してくれ!」
「わかればいい」
「……ったく、この暴君が。つか、やっぱりフェイスとお前兄弟だな。そっくりだ」
「「は?」」

(ブラッドとフェイスが揃って首を傾げる)
(ダイナーイベでフェイスがキースに伏せ字で何やら言ったあの流れをキースは示しているという想定)

「で? 時間はどうすんだ?」
「そうだな、二十分で行こう。オスカー。時間の計測、あと開始と終了の合図を頼む」
「イエッサー」

(いざ、模擬戦開始。当初はジュニアが五分はもてよ、クソメンター!などと囃していたが途中で状況に無言になる)

「ブラッドが……少し押されてる……?」
「凄ぇ……何だあれ」
「……ねぇ、オスカー。もしかしてヒーロー能力なくてもキースって強いの」
「かなり。体術に関して言えば、現役のヒーローでは一番かもしれません」
「はぁ!? マジかよ」
「アカデミーの頃から右に出るものがいないくらいだったとか。俺は体術でキースさんにまだ勝てたことがありませんし、ブラッドさまも五回に一回勝てるかどうかだと」
「うっそだろ……」
「伊達にメジャーヒーローじゃないってことか……」

(模擬戦終了。結果は引き分け)

「くっそ、結局引き分けかよ」
「……あと、五分長ければ恐らく俺が負けた」
「たらればなんて意味がねぇよ……って、ジュニア? どうし……」

(ジュニアがキースの胸ぐら掴みながら文句を言い始める)

「こ…………っの、クソメンター! お前、あんだけ動けるんならなんで普段からやんねーんだよ!! まともに指導しろっての!!」
「あああ、だからやりたくなかったんだっての……」

※多分、キースは能力ありでもなしでも、本気なら滅茶苦茶強いと思ってる。
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#キスブラ #書きかけ

2019年9月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

かべうちに置いてたとこからの移動分。(加筆修正有)
JINSのポスター撮影を想定したネタによる紅敬。
元ネタを2018年に書いて、2019年の蓮巳敬人WEB誕生日会『Listen to me!』用に電子書籍として纏めた中に『どちらも本心』のタイトルで収録したものです。
完成品ですが、電子書籍に収録済なのでpixivにはUPしません。
(サイトとピクブラには後で置く)※もう少し余裕が出来たらサイトのNovelに移動します。

国内有数の眼鏡メーカーからいくつかのユニットをイメージした眼鏡を発売したい、というオファーがあり、それに伴って各ユニットのリーダーが宣伝用のポスター等に使う写真を撮ることになった。
今回に関してはユニットを問わず、衣装は全て先方が用意してくれるとのことだったが、それを聞いた鬼龍がプロのスタイリストの仕事を見ておきたいから、自分も同席させて欲しいと言ってきた。
今回はステージ衣装とはコンセプトが違う。
鬼龍が見ても、今後生かせる機会があるかわからんだろうと思ったのだが。

「それぞれのユニットイメージやユニットリーダー本人に合わせて、スーツやインナーを選ぶんだろ? 題材がシンプルだからこそ、どんな風になるのかみてぇんだよな」
「なるほど」

紅月の衣装は一部の例外を除けば、鬼龍がほぼ一手に担っている。
衣装だけではなく、小道具やヘアメイクもこいつの手によるものだ。
今はステージ衣装が大半だが、今後メディアの露出が増えるのであれば、確かに今回のような仕事も増えるかもしれん。
そうなったとき、やはり出来るだけ自分で関わりたいというのもあるのだろう。
実際、鬼龍が手掛ける衣装は紅月の大きな武器の一つだ。
そういうことならば、と先方に許可を取って、鬼龍も一緒に撮影現場へ来ることになった。
元々知り合ったときに眼鏡をかけていた守沢はともかく、他の面々の眼鏡姿を見るのは新鮮だったし、それぞれに合わせたスーツは皆似合っていて、制服とはまた違った印象を抱かせたことで、鬼龍が見たいと言った理由が理解できる。
幾人かの撮影が終わって俺の番になり、いざ撮影を開始したものの、数回シャッターを切ったところでカメラマンからストップがかかった。

「ごめん。ちょっとストップ。うーん……蓮巳くん、普段から眼鏡だからかなぁ……どうにもこうしっくりこないというか、決め手に欠けるんだよねぇ。もうちょっと印象が普段と変わるようなのが欲しいんだけど。勿論、紅月や蓮巳くん自身のイメージは保つ感じで」
「普段と変わる、ですか」

そうは言われても、眼鏡は生涯の伴侶と決めているくらい俺の生活になくてはならないものだ。
根本的なイメージはそのままに印象を変えるというのも中々難題のように思える。
どうしたものか――と思案していたら、ずっと黙ってみていた鬼龍が口を挟んできた。

「だったら、逆に眼鏡を外しかけているところを撮るってのはどうっすか。普段から眼鏡してるのって撮影するメンバーだとこいつだけなんで、印象が変わるって意味じゃありだと思うんすけど。完全に外すんじゃなけりゃ、眼鏡もちゃんと一緒に写りますし」
「待て、鬼龍。貴様、俺が眼鏡を外すと全然見えないのを知っているだろう。カメラに目線を合わせられるか分からんぞ」
「俺がカメラの傍にいて声を掛けるから、声掛けた方向を見りゃいい。旦那耳いいから、声なら方向は正確にわかるだろ」
「ああ、なるほど! じゃ、それでちょっとやってみようか。蓮巳くん、眼鏡をちょっと顔から離す感じで……そうだな、モダンが耳に引っ掛かってるかどうかってくらいの離し方を試して貰えるかい」

せっかくの眼鏡の広告だというのに、肝心の眼鏡を外しかけるなどと――とは思ったが、物は試しだ。

「蓮巳。顔の位置はそのままで視線だけこっち寄越せ」
「こう、か?」

鬼龍の声がした方向に視線を向けるとシャッター音が続けざまにスタジオに鳴り響く。

「あー、これだ、これこれ! ちょっとこんな感じで数枚撮らせて貰うね。うん」

カメラマンの声が明るくなったのが伝わる。
どうやら、これで良かったらしい。そのままシャッターが立て続けにきられて、終了の声が上がった。

「はい、いいよ、お疲れさま! ほら、こんな感じになったけどどうかな?」
「これは……」
「いいじゃねぇか。やっぱり」

眼鏡を元通りに掛け、たった今撮ったばかりのデータを見せて貰ったが、自分の目から見ても先ほどに比べて印象がぐっと良くなっていた。
眼鏡も外しかけているとはいえ、存在感が薄くなっているわけではない。

「うん、どうなるかと思ったけど、こういう手があったね。そういえば、紅月って普段は衣装やヘアメイクは鬼龍くんがやっているんだっけ。紅月のメンバーを見せることを普段から考えているからかな。いい案出してくれてありがとう」
「いえ。お役に立てたならよかったっす」
「じゃ、蓮巳くんは休憩入ってくれるかな。えーっと、次は――」

次に撮影する者が呼ばれたところで、俺と鬼龍はスタジオを出た。
ごく自然に俺に着いてきたものだから、つい問いかける。

「ん? 貴様は撮影を見ていなくていいのか?」
「一番見たかった旦那は終わったし、撮影そのものよりゃ、衣装の合わせ方を見たかったからな。全員分の衣装はもうチェック出来たから俺もちょっと一息入れる。自販機で飲み物買って休憩だ」
「そうか。俺もそうしよう。買ったら控室まで戻るか」

スタジオ内は飲食禁止だし、何か飲むなら控室が無難だ。
控室は何人かで利用していたが、まだ誰も戻ってきてはいなかった。他の場所で休憩していたり、撮影中だったりなのだろう。
控室の椅子にそれぞれ座って、自販機で購入したばかりのお茶を飲んでいると、鬼龍が何かノートに書き付けていた。

「……今回の衣装についてのメモか」
「ああ。それと眼鏡のな。やっぱりプロの仕事だな。全体通して見ても誰かが飛び抜けて目立つわけでもねぇが、ちゃんとそれぞれの個性も引き立てている」
「なるほど、言われてみれば。今後の参考になったようで何よりだ」

鬼龍は紅月の衣装だけではなく、流星隊を始め他ユニットの衣装も作成することもあるし、その点を踏まえても良い経験だったのだろう。
ふと、鬼龍が俺の顔を――正確には目元あたりをじっと見つめている視線を感じた。

「? 何だ?」
「…………ま、個人的な感情としちゃ、蓮巳の旦那が眼鏡外したところは極力人に見せたくなかったけどな。仕事とありゃそうも言ってられねぇ」
「……何だ、妬いているのか」

先ほどの撮影で眼鏡を外すことを提案したのは当の鬼龍だというのに。

「てめぇが眼鏡外すところなんざ、俺だってそんなに見る機会ねぇからな。でも、旦那は眼鏡外すと整った顔してんのがより分かりやすいから、こういう機会に見せびらかしてぇって気もあるんだよ」
「…………度し難い」

つい口元が緩んでしまうのを自覚する。
恋人としては妬くが、同じユニットの仲間としてはせっかくの機会を逃せないということか。
俺が鬼龍の衣装作りの腕前を誇らしく思うのと同時に、それが紅月だけでなく、他ユニットの衣装にも生かされることを、ほんの少しだけ面白くなく思うことと似ているのかも知れない。
他ユニットの衣装も手懸けることで鬼龍の評判、引いては紅月の評判もあがることがわかっていてもだ。
いくら恋仲であっても、アイドルとしての立場上、私情を優先させるなど有り得ない。
有り得ないが。

「撮影終了後、時間があるようならうちの蔵に寄れ。眼鏡を外したところを好きなだけ見せてやろう」

他者に見られることのない場所であれば話は別だ。
自室ではなく、防音を施してある蔵を口にした意味はこいつなら分かるだろう。
対外的に、いや、正確には家族に対して、紅月の誰かと蔵にいる時は、まだ公表出来ないユニットの活動についての話や練習をするときだから絶対に近寄らないよう告げてある。
だから、何をしようと他の誰にもわからない。
そう、何をしようともだ。
鬼龍が目を見開いたのは一瞬で、直ぐに笑みを浮かべた。

「なら、寄らせて貰うぜ。好きなだけっつったのはてめぇだってことを忘れんなよ」
「二言はない」

鬼龍の分の夕食も用意して貰うよう、母にメッセージを打ちながらそう返すと、旦那にゃ敵わねぇなという呟きが聞こえた。
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#紅敬

2018年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

渉英渉&零薫零の同軸リバ

ラブホでばったりあった二組のCPが同じ部屋でいたしちゃうやつの導入部分。
渉英渉が役割入れ替えて二戦目してるのに影響されて、零薫でしかしてなかった二人が逆転して薫零試すという同軸リバ。

「おぬしら、いつもそうやって変えて楽しんでいるのかえ?」
「ええ、そうですよ。英智が受け入れる側ばかりなのも負担が掛かりますからねぇ」
「それに入れ替えた時はまた違った反応が見られるのも楽しいんだよね。僕は渉に抱かれるのも、渉を抱くのも好きだよ」
「……そうか。男女と勝手が違うんだから、逆になってするっていうのもありなんだよね。なんで今まで思いつかなかったんだろ」
「か、薫くん?」
「…………攻めてみたいなぁ、零くん。まさか嫌だなんて言わないよね? 散々自分でしてきたことなんだしさ」
「い、言わぬが、それならそれで二人きりの時にしたいのう」

***

これ、ズ!!になるしばらく前に書いた物だったのでラブホにしたけど、今なら寮の部屋で藍良が不在の時とかでもありだなって思う。(藍良が可哀想すぎんか……)
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#渉英渉 #零薫零 #同軸リバ

かべうちに置いてたとこからの移動分。
Immorality of targetの続編冒頭部分。(堀みこ)
そこそこ構想纏まってはいるんだけど、手をつけられないまま数年経っている……。
Immorality of targetはこちら 。(リンク先自サイト)

「待てよ、親父! たまには最後まで話くらい聞いて――ああ、もう」

寝室で電話していた実琴のぼやく声が、リビングにいる俺の所まで聞こえてきた。
どうやら、また親父さんとちゃんと話が出来なかったらしい。
中々受け入れられねぇだろうなって覚悟はしてたが、本当に難攻不落って感じだ。
溜め息を吐きながらリビングに戻ってきた実琴は、疲労の表情を滲ませながらソファに腰掛けた。

「おう。何か飲むか?」
「ん……コーラまだあったっけ」
「あるんじゃねぇの。ほとんどおまえしか飲まねぇんだから」

言いながら冷蔵庫に向かって、やはりまだ残っていた未開封のコーラのペットボトルを取り出し、マグカップも二つ用意する。
それぞれに注いでから、一つの実琴の前に差し出して、もう一つは自分で飲み始めた。

「ほれ」
「ありがとう。って政行さんもコーラ飲むのかよ、珍しいな」
「この時間だからな。コーヒー飲んだら眠れねぇだろ」

時間は既に夜の十時を回っている。
カフェインレスのコーヒーもストックしてあるが、何となく今日の気分じゃなかった。
俺も実琴の隣に座って、何となくしょぼくれて見える背中を軽くぽんと叩く。

「今日も無理だったか」
「…………ごめん」
「おまえのせいじゃねぇだろ。長期戦になるのは覚悟してるさ」

弥生と離婚し、実琴と住むようになってからほぼ二年が経つ。
去年の春に買った指輪は、結局俺も実琴も着けて以降は人前で外すこともなく、すっかり身に馴染んだものになっていた。
政弥と実琴もすっかり仲良くなり、生活は概ね順調だったが、実琴の親御さんは相変わらず態度が軟化する気配はない。
いや、厳密に言えば親父さんの態度がというべきか。
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#堀みこ

2018年10月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

FROM ANOTHER WORLDの蓮巳視点(一部)

紅敬本『FROM ANOTHER WORLD』で載せられなかった蓮巳視点から。
やっぱり両方の視点揃えた上で、紅♀敬♀の百合カップル側もいちゃいちゃさせたのを加えて改めたい……。

手が滑って、落としそうになったファイルを反射的に掴もうとした際にバランスを崩し、足が梯子から外れた。

「……っと、しまっ……」
「蓮巳!」

後ろに倒れ込んだのと、鬼龍が俺を呼んだ声が聞こえたのは同時だ。
床に身体が叩きつけられる前に背後から鬼龍の腕が伸びたのが分かったが、その直後、結局二人一緒に床に転がった。
なぜか、背中に弾力のあるクッションのような感触があったのもあり、怪我らしい怪我はせずに済んだようだ。
だが――この違和感は何だろう。
危機一髪を逃れたからなのか、それとも――。

「……ったく、あっぶねぇな。怪我したらどうすんだよ。普段、アイドルとしての自覚を持って行動しろって言ってるくせ、に……」

妙に鬼龍の声が高いように思えたのは気のせいか?
落ちた衝撃で一時的に耳でもおかしくなったか?
だが、それはさておき、怪我をせずに済んだのは鬼龍のおかげだ。
まずは礼をと振り向いて。

「ああ、すま……」

言葉が続けられなくなる。
鬼龍の顔には違いないはずだが、髪がかなり伸びており、いわゆるポニーテールという髪型になっていた。
それだけではない。胸には男ではありえない膨らみ、さらにいうならかなりのボリュームのものがある。
一体どういうことだ、これは。
落ちた時に気絶でもして夢でも見ているのかと思ったが、それにしては質感にリアリティがあり過ぎる。
驚きで頭が回らないが、驚いているのは鬼龍もらしい。
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#紅敬 #女体化

2018年8月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

新婚夫婦な紅敬♀(女体化)

確かTwitterで妊娠したら指輪を外して~ってツイートを見かけた時に走り書きしたネタだったはず。
※蓮巳♀妊娠直後。
鬼龍くんが身に付けている指輪を通したネックレスの指輪は母親の形見で、紅敬♀夫婦が結婚する際に指輪は妹の方に譲っているという妄想の元に。

「何か帰りに買ってきて欲しいもんはねぇか」
「……ああ、そうだ。昔、おまえがしていたようなチェーンネックレスを一つ頼めるか」
「ん? 構わねぇが……どうした」
「妊娠によって指がむくむこともあるし、もし何らかの事情で帝王切開の必要が出てきた場合に指輪をしたままだと、結婚指輪を切断してからの手術となってしまうんだそうだ。電気メスを使うのに感電の怖れがあるからと。だが、ただ外しておくのも心許ないし、せめて身近に置いておければと」
「あぁ、そういうことか。だったら前に俺の使ってたので良けりゃあるぜ? 妹に譲ったのは指輪だけだからよ」
「ああ、まだ持っていたのか。なら、それがいい」

(久し振りにチェーンの状態を確認)

「あー……チェーンがちっと変色しちまってるな。あとおまえ華奢だから、ごついかも知れねぇ」
「いや、やはりこれがいい。俺たち二人を守ってくれそうだからな」
「そうかよ。じゃあ指輪外してこっちに通すぜ」
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#紅敬 #女体化

2018年6月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

紅月のアルバム、初回限定生産盤オーディオコメンタリーからの勝手な紅敬妄想。

見えないところで紅敬がこんなんやりとりしてたら楽しいなと(私が)
もうちょっと長くして話にしたいなと思ったけど、これはこれで纏まってる気がしないでもない。
 
アルバム発売に伴って、初回限定生産盤にはオーディオコメンタリーも収録したいって話だったから、歌の収録終了後に改めてそれを録ることになった。
各自がファンへの感謝も含みつつ、紅月で一押しの曲について思い入れを語るってテーマで、まずは紅月のリーダーである蓮巳の旦那から話し始めたが、普段から旦那は語り始めると長ぇところがあるから、ちょっと様子を窺っていたが案の定だ。
肝心の一押しの曲を挙げる前に、それまでの曲を懐かしんだり、曲としての味が増すよう育てていけたらなんて話始めちまった。
これはこれで蓮巳らしいコメントだが、生憎とオーディオコメンタリーに使える時間は限られている。後でコメントのバックに流すらしい『薄紅色の約束』に合わせてだから、三人全員でも四分足らず。
俺の声が入んねぇように唇だけで「旦那」と呼んで、巻いてけって意味で指先をくるくる回すと、俺の意図に気付いた旦那が一瞬ハッとしたが、すぐに話を一押しの曲へと戻した。
何だかんだ、最後にゃ予定していた時間に帳尻をきっちりと合わせてきたあたりはさすがだ。
話し終わって、どうだと言わんばかりに得意げな笑みを浮かべた旦那に、俺もちょっとだけ笑ってコメントを引き継いだ。
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#紅敬

2018年1月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ご当地グルメ紅敬(スパカツ)

ご当地グルメ紅敬企画に出し損ねたものだけど、企画元的にも今更出しにくさもあるので、どうしたものか。

台所から聞こえてくる物音で目が覚めた。
まだベッドから出たくない気分とのし掛かる気怠さをどうにか押しやって、ベッドサイドに寄せてあるチェストに手を伸ばし、置いてあった眼鏡を取って掛け、そのまま直ぐ横に置いてあったスマホで時間を確認すると、時間は午前十一時を回ったところ。
想定以上に遅い時間だった現実を受け止めるのにしばし掛かったが、時間を再確認し慌てて身体を起こす。
いくら、久々の休みとはいえど、まさかこんな時間まで自分が眠ってしまっていたとは思わなかった。
ただ、寝坊の理由として心当たりは十分過ぎるほどにある。

紅月は先月末まで、全国をライブツアーで回っていた。
それに伴う後処理やら、ライブ映像等の確認やらでようやく落ち着いたのが昨日。
忙しさが一番の原因だったが、ツアー、そして後処理が一段落するまでは、と性的な接触は控えめにしていたのだが、今日、明日が完全にオフということで昨晩は箍が外れたようにお互いに貪りあった。
意識が沈む前にカーテンの隙間から朝日が覗いていたぐらいだから、眠りについたのは確かに遅かった。
寝坊はそのせいだ。正当化するわけではないが、久し振りの休日なのだしこういうこともあるだろう。
台所の物音は鬼龍が朝食、いやもう時間的に昼食というべきだろうか。
その用意をしているのだろう。
俺も簡単に身支度を調え、台所に向かったところ、直ぐに俺に気付いた鬼龍が声を掛けてきた。

「おう、おはようさん、旦那。身体大丈夫か?」
「ああ、おはよう。大丈夫だ。ん? これから作るところということは、おまえも起きてからそんなに経ってないのか」

鬼龍は冷蔵庫からいくつか食材をとりだしているところで、まだ調理そのものは手付かずだった。
それなら、俺も一緒に作れる。

「俺も起きたのはついさっきだ。ちょうどいい。起きて来たなら、旦那も作るの手伝ってくれ」
「無論そのつもりだ。ん? 随分と色々出しているな。一体何を作るつもりだ?」

食材もだが、調理器具もテーブルに色々と並べられている。
パスタとそれ用の鍋はともかく、揚げ物の準備もしているあたり、俺が知っているレシピからのものではなさそうだ。

「ツアーで北海道行ったときに食ったスパカツ作ってみようと思ってよ。昨日、散々動いた分の回復にも良さそうだし」
「あれか。かえって胃がもたれそうだが……ああ、でも自分たちで作るなら量も調整出来るか」

今回のツアーは紅月にとっては過去最大規模のもので、全部で20近くの都市を回った。
当然、それまでのツアーで訪れたことのない都市もいくつか含まれる。
北海道は道東の主要都市、釧路もその一つだ。
前日入りして、駅周辺に多いという居酒屋をすすめられたものの、翌日にライブを控えている状態であまり飲む気にもなれず、ならばと地元の老舗洋食店を紹介され、そこで食べたのがスパカツだった。

――すぱかつ? すうぱあなさいずのかつということであろうか?
――いや、スパカツのスパはスーパーじゃなくて、スパゲッティのスパらしい。ボリュームが結構あるという話だ。
――スパゲッティの上にカツが乗っかってるらしいな。で、さらにミートソースがたっぷり掛かってる。でもって、ポイントは鉄板の上にそれらが乗ってるってとこにあるみたいだぜ。

(中略)

「料理の構成としちゃオーソドックスなもんの組み合わせだったから、それっぽいのを作りやすいんじゃねぇかってな。ただ、問題がある。皿がなぁ……」
「うん? 鉄板を使ったステーキ皿なら一応あるだろう?」
「ああ、それは分かってる。ただ、コンロが足りねぇんだよ。カツを揚げる、ソースを作る、パスタを茹でる、まではともかく、鉄板を温めるまでは足りねぇんだよな」
「あ」

このマンションのコンロは三口だ。
普段ならそれで十分な数だが、確かに全て出来たてでやろうと思うと足りなくなる。
構成はシンプルだが、なるほど。手間は予想以上に掛かりそうだ。
鬼龍が作りたくなったのも休みの日だからというのもあるだろう。

「ならば、大雑把になってしまうがステーキ皿代わりにホットプレートを使うのはどうだ? パスタが茹で上がる少し前から電源を入れておいて温め、出来たものを投入していけば熱々の状態で楽しめるんじゃないか」
「なるほどな。二人で食うんだしそんでもいいか。蓮巳、パスタとミートソース作り任せていいか?」
「ああ。揚げ物は集中した方が無難だろう。ミートソースはいつものレシピでいいのか?」

うちで使っているミートソースは鬼龍が元々実家にいた頃に使っていたレシピをそのまま流用していた。
料理本に載っていたレシピで、作る時は何度か使えるように大量に作っている。
ツアーで家を空けがちだったのもあって、今はミートソースのストックもない。

「んー、いつものウスターソースをとんかつソースに変更してみてくれねぇか? あと、おろし生姜とデミグラスソースもちょっと足す。多分その方が近い味になりそうだ」
「ということは、味見してデミグラスの量を調整する感じか」
「おう、それで頼む」

パスタを茹でるための湯を深鍋で沸かしながら、ミートソースの準備も始める。
鬼龍の家のレシピだったが、俺も何度か作ったことはあるから、もう作り方は頭の中に入っている。
問題は味の調整だ。

(以下略。いつか完成させたいとは思っている)
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#紅敬

■Information

@yukiha_hrksの書きかけ&pixivUP前の短編置き場。ジャンルもカプも雑多。
しばらくはエリオス(キスブラ他)が多くなりそう。
完成するかもしれないし、しないかもしれない。
らくがきは適度な頃に消し。
各ワンドロライで書いた分については後日サイト等にも置きます。
※こちらはポイピクが重いときの避難所です。
置いているものは大体一緒です。
Junkや未整頓だったサイトのEntryからも移行作業中。
タイムスタンプはサイトに置いている分はサイトの記録から、置いてない分は元ファイルの作成日。
https://whitealice.xyz/

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