No.12
共闘するキスブラ
怪我で一時的に見えなくなってるキースとサポートする形のブラッドで共闘するキスブラ。
※キースの能力が目で捉えたものなら何でも動かせる、なのが発覚したので、このパターン難しいかもしれん。
「げっ! しまった」
蜂型イクリプスを撃破したものの、その際に砕けた羽がこっちに飛んできたのを避け損ねた。
僅かに薄皮一枚で済んだとはいえ場所が悪く、額を切った際に流れ落ちてきた血が視界を塞ぐ。
くそ、見えねぇとサイコキネシスの力加減が上手く出来ねぇんだよな。
ここが郊外なら周囲丸ごと吹っ飛ばすってやり方でも構わねぇが、生憎ここは市街地だ。
市民の避難が済んでいるとはいえ、近くで対処しているヒーローは他にもいるし、下手に家や店を吹っ飛ばすわけにもいかねぇ。
かといって、近くに寄ってきた気配を狙って攻撃するにも、タイミングが遅れりゃこっちがヤバい。
どうしたもんかと思っていたところに声が掛かった。
「キース。何をして……、目をやられたのか?」
「ブラッド」
さすがにブラッドの声と気配なら見えなくともわかる。
すぐ近くにきたのが分かって少しほっとした。
コイツが傍にいるなら必要以上に気を張る必要はなくなる。
「目そのものはやられてねぇ。が、血が目に入っちまって見えてねぇんだ」
「なるほど。手当……といきたいところだが、先にここのヤツらを掃討してからだな。指示を出せば能力を使うのは可能か?」
「力加減は難しいが、場所さえ教えてくれりゃ多分いける」
「では、右に15度、20ヤード先」
「こう、かっ!?」
およその勘で言われた場所目掛けて、上から押しつぶすようなイメージで圧をかけると断末魔の声が上がる。
「ふむ。いけそうだな。ならば、俺が鎖である程度の数を纏めて位置を知らせるから、そこに全力でいけ」
ブラッドが俺の左側に回って、肩に手を置く。
「へぇへぇ。怪我人なのに休ませてくれないわけね」
「大した怪我でもないし、動けるのもわかっているのに休ませると思うか? いくぞ。…………左に60度、32ヤード先だ」
「ほらよ……っと!」
ブラッドの能力による鎖の音が止んだ直後に言われた場所に向けて、サイコキネシスを使った。
ブラッドが肩に触れてるからか、コイツが能力を使うときの感覚が何となく伝わる。
「出来れば、もう少し能力が影響する範囲を狭くしろ。建築物を破壊しかねん」
「あー……そうしたいけど、それやるとこの周囲にまで気が回らねぇよ」
「それは俺の方でやる。お前は指示した場所に攻撃することだけに集中してくれればいい。……不安か?」
ブラッドで不安になるなら、誰だってダメに決まってる。
隣にいるのが心強く思えるのは、ブラッドだからこそだ。
「いーや。そういうことなら任せるぜ」
「ああ。右に5度、15ヤード先の上空来るぞ」
「あいよ」
Close
#キスブラ #書きかけ
怪我で一時的に見えなくなってるキースとサポートする形のブラッドで共闘するキスブラ。
※キースの能力が目で捉えたものなら何でも動かせる、なのが発覚したので、このパターン難しいかもしれん。
「げっ! しまった」
蜂型イクリプスを撃破したものの、その際に砕けた羽がこっちに飛んできたのを避け損ねた。
僅かに薄皮一枚で済んだとはいえ場所が悪く、額を切った際に流れ落ちてきた血が視界を塞ぐ。
くそ、見えねぇとサイコキネシスの力加減が上手く出来ねぇんだよな。
ここが郊外なら周囲丸ごと吹っ飛ばすってやり方でも構わねぇが、生憎ここは市街地だ。
市民の避難が済んでいるとはいえ、近くで対処しているヒーローは他にもいるし、下手に家や店を吹っ飛ばすわけにもいかねぇ。
かといって、近くに寄ってきた気配を狙って攻撃するにも、タイミングが遅れりゃこっちがヤバい。
どうしたもんかと思っていたところに声が掛かった。
「キース。何をして……、目をやられたのか?」
「ブラッド」
さすがにブラッドの声と気配なら見えなくともわかる。
すぐ近くにきたのが分かって少しほっとした。
コイツが傍にいるなら必要以上に気を張る必要はなくなる。
「目そのものはやられてねぇ。が、血が目に入っちまって見えてねぇんだ」
「なるほど。手当……といきたいところだが、先にここのヤツらを掃討してからだな。指示を出せば能力を使うのは可能か?」
「力加減は難しいが、場所さえ教えてくれりゃ多分いける」
「では、右に15度、20ヤード先」
「こう、かっ!?」
およその勘で言われた場所目掛けて、上から押しつぶすようなイメージで圧をかけると断末魔の声が上がる。
「ふむ。いけそうだな。ならば、俺が鎖である程度の数を纏めて位置を知らせるから、そこに全力でいけ」
ブラッドが俺の左側に回って、肩に手を置く。
「へぇへぇ。怪我人なのに休ませてくれないわけね」
「大した怪我でもないし、動けるのもわかっているのに休ませると思うか? いくぞ。…………左に60度、32ヤード先だ」
「ほらよ……っと!」
ブラッドの能力による鎖の音が止んだ直後に言われた場所に向けて、サイコキネシスを使った。
ブラッドが肩に触れてるからか、コイツが能力を使うときの感覚が何となく伝わる。
「出来れば、もう少し能力が影響する範囲を狭くしろ。建築物を破壊しかねん」
「あー……そうしたいけど、それやるとこの周囲にまで気が回らねぇよ」
「それは俺の方でやる。お前は指示した場所に攻撃することだけに集中してくれればいい。……不安か?」
ブラッドで不安になるなら、誰だってダメに決まってる。
隣にいるのが心強く思えるのは、ブラッドだからこそだ。
「いーや。そういうことなら任せるぜ」
「ああ。右に5度、15ヤード先の上空来るぞ」
「あいよ」
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