No.17
サイコキネシスの応用範囲の妄想
キースのサイコキネシス万能説。
実際、アレめちゃくちゃ便利なだけに余計な勘ぐり入れる人いそうだなっていう妄想から。
書いてる部分だとカプ成分薄い&ほぼウエストセクターでの会話だけど、最終的にはキスブラ。
「なぁ、キース。お前、どんだけの数サイコキネシスで同時に操れるんだ?」
共有スペースに置いてある冷蔵庫から、ビール缶を取りだしていたところで、ソファに座っていたジュニアがそう聞いてきた。
「ん? どんだけ……っつっても、動かすもんが無機物か生き物か、大きさや重さがどんくらいあるかってとこで色々変わってくるけどな。動かすもんが無機物で3キロぐらい、それを単調な動きだけでいいなら……ま、200ってとこか」
「「200!?」」
オレの答えにはフェイスも驚いたらしく、ジュニアと声が重なった。
「何だよ……ロストガーデン行ったときにオレが本気出しちまったとこ見てんだろ、お前ら」
「いや、見たけどさ……オーバーフロウじゃないんだよね、それ?」
「オレはオーバーフロウは使えねぇよ」
「使わねぇでそれって凄ぇんじゃ……」
「ま、こんでもメジャーヒーローだからなぁ。疲れるし、そんな数一気に動かす機会もまずねぇけど」
「なぁ、動かすのって生き物がやっぱり大変なのか?」
「まぁな。オレが抱きかかえたり、背負ったりすりゃ、負担は軽くなるけど、そうでないなら力加減が結構面倒くさかったりすんだよな。あと、複雑な動きな。そうだな、例えば……」
ちょうど手にしていたビール缶を浮かし、ついでにグラスも棚から力を使って取り出す。
触らないままでビール缶のプルタブを開け、飲み口から中のビールをやはり浮かせたままのグラスに放物線を描くようにして注いだ。
「うお」
「へぇ」
「こうなるとちょっと複雑な動きって感じだな。蓋閉めたままなら浮かしときゃ楽なもんだが、一回蓋開けると缶っていう固体とビールっていう液体に分かれちまう感覚になるから、開けた時はちょっと面倒になる。ま、見ての通りコントロール出来ない範囲じゃねぇけどな」
中身を全部注いだビール入りのグラスと空き缶になったビール缶を同時にテーブルに置く。
オレもソファに移動してジュニアの隣に座り、グラスを手にし、いざ飲もうとしたところでフェイスが話し掛けてきた。
「…………これが出来るってことは、キースなら怪我をした人の傷口から血を抜き出して、そのまま絶命させちゃうっていうのも可能ってこと?」
「…………え」
フェイスの目が据わってる。ああ、こういう表情するとやっぱブラッドに結構似てるよな。
つうか、着眼点なんかも似るもんなんかね、兄弟ってやつは。
――キース。無闇にヒーロー能力は使わない方がいい。勤務時間外はなおさらだ。
まだルーキーだった頃、能力がどこまで使えるかを試す意味もあって、普段から気軽にサイコキネシスを使っていたが、ある時ブラッドがそう忠告してきた。
――お前の能力は応用がきくだけに、何かあった際に変に勘ぐられる可能性も出て来る。人目につくところではやめておいた方がいい。能力を使うことによる体への負担もだが、畏怖の対象となりかねん。……証拠を残さずに色々出来ると思われてしまう。
――……やんねーよ、んなめんどくせぇこと。
――わかっている。わかっているからこそ、余計な疑念を人に抱かせることはやめておけという話だ。
そういや、ブラッドは必要な時以外には全く能力を使わねぇってことにその時気付いた。
ブラッドの能力がそもそも戦闘向きで日常で使う類のじゃねぇっていうのも大きいが、金属を自在に操れるということはやりようによっちゃ犯罪にも活用出来てしまう。
オレの能力ならなおさらだ。
勿論、ブラッドの場合は元来の性格上絶対変な事なんてやらかさねぇだろうが、オレの場合はアカデミー入学前を考えると後ろ暗いこともあるから、疑念を抱かせるってのはあるなと自分でも納得したから、以降は知らねぇヤツがいるようなところでは能力を使わねぇようにした。
ブラッドはホントは二人きりの時でもあんま使って欲しくねぇみてぇだけど、一定の線引きはしているのは伝わっているらしく、たまに小言が出るくらいだ。
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#キスブラ #書きかけ
キースのサイコキネシス万能説。
実際、アレめちゃくちゃ便利なだけに余計な勘ぐり入れる人いそうだなっていう妄想から。
書いてる部分だとカプ成分薄い&ほぼウエストセクターでの会話だけど、最終的にはキスブラ。
「なぁ、キース。お前、どんだけの数サイコキネシスで同時に操れるんだ?」
共有スペースに置いてある冷蔵庫から、ビール缶を取りだしていたところで、ソファに座っていたジュニアがそう聞いてきた。
「ん? どんだけ……っつっても、動かすもんが無機物か生き物か、大きさや重さがどんくらいあるかってとこで色々変わってくるけどな。動かすもんが無機物で3キロぐらい、それを単調な動きだけでいいなら……ま、200ってとこか」
「「200!?」」
オレの答えにはフェイスも驚いたらしく、ジュニアと声が重なった。
「何だよ……ロストガーデン行ったときにオレが本気出しちまったとこ見てんだろ、お前ら」
「いや、見たけどさ……オーバーフロウじゃないんだよね、それ?」
「オレはオーバーフロウは使えねぇよ」
「使わねぇでそれって凄ぇんじゃ……」
「ま、こんでもメジャーヒーローだからなぁ。疲れるし、そんな数一気に動かす機会もまずねぇけど」
「なぁ、動かすのって生き物がやっぱり大変なのか?」
「まぁな。オレが抱きかかえたり、背負ったりすりゃ、負担は軽くなるけど、そうでないなら力加減が結構面倒くさかったりすんだよな。あと、複雑な動きな。そうだな、例えば……」
ちょうど手にしていたビール缶を浮かし、ついでにグラスも棚から力を使って取り出す。
触らないままでビール缶のプルタブを開け、飲み口から中のビールをやはり浮かせたままのグラスに放物線を描くようにして注いだ。
「うお」
「へぇ」
「こうなるとちょっと複雑な動きって感じだな。蓋閉めたままなら浮かしときゃ楽なもんだが、一回蓋開けると缶っていう固体とビールっていう液体に分かれちまう感覚になるから、開けた時はちょっと面倒になる。ま、見ての通りコントロール出来ない範囲じゃねぇけどな」
中身を全部注いだビール入りのグラスと空き缶になったビール缶を同時にテーブルに置く。
オレもソファに移動してジュニアの隣に座り、グラスを手にし、いざ飲もうとしたところでフェイスが話し掛けてきた。
「…………これが出来るってことは、キースなら怪我をした人の傷口から血を抜き出して、そのまま絶命させちゃうっていうのも可能ってこと?」
「…………え」
フェイスの目が据わってる。ああ、こういう表情するとやっぱブラッドに結構似てるよな。
つうか、着眼点なんかも似るもんなんかね、兄弟ってやつは。
――キース。無闇にヒーロー能力は使わない方がいい。勤務時間外はなおさらだ。
まだルーキーだった頃、能力がどこまで使えるかを試す意味もあって、普段から気軽にサイコキネシスを使っていたが、ある時ブラッドがそう忠告してきた。
――お前の能力は応用がきくだけに、何かあった際に変に勘ぐられる可能性も出て来る。人目につくところではやめておいた方がいい。能力を使うことによる体への負担もだが、畏怖の対象となりかねん。……証拠を残さずに色々出来ると思われてしまう。
――……やんねーよ、んなめんどくせぇこと。
――わかっている。わかっているからこそ、余計な疑念を人に抱かせることはやめておけという話だ。
そういや、ブラッドは必要な時以外には全く能力を使わねぇってことにその時気付いた。
ブラッドの能力がそもそも戦闘向きで日常で使う類のじゃねぇっていうのも大きいが、金属を自在に操れるということはやりようによっちゃ犯罪にも活用出来てしまう。
オレの能力ならなおさらだ。
勿論、ブラッドの場合は元来の性格上絶対変な事なんてやらかさねぇだろうが、オレの場合はアカデミー入学前を考えると後ろ暗いこともあるから、疑念を抱かせるってのはあるなと自分でも納得したから、以降は知らねぇヤツがいるようなところでは能力を使わねぇようにした。
ブラッドはホントは二人きりの時でもあんま使って欲しくねぇみてぇだけど、一定の線引きはしているのは伝わっているらしく、たまに小言が出るくらいだ。
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